第8号(2009/2/1)●2-3面
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ルポ・日比谷公園年越し派遣村

苦難と闘いは今も続いている
 2008年の大晦日、日本の中枢とも言える東京、霞ヶ関の日比谷公園に、突如出現した”難民キャンプ“「年越し派遣村」。
 ”派遣切り“被害に遭い、仕事や住居を失った者や、路上生活者の支援のために、12月31日〜1月5日まで日比谷野外音楽堂周辺に設置された。村長のNPO法人自立生活サポートセンター事務局長湯浅誠さんを筆頭に、労働組合、弁護士などが実行委員会を組み、炊き出しや、テントなどによる緊急住宅の提供、弁護士の有志が労働、生活保護、医療、多重債務などの相談に乗る。弱者が肩を寄せ合い、弱者を切り捨てる社会に立ち向かったこの行動はメディアの注目を集め、霞ヶ関や永田町を動かした。年を越して派遣村は閉じられたが、人々の苦難とたたかいはいまも続いている。
(日刊ベリタ記者 村上力)

元旦、深夜まで入村希望者が続いた

 開村日の31日、日比谷公園には支援物資を担いで右往左往する人々が多く見受けられた。全国各地からこの村に食料、衣類などが届けられたのだ。
 村には休憩用テントがあり、入村者に配慮して取材陣は入ることができない。中にはテレビや暖房などの設備が完備され、入村者はゆっくり休むことができる。
 各種相談窓口は13時から開かれる。村民はそろって銭湯に行く。初日の炊き出しでは年越しそばが支給され。他の日には餅つきなども行われた。
 村民には、怪我や病気の者が多数見られた。風邪を引いている者、つめが剥がれている者、足が不自由な者。しかし、「派遣村」は診療所ではない。処方箋を書くことができない。村民の中には、タクシーで「派遣村」まで搬送されてくる者や、路上生活で衰弱しきっていて、「派遣村」にて倒れてしまう者などがおり、ボランティアスタッフが付きっ切りで看護にあたっていた。「派遣村」に搬送された患者は、より重症の患者が来る可能性も考え「派遣村」で一時的に待機するという状況になっていた。
 1月1日の深夜には、50張りに増設したテントも満員になった。この日はすでに予想をはるかに超えるおよそ250名が入村し、実行委員やボランティアは朝まで起きているか、相談窓口に布団と毛布を敷いた臨時のテントに寝ることになった。夜が明けるまで入村希望者は絶えることが無かった。2日の朝になっても、窓口の前では体を振るわせる入村希望者がいた。


厚労省と交渉、講堂を開放

 危機的状況となった「派遣村」実行委員は1月2日、「緊急記者会見」を開いた。実行委員はテントと医薬品、医療ボランティアの募集と、行政の対応を要請。同日の午前中、村長の湯浅さん率いる実行委員らは目の前の厚生労働省に対して申し入れ書を提出。はじめに対応したのは警備員であったが、再度申し入れを行ったところ、大村秀章厚生労働副大臣が対応し、厚生労働省内の講堂(中央合同庁舎5号館別館2階)を臨時の宿泊場として開放させることに成功した。
 講堂内は体育館のような作りで、暖房が効いて暖かい。泊まった村民は「暖かかったです。村民の殆どが移動したけど、いびきも気にならないくらい、ぐっすり眠れた」と話す。
 しかし、これで問題は解決したわけではなかった。村民の殆どが移動した厚生労働省講堂は、250名ほどでほぼ満員となった。年末年始に池袋や渋谷などで行われている炊き出しが終了すれば、そこから流れてくる者が出て、またテントが足りなくなることが危惧された。実際に他の炊き出しで配られた「派遣村」のチラシを持って来た入村希望者もいる。
 さらに「5日以降」への懸念が深刻になっていた。「派遣村」が撤収し、村民がまたネットカフェや飯場に戻るのでは何の解決にもなっていない。
 そこで4日の19時前から、「派遣村」実行委員、ボランティアらによる厚生労働省側との交渉が開始された。2時間にわたる交渉の結果、厚生労働省は都内4箇所を12日まで「緊急避難所」として開放すること、その4箇所にも労働相談、生活相談などの窓口を、国や自治体が用意することを受け入れたのだ。実行委員によれば、厚生労働省は期限の12日がすぎても行き場が無い者も、「追い出すことはしない」と話していたという。
 4日の夜、これを報告した村長の湯浅さんは「今日までの一週間は、みんなで命を支える一週間でした。明日からは、再就職を目指す人、生活保護を申請する人、住宅を探す人、ひとりひとりのたたかいになります」
「2008年はひどい年でした。2009年はこの派遣村をスタートに、こういう世の中はおかしい、もっと活き活きと安心して暮らしていける社会に変えていくための第一歩としたいと思います」と、村民を励ました。

