第3号(2008/9/1)●2面

世界と日本を変える好機
確信をもって攻勢的活動へ

―今秋の情勢と当面の運動課題―
 今秋の闘いに臨んで、情勢を大局においてどう認識し、何を重点課題として闘うか。ここに提起する文書は、7月運営委員会での討論を踏まえ、事務局でまとめたもので、一部要約し、「解説」および関連する「短信」は下段に掲載している。―編集部。

資本主義の世界的危機と大激動の始まり

1、革命21(準)の公然化

 この5月、運動型新党「革命21」準備会が公然化し、連帯労組関生支部、国労岡山、管理職ユニオン・関西などの有志労働者が軸となって、闘いの現場から発した準備会の「日本を変えよう、世界を変えよう、わたしたちを変えよう!」なる「呼びかけ」は、労働運動、社会運動に大きな衝撃を持って受け止められている。
 以来、数ヶ月が経過し、このタイミングにおける準備会の公然たる活動の開始の意味と意義は、情勢の進化が日々明らかにしている。同時にだからこそ、わたしたちに、いま始まっている世界の巨大な変化の底にある問題をしっかりと掴んでその確信を深め、資本主義の危機を労働者の世界と日本を変える階級闘争のチャンスとするべく攻勢的な活動を強めることを、促している。

2、百年、数百年に一度の世界の大変化、その根っこに何が
 
―米国発「世界信用恐慌」の始まりと米一極支配の終わり―

 世界の大きな変化の根っこに動いている軸芯を、箇条書きにて列記すれば、以下の点である。

@米国発「サブプライム・ローン」(低所得者向けの住宅融資)の破たんを震源とする「世界信用・金融恐慌の始まり」が、世界各地へドミノ倒しのごとく金融危機となって拡がっていること。米国において、その金融危機が実体経済に拡がり、経済成長の急速な減速、失業者の急増などの「第二段階」に突入し、インフレの上昇とあいまってスタグフレーション(解説@下段に)の兆しが世界を覆い始めた。
解説A「第二段階」突入を示す最近の具体的例

A超大国アメリカは、二〇〇一年「九・一一事件」を契機にした「対テロ先制攻撃戦略」下でのアフガン・イラク侵略戦争の行使以降、その大破綻とベトナム戦争時を越える戦死者と巨大な戦費・軍事費負担(注)、住宅バブルの崩壊からサブプライムローン破たんが重合し、米国発「世界信用恐慌」の始まりの引き金を引いた。EU、中国、ラテンアメリカなど「途上国」の台頭、京都議定書からの離脱・イランと北朝鮮の核問題などにみる国際的二重基準などで国際的に孤立し、最早その一極世界支配を維持できないところに至っている。国内において原油高、食料高、農業破壊、産業の空洞化、賃金、雇用破壊が進み、国民のブッシュ共和党政権への怒りが高まり、米大統領選挙の中間選挙では共和党が敗北。今秋十一月には、民主党オバマの勝利の可能性も。
解説Aアフガン・イラク戦費について

B世界的危機の連鎖へ、
米国発「サブプライムローン」破たんによって、資本の価値増殖運動の暴走でもある投機マネーが原油・穀物市場になだれ込み―原油・ガソリン価格の高騰_穀物価格の高騰_世界的食糧危機と金融危機の複合連鎖となり、地球温暖化の進行とともに地球上を覆い、世界で「新しい飢餓と貧困」の問題を深刻化している。

CG8の破産、世界は多極化と大転換期に
洞爺湖G8サミットは、これら三重、四重の世界的危機への緊急対策が問われたが、米国基軸に新自由主義路線を推進し、巨大多国籍企業・巨大銀行と一握りの富者のための利潤追求をしてきた資本主義主要国の頭目G8には、これを解決する有効な策がないことを、またG8の「終わり」を全世界にしめした。
 G8サミットの課題の根底にあった問題―今日の地球と人類の生存の危機をもたらしている資本主義と新自由主義路線の破綻、爆発し始めている根本矛盾に対する―の根本的解決は、結局、石油、原発エネルギ―でもない地球と人間に優しい自然エネルギー政策への転換、大量生産・大量消費・大量廃棄のアメリカ型欲望と消費、生活スタイルからの変革、食糧「主権」・生存権、貧困と格差をなくす諸政策を鮮明とし、資本主義を根本より変える以外にないことをしめした。

