住民登録を剥奪する国と大阪市
貧困のため家賃も払えない人は住民登録ができないため、就職も、部屋を借りることも、免許取得も、保険にも加入できない。預金通帳も作れない。選挙権さえない。この問題の解決策として今まで大阪市は住居地の無い人に釜ヶ崎の解放会館を「住居地」とすることを認めてきた。釜ヶ崎の実態を理解し柔軟に対応してきたのである。ところが2007年3月、大阪市は釜ヶ崎解放会館の2088人の住民登録を「住居実体がない」ことを理由に強制削除してしまった。日雇い労働者はこれによって日雇い被保険者手帳(白手帳)による受給が不可能となってしまった。これは「仕事がない者は餓死しろ」というに等しい行為である。
また、釜ヶ崎のあいりん職安はこれまで仕事の紹介をまったくせず、西成労働福祉センターに任せてきた。ところがセンターに登録されているのは手配師や人夫出しなどの違法な業者ばかりであり、労働者はピンハネされ続け、怖くて抗議もできない。こんな状況を放置しているのは全国であいりん職安だけである。
| 稲垣浩委員長(釜ヶ崎地域合同労組) |
仲村実(管理職ユニオン・関西) |
総務省、厚労省と直接話し合い
日雇い労働者や野宿者の問題に取り組んできた大阪釜ヶ崎の労働者が中心となり、西成地区の違法で悪質な問題について、厚生労働省、総務省に要望書を送り、2月18日、回答をもとめて衆議院第二議員会館にて総務省、厚生労働省の担当係官にそれぞれ面会し、要望内容につき話し合った。
この話し合いには、大阪から釜ヶ崎地域合同労組の稲垣浩委員長、管理職ユニオン・関西の仲村実、全日建連帯労組近畿地本の西山直洋さん、東京からは三多摩自由労働者組合の加藤委員長ほかの仲間、社民党の辻元清美議員、山内徳信議員秘書の服部良一さんも参加した。 
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三多摩自由労働者組合・加藤委員長、稲垣委員長、辻元議員 |
■総務省との話し合い
最初に辻元議員から説明があり、稲垣さんはじめ出席者から次々と質問が出されたが、総務省側は要求書の一切を拒否し、「煩雑化と二重給付を避けるため住民登録は受け付けられない」「住民基本台帳への登録がなければ給付も受けられない」と繰り返すばかりだった。定額給付金の主旨は、経済不況で困っている人への給付が目的であるのに、住民登録さえできないほどに困っている人がそこから排除されている事実をまったく考えていないのである。この点について、必要なら視察し、再度話し合うという事になった。
■厚労省との話し合い
次に厚生労働省職業安定局の3人の担当者との話し合いが行われた。実情の説明に対して担当者から一度自分で現場に行って見る必要がある、との回答を得た。また住民登録剥奪は深刻であり、住民登録がなくても日雇い労働者被保険者証取得ができるようにとの要求も出したが、住民票がなくても白手帳の更新手続きが可能との回答を得た。また貧困者が増えているのに白手帳を減らしていくような政策はとらないとの回答であったが、現実に手帳を取り上げられている事実について、今後調査し解決のために情報交換をしあうことを確認した。
現実的対策が必要である
今日の不況は、社会の最底辺で生活する労働者、貧困者をますます苦しめており、新たに住民登録のない野宿者が増えることは確実とみられる。
例えばイタリアのローマ市では、住居をもたない人に架空の住居地「モデスタ・バレンティ通り」が用意されている。釜ヶ崎解放会館が担っていたのと同じ事を、ローマ市当局が実施しているのである。このような柔軟で現実的な対策が、ますます必要となっている。
ヤンマーは250名の期間従業員の整理解雇を白紙撤回せよ!