助け合う「村民」

 「派遣村」では、ボランティアだけでなく村民同士がお互いに助け合っていた。「派遣村」での仕事を中心となって行っていた多くは村民であった。そのうち一人は長い間派遣社員をやっており、ネットカフェなどに寝泊りをしていたという。かれは入村手続きを行う窓口にて、訪れる村民に対してカンパの食べ物と暖かいお茶を与え、「私も同じ(境遇)です」と話し、訪れた者を安心させていた。そうして夜通し働いていた。医療ボランティアで夜通し患者の看護に当たっていた者も村民であった。彼は常に患者のことを気遣っていた。
 村民同士は初めて会う人でも気軽に話すことができた。一般的に”ホームレス“というのは話をすることは無かったが、普通の人たちである。しかし、社会から偏見の目で見られ、普段、人と話す機会が少ないのかもしれない。しかし同じ境遇にあるものが集まる「派遣村」では、いたるところで村民同士が「派遣村」撤収後の不安や、仕事の事、お互いの境遇を話し合っていた。
 ボランティアも合計で1600人が登録され、現金カンパだけでも2300万ほどが集まった。実行委員も手弁当だ。つまり、多くの人々が助け合い、悩みを共有できる社会が、「派遣村」ではできていたのである。多く報道陣が詰め掛けたこともあり、メディアも「派遣村」に注目していた。社会問題としての貧困を正月のんびり過ごす人々に突き付けたのである。


申し入れを拒否した経団連と大企業経営者

した「派遣村」の影響は、”永田町“にまで波及した。「派遣村」には早くから野党の代表クラスの議員が視察に訪れ、自民党の大村副大臣も行動に出ている。5日の国会請願デモの後には院内集会も行われた。
 院内集会には、民主党菅直人代表代行、共産党志位委員長、国民新党亀井久興幹事長、社民党福島瑞穂党首、新党大地鈴木宗男代表、大村秀章厚生労働副大臣(自民)、片山さつき衆議院議員(自民)ほか、80人ほどの国会議員が集まった。そこでは「派遣村」村民の前で、国会議員たちが雇用対策や住宅対策などに関する緊急決議について意見を交換した。
 こうして、日比谷に設置された「年越し派遣村」には、多くの市民団体、労働組合、弁護士などが支援に乗り出した。そして国、政治家らを動かした。
 しかしながら、これだけ多くのセクターが対応に乗り出したにもかかわらず、当の”派遣切り“を行ってきた大企業、財界は微動もしなかった。「派遣村」が日比谷から撤収した翌日の6日、経団連は「新年賀詞交歓会」を四ツ谷のホテルニューオータニで催していた。その会場へ同日、「派遣村」村民と支援に携わった労働組合・ユニオンらは経団連御手洗会長に対して、公開質問状を手に申し入れを行う。しかし経団連側は公開質問状の受け取りさえ拒否した。経団連会長の御手洗氏は、以前申し入れ書を受け取っているがこれにも回答をしていない。

解雇通告を撤回せよ!

ヤンマーは外国人派遣労働者の雇用と生活を守れ
 ヤンマー株式会社びわ工場(滋賀県長浜市)の偽装請負・違法派遣が発覚した。労働者たちはこれに抗議し、直接雇用(期間工)を勝ち取った。しかしその内容は、最長2年11ヶ月で契約打ち切りというものであった。ヤンマーはこれまでボロ儲けをし、正社員には高額賞与を支給しながら、ブラジル人ら外国人労働者の契約解除や期間工の解雇などを行ってきたのである。
 びわ工場内の渡辺工業で長年働いてきた日系ブラジル人派遣労働者らは12月5日、1ヵ月後の解雇が突然通告された。12月20日、26日ですでに解雇されている人もいた。11月まで公休出勤させたうえ、生産調整を口実とする突然の解雇である。派遣会社は雇用保険には未加入で、雇用契約書も無く、有給休暇等の労働基準法の権利も守っていない。こうした違法行為を知りながら働かせていたヤンマーには重大な責任がある。
 差別的雇用、先の減産を見越した「派遣切り」「期間工切り」などひとを「物」扱いするヤンマーに対して期間工とブラジル人派遣労働者の連帯行動により未加入の雇用保険をさかのぼって加入させることができた。また過去の違法行為や不当解雇の責任を求め、アルバイト・派遣・パート関西労働組合は闘いを継続中である。
●連絡先
アルバイト・派遣・パート関西労働組合
(略称 派遣パートユニオン関西)
TEL06(6881)0110
FAX06(6881)0782

