第3号(2008/9/1)●8面

■書評

いま、食と農の世界が音をたてて崩れている

大橋直人(介護労働者)

大野和興、西沢江美子著の『食大乱の時代“貧しさ”の連鎖の中の食』を読んで、食と農の現場から世界を見据えよう!七つ森書館発行・1800円


の資本主義社会、商品化の波が農業を全面的に飲み込んでいくとき何が起こるのか? 農業はいまや巨大な資本の下に統合され、金融資本の投機的投資の対象となりつつある。循環的で永続的な農業のあり方、人間の生活と生命を支えるものとしての農業のあり方は否定され、短期に最大の利益を生むことが農業の目的とされる。これに対抗するために、「生命の循環」「生命の再生産」の根っこにまでさかのぼって、今起こっていることの意味をとらえる。そして生きる権利を求めて世界中の人々がたたかっていること、足元では「くらし」を自分たちでつくりなおす実践がはじまっている。そのことが伝わってくる。

書の冒頭で紹介されている二つのエピソードは、資本による農業支配の帰結を象徴的に表現している。その一つが今日の食料価格の高騰と食料危機である。「国連の世界食糧計画(WFP)は飢餓や栄養不足の子どもたちを対象に学校給食プログラムを実施しているが、食材の高騰で縮小せざるを得ないところまで追い込まれている。WFPによると、現在およそ1億5千万人に及ぶ5歳未満の子どもたちが、栄養不足のために年齢の割には背が低いというような身体的な発育不全に陥っている。・・・こうした現状の一方で、・・・農業や食料にかかわる巨大企業は空前の利益を得ている。」資本にとっては、数億人の人びとが飢餓に追い込まれようと、何の問題もない。合理性の基準は利益である。

う一つは、昨今大騒ぎとなった農薬入り中国ギョーザ事件。「日本国内の食品価格競争はすさまじい。・・・日本の食品企業は国内の農業生産を衰退に追い込んだあと、国内の企業競争をそのまま中国に持ち込み、農民に低価で作ることを強いたのである。」「低価格競争の押し付けは、農場から加工工場にも持ち込まれる。」かくして、農場では安く見栄えの良い商品を作るために大量の化学肥料と農薬散布が常態化し、加工工場では低賃金で劣悪な労働を強いられる労働者の不満が鬱積する。「農薬入りギョーザは日本発のブーメランなのだ。」食品の安全性は二の次になる。資本にとって目的は消費することではない。売ることであり、儲けを出すことである。それに適合するように、人びとの欲望は操作され、安全基準も変更される。(次号に続く)
■地方からの便り

世界と日本の現状を考える

 一九九〇年代の初め、ソ連とその衛星国が崩壊し、祖国でレーニンは否定されましたが、マルクスは、まだヨーロッパでは世界で一番影響を与えた人物として認められています。マルクスの理論でも時代にそぐわない所や誤りが多々あります。ソ連とその衛星国の崩壊により資本主義国を暴走させてきました。
 現在「社会主義国中国」では、国営大企業、国立四大銀行などが国営から株式会社に移行過程にあります。さらにベトナムでも中国と同じように市場経済(社会主義市場経済体制)への移行が行われました。中国では、土地以外の私有財産が認められました。中国、ベトナムなどの「社会主義国」とヨーロッパの社会民主主義政権の資本主義国とは、収れんしているのではないでしょうか。
 現在の日本の財政赤字は、千兆円(地方債務も入れて)を越えています。私は大学時代にスウィージーとバランの書いた『独占資本』を読み、三〇年後ぐらいにアメリカは国家予算の半分ぐらいが赤字国債で賄うことになるかもしれない、国家予算の半分が赤字国債の限界ではないかと思い、アメリカが試練に立つと考えました。その後、アメリカはグリンスパンなどの巧みな金融政策により、その問題をクリアしてきましたが、とうとうサブプライム・ローン破綻を契機に金融危機に。そうした事情から日本も試練に立たされています。景気が良くなってきますと自然金利は5%ぐらいですので千兆円の赤字ですと利息だけで五〇兆円になってしまい、現在の税収は五二兆円ぐらいですのでほとんど利息で予算が立てられなくなります。その上に景気後退がさらに重なれば、さらに著しいです。
 国債も額面100円の国債が2〜4%に利息が上昇しますと50円ぐらいに下落してしまい日本の銀行部門で130兆円を持っている銀行などは倒産するところが出てきます。そしてハイパーインフレに突入していきます。一つの処方箋としてフランスで行っている富裕税が考えられます。富裕者階級は、あまり多くの消費をしないので景気を悪くします。税金を多く取って投資をした方が良い。
 現在の世界と日本資本主義の危機は絶好のチャンスであります。まず第一に、保革逆転を次の衆議院議員選挙で実現したいものであります。草島勇太(山形)