3、労働者の世界史的課題と
運動型新党「革命21」準備の意義

 米国発「世界信用恐慌」の始まりと米一極支配の終わりの様相は激進しており、ドル大暴落、基軸通貨なき混迷と多極化、「保護主義」(ナショナリズム)の台頭へと突き進む可能性とともに、世界は大きく変わりつつ、歴史的大転換期、大乱の時を迎えた。まさに、百年、数百年に一度といってよい大転換期の始まりである。
解説Cこの歴史的大転換期の性格について

@この大転換期の根底にある問題は、新自由主義が破たんし、資本主義には投機マネーのすさまじい暴走を制御できず、大独占・大企業には社会の指導に当たる力がなくなり、「資本主義的生産の真の制限は資本そのもの」(マルクス)となっていることにある。

A資本の過剰に由来する「恐慌」という矛盾の爆発も、ある段階で「大不況」へと転じ、新たな「戦争」も含めて、恐慌に続く失業、賃金カットなど労働者への未曾有の悲惨を強制しつつ、資本の価値増殖のための更なる「高次」への再編成に至ることは、昭和恐慌、一九二九年世界恐慌において、わたしたちは経験ずみである。
二十世紀の「世界恐慌」の爆発、これに関わる「戦争と革命」の一時代の経験を呑み込んで高次化してきた米国基軸の今日の資本主義の危機は、これまで経験したことのないような不気味な発現形態をとりながら現われざるをえない。
解説D今日の世界恐慌の特徴について

B米国を後ろ立てとしたグルジアの南オセチア自治州への軍事侵攻とロシア軍のグルジア侵攻、米・ポーランドの迎撃ミサイル(MD)配備調印とロシアの南オセチア自治州の独立承認の事態の進行に、「米ロ新冷戦」の兆候も含めて、「資源・覇権」をめぐって諸大国が対立し争う「米一極支配崩壊の後に来る多極化の世界」の不気味さが見える。

C従って、時代は、資本主義の根本的危機を人類の希望の方向へと変える新たな世界史的主体の力を再生する問題を、のっぴきならない課題として突き出している。
 すなわち労働者階級の階級的主体形成を。そしてこれら労働者が諸生産協同組合諸組織に結合し、大資本家たちの手に負えなくなった社会的生産力を自らの手に掌握し、新たな協同組合型社会の形成をめざす社会革命の課題を。

Dその主体形成は、世界の貧しき民衆の反戦・反米、反グローバル資本と新自由主義との闘いの流れの中から、いま、資本主義にかわる経済・政治を追求する左翼の新たな挑戦が力強く始まっている。
中南米などにおける新自由主義と決別した中道・左派政権の続々の誕生と新たな地域連帯経済圏の拡大、ベネズエラなどの「二十一世紀社会主義」の挑戦、EU・フランスにおける反資本主義左翼政党結成への大きな動き、ネパールや韓国での左翼主体の再生と再編の動きなど。
「革命21」準備の公然化と本格的活動の開始もまた、こうした世界的な挑戦の一つである。そして、ここにこそ、歴史的大転換期の時代が不可避とする資本の世界を変える主体の形成と社会革命に向かって、わたしたちが、時代の求めるところにギリギリ間に合う形で起つ決意を固め、この情勢を主体的に切り開くべく、準備会を公然化し、大きな団結と協働を呼びかけた意図がある。
解説E日本共産党の「ルールある資本主義」という綱領的立場の限界

 以上のような認識に立つとき、世界に比して立ち遅れを否めない日本の社会運動が、世界十数カ国のそれら運動と国境を越えて出会った最初の機会であった反G8闘争において、日本の労働者運動の中から新しい革命主体の準備が始まったことを、関生ミキサー車キャラバン隊が労働者の行動でしめし、「コモンズ」英語・ハングル版をもっての「革命21」(準)の公然化後の初めての行動は、それがどんなに小さな規模といえども、大きな政治的意義のあるものと確認したい。

弱肉強食の新自由主義は破たんした!
 世直しのチャンスだ!