京品ホテルへの強制代執行糾弾!

闘いは続く! 連帯して、たたかおう
 東京地方裁判所は1月25日早朝、ついに京品ホテルへの強制代執行を強行した。執行官は警察とガードマンによって従業員を強制排除。従業員の生活と人権を暴力によって踏みにじったのだ。
 京品ホテルは昨年も全く順調に営業を続け年間1億近くもの収益を上げていたにもかかわらず、経営側が他で勝手に作った負債のために「ハゲタカファンド」リーマンブラザーズの子会社へ売却されてしまった。しかし従業員たちはこれを許さず、これまで自主営業を続けてきたため、経営側が提訴、今回の事態となった。
 誇りを持って働き会社に貢献してきた従業員のどこに落ち度があるのか!なぜ解雇されねばならないのか! こんな理不尽な仕打ちは断じて許されない。闘いは終わっていない。ホテル従業員への支援を!
支援先 労働組合 東京ユニオンhttp://t-union.or.jp/

沸き起こる怒りの声

イスラエルのガザ地区襲撃に全世界が抗議
 イスラエルのこの残虐な仕打ちに対して全世界から非難の声があがっており、日本でもほとんど連日イスラエル大使館に抗議者が押し寄せている。(1面と2面海外短信に既報の通り)
 1月10日午後1時より、九条改憲阻止連絡会議の呼びかけによってイスラエル大使館に対する抗議闘争が行われ、約百名が参加した。参加者は口々にイスラエルの残虐さを訴え、かつてナチスによって迫害されたユダヤ人が、今度は自らナチスとなっている、と訴える声もあった。参加者はプラカードや旗を持って結集し、英語、ヘブライ語、アラビア語のプラカードも掲げられた。
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 抗議闘争参加者の多くは、同日午後3時30分より港区芝公園23号地で開催された抗議集会に合流していった。こちらの集会はJVC、YMCA、キリスト教団体も含む多くの呼びかけによって1500名が参加した。芝公園から出発したピースパレードは東京タワー横、麻布十番、六本木交差点を通りながらイスラエルの非道を訴えた。
 抗議行動のあと、同日夕方6時からは聖アンデレ教会において集会が行われた。参加者があまりに多く教会に入れなくなり、緊急に別屋を開放することとなった。集会では現地のパレスチナ人スタッフと電話連絡がとれ、現地の生の声を聴くことができた。電気も水道も止まる中で、爆撃によるガラスの破片にケガをする恐れがあるので、冬の寒い季節であるのに窓を開けたままで壁ぎわに寄り添って寝ているとのことだった。
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 放送大学教授の高橋和夫さんからは日本の抗議行動が中国でも注目されていること、この戦争が2月10日のイスラエルの選挙のために起こされたものである事が語られ「私たちの行動が未来を指し示す」と語った。 またジャーナリストの広河隆一さんからは、イスラエルの被害者数のでたらめさの暴露と、イスラエルが計画的にパレスチナ難民を生み出した経緯が語られた。(発言の要約をコモンズウエブサイトに収録)
 翌日11日には四谷区民センターにおいてスピークアウト&デモがあり、デモ参加者の数はおよそ400人に上った。(小倉利丸さんの発言要約をコモンズウエブサイトに収録)イスラエルは一方的に停戦を発表したが27日攻撃を再開し、今後の予断を許さない。ガザへの経済封鎖は解かれていない。あらゆる物資が不足している。封鎖解除まで抗議を続けよう!(東京・M)
ニュースページに関連記事
http://www.com21.jp/news/09/0110gaza/news090110gaza_2.html