コモンズ川柳

乱 鬼龍 

    恐慌が来るぞと告げて記事多弁

    総裁選こんな程度がやかましい

    日本のあなた首相になれますか

    天誅という声充ち天下の秋を知る

    この国の汚染を告げて汚染米

■労働運動研究会

労働運動再生の戦略を構想する

――21世紀は生産協同組合の時代

研究会は1回につき、1,000円。
(非正規、失業中の労働者は500円ないし免除します)
【申込方法】研究会は申込不要です。直接おいでください。

【テキスト】



『労働運動再生の地鳴りがきこえる――21世紀は生産協同組合の時代』
(脇田憲一・武建一編著、社会批評社、2005年)

『武建一 労働者の未来を語る―人の痛みを己の痛みとする関生労働運動の実践』
(武建一著、社会批評社、2007年)

日程 [5]10月25日(土) 午後3時〜5時
第5講 関生労働運動への政治弾圧は何を鍛え育てたか
講師 篠原道夫
三多摩自由労働者組合委員長

場所 アソシエ21ホール 〒101−0065
 東京都千代田区西神田1-3-13山田ビル3F
TEL:03-5282-2221 地図はこちらをクリック
■あなたがつくるしんぶんです

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媒体は ILLustrator 又は Photoshop データをメールでお送りくださるか、郵便か、ファックスでおねがいします。編集部で修正する場合もあります。
※締切 2008年11月20日消印まで
※賞金 30,000円
■貧困と不安定雇用と社会的排除を押し付けるG8に反対!

編集室から

●月刊総合誌『論座』が10月号で、同じく『現代』も1月号で休刊すると発表された。相次ぐ総合誌の休刊は、出版不況とインターネットの急成長のなかで、活字出版物の大きな曲がり角がきているをしめしています。そうした中で、別記のように、機関紙局員の努力で、全国の書店にコモンズを置いていただけることに。また、ネット上の日刊ベリタにも、コモンズの広告や原稿の一部が10月より掲載されます。コモンズの内容をもっと充実させ、もっと親しみやすいものにと考えているところです。(生)
●「貧」という字は「貝」を「分ける」と書く。貝とはお金の事である。古代の中国で貨幣として使われていた。「富」という字はウかんむりの下に「一・口・田」と書く。これらは組み合わされてお酒などをいれる容器の形を意味する。富者は家の中に美酒を貯め込んでいたのであろう。現代で言えば専用のワイン倉に高級ワインを貯蔵しているようなものか。貧者はお金を分かち合い、富者は富を独占する。まるで社会主義と資本主義とを一字で表したような字である。その富者が富を独占するシステムがいま瓦解を始めている。これを解決できるのは分ち合いを知る貧者だけである。貧しき者こそ幸いなれ(幹)

コモンズ定期購読のおねがい

いま私たちの生活は不安でいっぱいです。労働はますます過酷(かこく)になっていくのに収入はちっとも増えず、ものの値段ばかりが上がっていきます。政府はこれを改善しようともせず、逆に税金や保険料負担や年金の支払を増やし、医療サービスや老後の年金をけずるありさま。これではその日その日をせいいっぱい生きても、明日の希望が見えません。人間としてあたりまえの生活も許されないのか!
            ※ ※ ※ ※ ※ ※  
せいかつはますますひどくなるばかりです。わたしたちが動かなければ何も始まりません。わたしたち自身が立ち上がる時です。そこでわたしたちは新しい運動型組織『革命21』(準)をスタートしました。しかし、わたしたちのちからだけではまだまだ足りません。みなさんのちからが必要です。ひとりひとりは弱い存在です。でもちからをあわせて行動を起こせば、きっと世の中を変えていく事ができます。さあ、いっしょにたたかいましょう。わたしたちの運動に参加してください。
            ※ ※ ※ ※ ※ ※  
この運動をひろげていくために「コモンズ」を創刊しました。この新聞はわたしたちの主張を載せるだけでなく、地域や職場で、自分や仲間の生活向上をねがって政府や企業とたたかっている人たちのための情報紙にしていきたいと願っています。地域や職場の情報が全国に広がってゆく事によって、わたしたちはみんな、自分がひとりぼっちではなく、同じ悩みをかかえ、同じように歯をくいしばってたたかっているひとびとが全国のいたるところにいる事が見えてくることでょう。
            ※ ※ ※ ※ ※ ※  
この新聞を通しておたがいにささえあい、助けあいましょう。喜びも悲しみも分かち合いましょう。「みんなはひとりのために!ひとりはみんなのために!」。この新聞をあなたの情報紙にしてください。またあなた自身のたたかいの情報をこの新聞に載せて全国に伝えてください。あなたの思っていることをこの新聞に提案してください。よりよい新聞をいっしょに作っていきましょう。この新聞を購読してください。この新聞のむこうには、あなたとの連帯を求める多くのなかまが待っています。

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