1、もうガマンも限界
    ――わが国の現状

 米国「サブプライムローン」破たんを震源地とする世界的金融危機の大津波が、日本列島弧社会を襲い、日米安保体制下の「運命共同体」として、米帝追随の道を歩む福田自公政権を直撃している。
 我が国の現状の特徴は、以下の諸点である。

@日本経済は、〇二年から「戦後最長の好景気」を更新してきたが、政府の公表によれば、〇八年四―六月期国内総生産が年率換算で実質〇一年レベルのマイナス成長(2・4%減)に転落し、景気後退に入った。物価上昇とインフレ傾向が同時進行し、そのしわ寄せが中小企業、商工業者、農漁民、労働者、高齢者に転嫁・集中し、最早ガマンも限界の犠牲を強いている。
解説F金融グル―プの損失、企業倒産数について

A雇用破壊、非正規労働者の大量の創出、年収二百万以内の労働者が一千万人を超えており、生活保護以下の暮らしを余儀なくされている国民が増大し、年金と医療の崩壊のなかで、貧困と生活不安にたたきこまれている。
 〇八年版「労働経済白書」は、非正規雇用と成果主義賃金が、労働者の労働意欲と生産性を低下させているとその見直しを求め、九五年の成果主義賃金、九九年の派遣労働を解禁・導入してきた財界・日経連戦略の破たんが鮮明となった。
解説G「後期高齢者医療制度」などについて

Bアメリカ追随、巨大銀行・多国籍型大企業中心の利益を第一とする自公政権は、アメリカとの日米安保・軍事同盟強化に、国民の暮らしや老後への不安をよそに、税金を我がもの顔に無駄使いしている。その最たるものが、アフガン・イラク侵略・占領戦争への参戦と自衛隊派兵であり、米世界戦争戦略と一体化した全国的な米軍再編(自衛隊再編)―沖縄・辺野古米軍新基地建設である。
解説H漂流する米軍再編

C過去の侵略戦争を美化するために歴史観の見直しを進める動きとして沖縄戦集団自決への日本軍関与を否定、南京大虐殺、慰安婦など日本の国家的戦争犯罪の見直しの策動が行われているが、世論と闘いがこれを破綻させている。

D年金、防衛疑獄、薬害エイズ、薬害肝炎、消費者を無視した偽装事件等にみる政財官の癒着と腐敗の構造は、今日の統治権力機構・社会制度を根本的に変える以外解決出来ない本質問題を提起。

E有事法制、国民保護法、共謀罪など国民の基本的人権抑圧法の制定、さらに二〇一〇年改憲発議の企み。G8サミット時の異常な「戒厳」体制にみるように、権力の強大化、「警察国家」体制が今日のわたしたちに対する弾圧となって現われている。

F国内の現状と関連して、ユ―ラシア大陸の東端・朝鮮半島においても、劇的な変化が起こっている。
●六月二六日、北朝鮮が六者協議議長国・中国に核計画申告書を提出し、同日ブッシュ大頭領が北の「テロ支援国家指定」と対敵通商法適用解除手続きに入ることを声明。以降「全朝鮮半島の非核化と東北アジアの平和と安定を目標とした六者協議」が「第二段階」へと前進。(注―米政権は難癖をつけて八月中旬段階では「指定解除」していない)(韓国については本紙前号「いま韓国で」参照)

G米軍再編―名護新基地建設にたいして、SACO合意以来十二年の間、杭一本打たせず身体を張って闘い日米両政府を追い詰めてきた名護住民、教科書問題で決起した沖縄県民をはじめ、全国の反基地闘争、「生きさせろ」と要求を掲げ行動し始めた非正規青年労働者たちの闘い、大漁旗掲げた二〇万人の休漁(ゼネスト)の漁民、怒りの声を挙げる農民、高齢者たち。全国各地での粘り強い闘いが発展している。

2、福田改造内閣は漂流する「泥船」だ

 福田改造政権は、小泉以来の弱肉強食の新自由主義的「構造改革」路線の破たんのなかで、その矛盾に引き裂かれてなすすべもなく漂流する「泥船」である。その上に、政権基盤の根底を揺るがす中小企業、労働者、農漁民、高齢者などの怒りにさらされており、このままいけば、立ち往生・自沈するか、追い込まれて総選挙に打って出ても最後の自民党政権となるは必至である。
 臨時国会の開会を前にして、国民の怒りをどうだまして懐柔し、解散総選挙をいかに有利に進め、政権の延命をはかるか。今、福田政権と自民・公明与党を動かしているのは、その一点である。 