オバマ政権とローズヴェルト「ニューディール政策」

来栖 宗孝(元東海大学文明研究所教授)

オバマ大統領の政治的立ち位置

 本年2009年1月20日、アメリカ第44代大統領にバラク・フセイン・オバマが就任した。初の黒人(アフリカ系)大統領がアメリカ史上登場するという画期的な出来事である。思えば合州国独立宣言(1776年)から322年、リンカーン大統領の奴隷解放宣言(1864年)から144年(5世代目)、黒人の人権保障のために闘い、暗殺された黒人牧師マーティン・ルーサー・キング(1968年)から40年(2世代目)にして、有色人種が世界第一の経済・軍事大国アメリカの統治者となったのである。転(うた)た感慨に耐えぬとしかいいようがない。
 なぜなら、翻(ひるがえ)って日本では国会では二世・三世の「世襲議員」が2〜3割を占めるという異常さでこのような国はどこにもなく、「改革」を呼号した小泉純一郎元首相は、次男を後継者に指名して旧型保守政治家たることを自ら暴露してしまったからである。
 オバマの登場は、「アメリカの夢」の実現ではあろうが、現実には前任者ジョージ・ブッシュ二世の8年間にわたる大失政によるアメリカ国民の反動反発に依るものであり、ブッシュの単独行動主義、軍事行動優先主義に加え、まさにいかさま商法というべき金融資本のサブ・プライム・ローン等の破綻に端を発する金融危機及び経済恐慌とその世界的拡大によるブッシュ反対の世界的機運に依るものである。
 しかしながら、オバマは「丸木小屋からワシントンへ」に象徴されるリンカーンではなく、また、日本では人気のある「叩き上げ」の成り上がり者である豊臣秀吉や戦後の田中角栄ではない。一流大学ハーヴァード大学法学部出身のエリート・コースを歩んだ者でその支持基盤は労働者や農民ではない。上院議員となった知識層に属し、政治学的には「中道右派」に連なる者である。
 現在のアメリカ及び世界の経済恐慌と政治不安定の困難な条件で発足したオバマ政権に安易な期待を抱くことはできない。しかし、初めての黒人大統領の登場を祝福し、その活動を見守るべきであろう。

ローズヴェルトの「ニューディール政策」とその結果

 現在の難局は、1929年にはじまった世界大恐慌とそれに対処した1933年就任のフランクリン・ローズヴェルト大統領の「ニューディール政策」を想起させる。
 ローズヴェルトは、要約すると4つの事業を実施・実現したところに歴史的功績がある。
 一つは、政治的に「官民」、「労資」、「黒白」の大連合の形成に成功したことである。この広範な支持基盤が永続したわけではないが、彼は任期中世界大戦に際会したこともあり、アメリカ史上例外的な4選を果たしている。
 二つは、経済政策として本来の「ニューディール」で、主として公共投資による公共事業(現在用語でいえば、インフラストラクチュアの整備)によって、失業者減少、需要増加を可能にしたことである。ジョン・M・ケインズが画期的名著『雇用・利子及び貨幣の一般理論』を上梓したのが1936年であるから、ローズヴェルトは3年前に「ケインズ政策」を先取り実施したのである。特に著名なのは「TVA計画」(テネッシィ・ヴァリィ・オーソリティ=テネッシィ渓谷開発公社)である。多目的ダムの建設により、農業潅漑用水の整備に農業生産を拡大させ、電力供給により、農家にも電燈を行きわたらせた。何と、アメリカでも20世紀30年代までテネッシィ州の農家には電燈が一部行きわたらなかったのである。
 三つは、アメリカではじめて、公的に正規に労働法(ワグナー法)を制定して、労働組合を公認し、団体交渉権、罷業(ストライキ)権を確立させたことである。アメリカ合州国は「自由と民主主義」の国とされているが、言葉の厳密な意味において独占資本の純粋な独裁国家なのである。この国で、ローズヴェルトが労働法を整備したことが、「大連合」を可能にしたのである。
 四つは、ソヴィエト同盟をやっと承認したことである。1917年ロシア革命後16年経ってからの承認である。これは、33年、ドイツでヒトラー・ナツィス政権が成立し、ファッシズムの脅威が(1931年満州事件後の日本帝国主義とともに)促進したこともあろう。
 アメリカ合州国は、独占資本の独裁国家として反ソ反共のイデオロギー教育が徹底しており、国民の政治意識・国際感覚を鈍麻させてしまっている。1949年、中国大陸に中華人民共和国が成立した事実を無視した国際政治の誤りは、やっと1972年に訂正された事実にその例証をみるのである。
 ローズヴェルトの「ニューディール」はすべてがうまくいったわけではない。開始後1937年に再び(小)恐慌に襲われた。アメリカ経済が33年当時失業率20パーセント、1000万人近い失業を克服できたのは1941年の太平洋・アジア戦争後の1943年の戦争経済の時であった。資本主義経済とは常に不安定な経済であり、戦争を要求するものである。

歴史的経験に学べ

 しかしながら、これを日本と対比してみると、日本の場合恐慌の最悪時は1932年で、大恐慌の嵐の中で本家本元のイギリスが金本位制を停止したのに、逆に30年金解禁を行って大失敗した。農村は疲弊し、娘の身売りが公然と行われ、失業は増大した。労農争議が発生するや、政府は大弾圧をくり返し1933年には日本共産党は決定的打撃を受け全国的組織を失った。(アメリカの逆)こうして、31年の満州事件、36年2月26日事件、37年7月の支那事変と戦争拡大に進み1941年以降対米英の太平洋・アジア戦争に突入し敗北に至ったのである。
 オバマ・アメリカ新政権の発足に対し、日本はどのように対応するのか。
 これまでにもアメリカは、レーガン大統領時代以降二つの赤字を解消せずにすごしてきた。財政赤字と貿易赤字である。これに家計赤字を加えれば三重の赤字である。アメリカは、基軸通貨国に甘えてドル紙幣を輪転機にかけつづけて全世界にたれ流してきた。赤字の穴埋めは国債に頼るほかない。そのため、貿易黒字国日本、21世紀に入ってからは経済成長の著しい中国、天然資源に恵まれたロシア、アラブ産油国がアメリカ国債を購入してアメリカを支えてきた。特に日本と中国の米国債保有・ドル保有は膨大な量に上っている。
 オバマは、空前の公共投資によりアメリカ経済の底上げを、さし当たっては自動車のビッグスリー(ゼネラル・モータース、フォード及びクライスラー)の救済を行うであろう。しかし、1933年時と異なり現在のアメリカ政府には資金がない。国債購入をさらに強く日本に迫ってくるであろう。日本は属国として、合州国の51番目の州としてアメリカに隷従するであろう。
 問題は、日本自身がニューディールを行うことである。これは、日本人民の勤労者層の下からの強い行動抜きには達成できない。日本の勤労者が、改めて労働法を克ちとり実施させるために起ち上がることである。(2009・1・21)
注―見出しなどは編集部
国内短信


ソマリア沖派兵、自公で3月上旬に新法案上程
 自民・公明両党の「海賊対策等に関するプロジェクト・チーム」(PT)は22日、「海賊対策」を口実としたアフリカ東端のソマリアへの海上自衛隊の派兵を決定した。23日、これを受けて、麻生首相は防衛相を呼び、新法「海賊対処法案」(仮)を制定する方針を確認した。3月にも新法を国会に提出する方針。この派兵のために自衛隊法の「海上警備行動」を拡大解釈し、本来日本近海の防衛を目的とするこの条項をアフリカ地域にも適用。武器使用による民間船の撃沈も「正当防衛」とするなどの措置が検討されている。民主党鳩山由起夫幹事長はこれに対して「理解」を示している。


電機産業で3万人解雇
 電機産業で3万人以上の解雇が計画されている。
日立●●●●●3200人
ソニー●●●●3000人
富士電機●●●2000人
ルネサス●●●1300人
NEC●●●●1200人
三洋電機●●●1200人
日本IBM●●1000人
ローム●●●●1000人
パナソニック1000人
東芝 ●●●●● 922人
富士通 ●●●● 700人 など


米空母が原子炉整備
 米軍横須賀基地では空母G・ワシントンの原子炉のメンテナンス作業が5日から始まっているとアメリカ・ワシントン州の地方紙「キトサップ・サン」が1月16日付で報じた。「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」が危険なこの作業を直ちに中止するよう日本政府に求めている。