@福田内閣は、総選挙をにらんで、「総合経済対策」を、〇八年度補正予算と〇九年度予算を一体編成する大型「景気対策」として、臨時国会冒頭に提出することを決めた。その規模をめぐって「予算バラマキ」を主張する与党―自民「上げ潮派」や公明党の従来型の大型補正予算を求める動きに右往左往する福田政権に対して、財界・御手洗日本経団連会長から、小泉以来の「財政健全化路線」の堅持と「バラマキ回避」、毎年社会保障費二千二百億円の削減と消費税大幅アップを提言した財界の「基本方針(骨太)二〇〇六年」を実行せよ、との縛りと叱声が飛び、バラマキと『健全化』の妥協的対策に落着きそうである。

Aインド洋での給油のための新テロ特措法についても、総選挙を有利に運ぶには「再可決」不可避の法案の先送りを主張する一部自民党と公明党の強い要請の間で右往左往する福田政権は、今度はシーファー米大使から尻をたたかれて、給油継続の延長方針を臨時国会の最重要課題とした。

B日本の大銀行・大企業がこれまでどおり米帝に追随し、米国流市場原理主義路線をとる以上、福田内閣は、政権内部・与党内の対立・矛盾に引き裂かれながらも、破綻した新自由主義「構造改革」路線の破れた大きな穴に小さなぼろ布をあてるような政策で乗り切る以外ない。

Cこれはこれで、世界の大変化を背に、アフガン情勢の悪化、米国発世界信用恐慌の始まりの大津波が、福田政権の小手先の景気浮揚策など吹き飛ばし、次々と政権の足元をゆさぶり続けて、抱え込んだ矛盾の爆発で、その迷走・漂流を激化させていくのは、必至である。

3、当面の運動課題

 明らかにしてきたように、敵の力は大きく弱っている観点で情勢を捉えること。政権の国内の経済・政治基盤は弱まっており、昨年の参議院選挙以降ダッチロール体制下に入っており、国民的総反撃の条件は拡大している、という観点に立って闘うことである。

 「世界信用恐慌」の始まりと新自由主義の破たんと米一極支配の終わり。それは、戦後六十年余の間、わが国を呪縛し続けてきた日米安保同盟の大転換、その廃棄への闘いの条件を拡げ、千載一隅の世直しの好機到来なのである。
 この確認に立って、以下、準備会の当面の重点闘争方針を提起する。
1、「革命21」準備会の公然化スタートの意義を共有する運動を各地で組織し、速やかに新党結成を目指す。(7月運営委は、組織・機関紙活動の数値目標、事業計画を確定し、労働、農業・農民、協同組合、サイバ―戦略などプロジェクトを発足。)
2、国家的不当労働行為に反撃し、今秋、ひとつの山場を迎える一〇四七人の不当解雇撤回、人権侵害を許さない国労闘争の勝利を目指す。
3、労働運動再生の戦略的課題として、日本労働運動の弱点である本工主義的企業内組合組織と運動を実践的に克服している関生型運動をモデルに、全国化する取り組みの強化。
4、ワーキングプア、非正規労働者、非正規青年労働者の要求実現闘争を強力に進め、大阪で発足された「非正規労働者のための協働センター」など、その組織化を目指し、全国に拠点をつくる。
●今秋期の重要課題として「労働者派遣法撤廃」を闘う。
5、生産協同組合路線を堅持し、近畿の生コンクリート製造業協同組合をはじめ輸送業、バラ輸送業、圧送など各協同組合運動を協同組合活動のモデルとして、全国に広める。
6、農民の暮らしを良くするためには、農業協同組合の民主化が必要条件である。農民労働組合の結成と農業協同組合強化に向けて、岡山など各地で調査・研究する。農業協同組合、農民労働組合のあるべき方向と政策(「農業・農民問題テーゼ」など)をしめす。
7、日本軍による沖縄戦における集団自決を歴史から隠蔽することを許さず、過去の歴史の研究を深め現実の運動に活かす。また、米軍再編―その要である沖縄・辺野古の米軍新基地建設阻止、横須賀、座間、岩国など反基地闘争、安保破棄、憲法改悪反対闘争を同時的に追求する。
8、「後期高齢者」イジメの医療制度の廃止、消費税の大幅アップ反対。年金、医療制度などの崩壊の政府への責任追求、道路特別制度の廃止など。
9、米軍のためのインド洋上での給油継続―新テロ特措法の再々延長を許さない。イラク航空自衛隊の即時撤退。自衛隊派兵恒久法制定策動を許さない。
10、朝鮮半島情勢の劇的変化にこたえ、日本政府に北朝鮮への経済制裁の無条件・即時の解除、国交回復交渉を要求する。朝鮮半島の自主的平和的統一を支持し、朝鮮半島労働者民衆と連帯して、米軍再編―日米安保条約破棄の闘いを強め、朝鮮半島の非核化と東北アジアの平和の実現をめざす運動の発展のため、全力を挙げて闘う。
 確信を持って大胆に呼びかけ、攻勢的に闘い、組織しよう。
【付記】
近く予想される総選挙についての方針は、別途に「運営委声明」で明らかにする。

解説

■解説@
スタグフレーションとは、一言でいえば、景気後退とインフレが同時に進むこと。
 現在、スタグフレーションに陥りつつある世界で、この傾向がベトナムの上昇率25%を筆頭にインドなどの新興国を直撃している。
■解説A
 この「第二段階」突入を示す最近の具体的例を列挙すれば、以下である。
○7月11日、住宅ローン大手インデイマック・バンコープが破綻し、預金者の取り付け数百人が列、警官出動した。
○7月14日、政府系住宅金融機関の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック)の経営不安・株価暴落し、米政府が2社の救済に30億ドル拠出を決定。地方銀行の破綻も進行。どちらも米国住宅金融と証券化金融の中核。2社で米国住宅金融の半分の530兆円。つまり低所得者のサブプライムローン(金子治「影の銀行システム」)から「表の銀行システム」中・上層の大手優良ローンに金融危機が拡がる。
○7月28日、サブプライム損失額を、IMF(国際通貨基金)の世界金融安定性報告では、米国・欧州・アジアの金融機関のこの半年の損失が4000億ドル(43兆円)に。08年4月の同報告の世界の推定損失額9450億ドル(101兆6千億円)は据え置き。アメリカ不動産金融会社の259社が倒産しており、米金融大手10社の損失が過去1年で約2千億ドル(21兆4千億円)で氷山の一角に過ぎないといわれている。
■解説Bアフガン・イラク戦費
 この間のアフガン・イラク戦費は、2003年の月額44億ドルから、現在月160億ドルに上昇し、2009年軍事費は5150億ドル(55兆円)、公的累積債務も含めて10兆ドル(1070兆円)を突破し、ブッシュ政権の6年間で3兆6000億ドル(385兆円)の経常収支赤字に。このまま戦争を継続すると、2017年には3兆ドルの規模に達すると予測。ベトナム戦争での戦費1日1億ドルが、1973年のドル危機の引き金を引いたように、この泥沼化した両戦争の戦費がドル崩壊の引き金を引く可能性も。
■解説C歴史的転換期の性格について
 この大変化・転換は、19世紀から20世紀への世界史的転換、つまり19世紀の国際金本位制をもっての大英帝国基軸の「パクス・ブリタニカ」の世界秩序が崩壊して、アメリカ基軸の「パクス・アメリカ」なる帝国主義的、金融・独占資本主義的世界編成への全世界的転換以来の、大転換・大激動の開始を意味している。
■解説D今日の世界恐慌の変容について
 《恐慌》とは、資本の産業転換=景気変動過程における〈好況↓恐慌↓不況↓経済的再高揚〉の4局面の交替・推移・変容の核をなす。この《恐慌》の過去と現在の相違については、次のようである。
「資本主義の根本矛盾の発現は、これまで10年周期で到来した商業恐慌・産業恐慌・世界市場恐慌となって現われた19世紀のイギリス基軸の資本主義段階では、結局資本の蓄積様式を高次化してきた。そして、この蓄積様式の新しい段階を画すことになった金融資本主義の時代においては、産業資本主義の時代のように循環性恐慌でその価値廃棄・破壊することで資本の過剰を処理することが出来なくなった。20世紀の世界戦争は、その意味で周期的な産業循環で処理することが出来なくなった「過剰」を処理するための膨大な戦死者を含めた浪費―価値破壊であった。ところが、世界戦争の浪費によって巨大化・肥大化した生産・消費力を「平和的形態」で引継ぎ(大量生産・大量消費、大量廃棄のシステム)発展させてきた米帝基軸の現代の資本主義は、管理通貨制を経済梃子とする金融・財政政策によって10年毎の産業・商業恐慌を操作し、変形して吸収し、高次化してきた。このような段階での「過剰」は、もはや20世紀のような「世界戦争」によって処理しようとすれば、核戦争による人類共滅しかありえないことになる。」(準備会「プログラム案のたたき台」より)
■解説E日本共産党の綱領的立場の限界について
Eこうした認識と見地からすれば、「綱領と情勢が響きあう新しい局面」で、「ル―ルなき資本主義―大企業中心主義の異常をただす民主的改革を掲げる党綱領の立場」「国民生活と日本経済の行き詰まりを打開する」とする日本共産党の綱領的立場の限界を見ておかねばならない。世界信用恐慌の始まりによる資本主義の激化する世界的危機の根本的解決が問題であるときに、「資本主義の民主的改革でルールある資本主義に」なる綱領路線では、結局のところ労働者民衆の闘いを資本主義の打倒に向かわせずに、闘いを資本主義の枠内にとどめ、結果としてその延命に手を貸すことになる。わたしたちもまた、綱領路線と情勢とが日々の生活のなかに具体的に現れだしている大きな世界の変化ととらえるからこそ、このことを、強調し確認しておきたい。