倒産15000件超す
 昨年の負債額一千万円以上の全国企業倒産は15646件だった。特に上場企業の倒産は33件で、戦後最多。負債総額は12兆円以上となった。


7万人が保険料滞納
 全国保険医団体連合会(保団連)の調査によると、後期高齢者医療制度の保険料滞納者が全国587の自治体で合計17万人に上ることが19日明らかになった。滞納者は低所得者に多く、保団連はこの制度の廃止を求めている。

内閣支持率19%
 12日の共同通信の世論調査によると麻生内閣支持率は19・2%、不支持率は61%となった。政府は定額給付金により経済効果を生み出せば支持率も上がると見ているが、効果は期待できず、政府はダッチロール状態。

海外短信


ラテンアメリカに自立の風
 昨年12月16〜17日、米・カナダを除く南北アメリカ大陸33カ国首脳がブラジルのコスタドサウペで中南米カリブ海諸国会議を開催し、来年2月に「中南米カリブ海諸国機構」を設立することを決議した。各国首脳は「この地域に外国のあやつり人形のような国はなくなった」(エクアドル・コレア大統領)、「もはや米国は中南米カリブ海地域に命令する存在でない」(ベネズエラ・チャベス大統領)などと語り、主催国ブラジルのルラ大統領も「米国がラテンアメリカを植民地のように扱う時代は終わった」と、この会議の意義を語った。この会議と連携して南部共同市場(メルコスル)、南米諸国連合(UNASUR)、リオグループの首脳会議が同時開催され、南米諸国連合首脳会議では「南米防衛理事会」や「南米医療理事会」創設なども決定された。米国主導のOAS(米州機構)から排除されていたキューバのラウル・カストロ大統領もこれら全ての会議に出席し、政治・経済・軍事・医療など各方面で米国から自立した独自の中南米共同体が出現する見通しとなった。


イスラエル軍ガザ侵攻
 昨年12月27日より開始されたイスラエル軍による一方的な空爆と地上戦闘によりガザ市民に死者1300を超える大きな被害が出た。これに対して全世界で抗議行動が巻き起こっている。フランス、イギリス、オランダ、ベルギー、アメリカ、カナダなどの各都市で5万、10万人が抗議し、イスラエル国内でも1万人の抗議デモが行われた。
 日本でも12月30、31日、1月4、6、10、11、12、13、16、17、18、19日とほぼ連日イスラエル大使館への抗議行動が行われ、全国でも抗議行動が繰り返された。18日にイスラエル軍は侵攻を中止したが、ガザの封鎖は続いており、食料、医薬品などが市民に届かず、電気や水も止まったままである。抗議行動はまだ続いている。


イスラエルと断交
 ベネズエラ政府はガザに向け医薬品など人道物資12・5トン、食料80トンなどを送る措置をとった。またベネズエラはボリビアとともに14日、イスラエルに国交断絶を通告した。

英紙ガザ攻撃を「無意味な戦争」と批判
 英国オブザーバー紙は18日社説で、今回の戦争をイスラエルの道義的敗北でありジュネーブ条約違反の戦争犯罪と批判。ガーディアン紙は17日、侵略に抗議し投獄された兵役拒否者のインタビュー記事を顔写真付きで掲載した。


ドイツ社民党後退
 18日、ドイツ中西部ヘッセン州議会選挙にて社民党(SPD)が支持率を前回より13%落とし23・7%となった。議席も大きく後退し29議席となった。他には緑の党17議席。左翼党は前回と同じ6議席。

韓国ワークシェアに反発
 イ・ミョンバク大統領は15日の経済対策会議で解雇の回避を口実に全労働者賃金の引き下げ(ワークシェアリング)を提唱。民主労総は「労働者の所得増大が内需拡大を生む」と反対している。
※ワークシェアリング
 ワークシェアリングとは必ずしも労働者の賃金を下げることだけではない。フランスで週35時間労働法が制定され、これによって失業者を百万人以上減らしたと言われる。またオランダでは労働時間短縮、減税や社会保障費負担削減などを盛り込んだ政労使三者の合意により失業者が減少した。労働時間短縮に伴う賃金減少は政府の減税措置により緩和された。ドイツ上場大手30社役員とシュルツ労働社会大臣は9日に会合を開き、解雇を行わず、雇用確保のためあらゆる手段を行使することで同意した。
 現在日本で検討されているワークシェアは、一方的に労働者の賃金の削減だけを焦点とし、不況の責任を労働者にだけ押しつける悪質なものである。

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