■解説F金融グル―プの損失、企業倒産数など
○6大金融グループの08年4―6月期決算―軒並みの業務益減少。サブプライム問題による損失―みずほFGが270億円、三菱UFJが1039億円、三井住友FGが837億円計上。(農林中金―JAバンクの損失問題などはこれから浮上)
○企業倒産―全国で1372件。1300件を越えたのは03年以来の4年9ケ月ぶり。主に「アーバンコーポ」など建設・不動産が最多で、原油・資源高による製造業から農林漁業に広がり始めている。
○中小企業金融総合研究所の4―6月動向調査によれば、業況判断指数は、マイナス23・6で、五期連続の悪化、6年ぶりの低水準へ。
■解説G「国民生活に関する世論調査」
○内閣府「国民生活に関する世論調査」(8月16日発表)−「生活に不安」が初7割、不安の内容のうち「老後の生活設計が6年連続トップに。
■医療費・療養費削減に抗議の声
 厚生労働省は高齢者の医療費削減のために長期入院患者のための療養病床に「医療区分」を導入し、療養病床の削減を進めてきた。長期療養患者への診療報酬を大幅に減額し、治療を続ければ採算がとれないようにしたのだ。そのため、長期治療や療養が必要な老人は病院から追い出され、短期間にいくつもの病院をたらい回しされたあげく、最後には受け入れてくれる診療施設がなくなってしまう。まるで現代の「おばすて」のような医療の実態を作りだしたのは二〇〇六年の決定によるものである。35万床を十二年度末に18万床に減らし、医療費四千億円の削減を見込んでいる。社会保障費も同じく削減が進められている。政府は、毎年二千二百億円の削減を進めてきている。
■解説H漂流する米軍再編
○2006年の日米最終合意の在日米軍再編計画は、米先制攻撃戦略のために、米海兵隊普天間基地の返還とその代替基地として沖縄・名護新基地建設、米領グアムの海兵隊新基地建設費の6割負担、神奈川・厚木の米空母艦載機の岩国基地への移転を中心に、2014年完成を目指してきた。これに日本政府は、最低でも史上空前の3兆円を負担予定。今年度は、すでに521億円の経費が計上ずみ。(廃止された生活保護の老齢加算の額400億円を上回る額)
○米軍再編交付金を再編計画に関わる自治体に対して、賛成すればバラマキ、反対すれば交付せず、各自治体の分断と屈服の強制に。
 再編構想の中核である普天間移設と辺野古新基地建設は、沖縄現地住民の闘いが破綻させており、全国の反米軍再編の闘いの広がりとともに、2014年を前に、米国の先制攻撃戦略も後退しており、米軍再編の頓挫は不可避である。

沖縄・辺野古の現場から

海上阻止活動を8月下旬より再開
仲間を守るためにも、
陸上への座り込み応援を!

 5月、6月と続けて、水中で多数の潜水作業員が2人の市民ダイバーを囲んで暴行したため、水上、水中での調査機器設置への対応を止め、監視活動のみを行ってきました。
その間、沖縄防衛局への抗議と指示内容の確認等を行い、弁護士、各団体とも連絡を取り合ってきました。同時に陸上、海上の仲間と数度にわたる話し合いの中で次の対応への準備をしてきましたが、今日から海上での「阻止活動」を再開します。海上にでている仲間を守るためにも、陸上への座り込み応援をよろしくお願いいたします。


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