解雇、寮の追い出し
ヤンマー(株)は、偽装請負・違法派遣解決のため、滋賀県長浜市びわ工場の派遣労働者を、昨年9月16日から新たに設けた「直接雇用従業員」とした。しかしその内容は最初が5ヶ月、その後6ヶ月の有期雇用で、最長2年11ヶ月。びわ工場では、派遣労働者・期間従業員への差別的対応、人権侵害をともなった指示・命令、賃金も月給、日給、時給制の賃金格差がまかり通っていた。派遣労働者・期間従業員は生産の調整弁であり、物扱いだった。昨年12月初旬から、生産縮小を口実とした業務委託会社(株)渡辺工業(ヤンマーびわ工場内で業務)の日系ブラジル人らの外国人派遣労働者の解雇通告、それに続く1月13日、期間従業員への「2月15日付期間満了」の解雇通告があった。
そんな経営者はやめろ
ヤンマーは、派遣社員1人につき60万円を派遣会社に支払っている。しかし今回の解雇では、経営者山岡一族は何の責任も取らず期間従業員や派遣社員の雇用確保の努力も行っていない。1月30日の団体交渉では、社長や団交出席の部長らの給与カットについても何も答えず、一方で正社員には高額ボーナスを支払ったと言い放つ。組合員の解雇撤回要求にも「撤回しない」と、即座に答える。全くふざけたものだ。「そんな経営者は、やめろ!」と、団体交渉の席上で、労働者が口々に怒りをぶっつけた。
組合つぶしが目的
期間従業員500名中、解雇者は253名。その内びわ工場は、期間従業員250名中、雇い止め解雇者180名。解雇者は非正規の労働組合が唯一存在するびわ工場に集中している。明らかなに、ヤンマーは解雇とセットで組合つぶしを狙ったのである。解雇に当たっては、解雇を認めるもの(実際は認めざるを得ない)には仕事を探す便宜を図るとして特別休暇(日給の8割補償)を与え、異議をはさむ者には認めないという差別・分断攻撃である。直接雇用時の「最長2年11ヶ月」の契約書も、最初の5ヶ月で首切り。期間工はヤンマーの工場で一生懸命働いてきた。休日出勤・残業にも協力してきた。派遣社員時代は、労基法違反(有給休暇も取れない)にも耐えてきた。いま、怒りの中に発せられているのは、「私たちは、物ではない!」という叫びだ。
ブラジル人労働者と連帯して闘おう
昨年12月以降、ヤンマーびわ工場で働いていた日系ブラジル人ら外国人派遣労働者の大量解雇が強行されている。いずれも雇用保険にも加入せず、労働基準法も知らせず、有給休暇等の権利も奪ってきた。現在、派遣会社12社から50名近くが、派遣パートユニオンに加入し、順次、雇用保険の遡及加入等の団体交渉を行っている。外国人派遣労働者は来日時に紹介料名目で10万〜15万とられている。また、病気に備えてと称して実際には役立たないのに年間4万8千円もとられている。製造業派遣から排除されれば帰国に追いやられる。しかし、帰りたくともその費用すらない労働者もいる。期間従業員は自らの解雇撤回闘争と共に、こうした外国人労働者の相談、団体交渉にも取り組んでいる。ヤンマーの雇い止め解雇に対し、直接雇用前の派遣社員時代から期間の定めがない雇用であった事を訴える裁判を準備している。
わたしたちは、ヤンマーのやり方を許さず、雇用責任を求めて闘っている。全国で声を挙げ、起ちあがって闘う派遣・非正規労働者のみなさん、連帯して闘おう!(派遣パートユニオン・関西 仲村実)
ヤンマー期間工労働者の「雇い止め解雇」
撤回闘争にカンパをお願いします
●郵便振替
00950―7―277578
口座名「はけん・ぱーと関西」
(ヤンマー闘争支援とお書き下さい)
「完全個人償却制」の下でのたたかい!
「個人償却制」とは?
それは1本の電話相談から始まりました。「ガソリンが上がったら給料が下がった。こんな話があるか、どう思う?」というのです。さらに社会保険料の本人負担分ばかりか、会社負担分まで給料から引かれることになったとのことでした。その後、社内組合から約半数の労働者が愛知連帯ユニオンへ移行してきました。
「個人償却制」とは、労働者の運賃収入から会社の取り分・車の償却費・保険料・燃料代・高速代などの経費を引いて賃金を計算する方式です。「運輸コンサルタント」と称する連中が考え出した、会社は決して経営上のリスクを負わない賃金方式です。運送法上は、被雇用労働者なのですが、経済的には個人事業者のような存在になっています。
社会保険料と時間外賃金の矛盾
しかし、この「完全個人償却制」にはふたつの矛盾がありました。ひとつは社会保険料です。個人事業者なら国民保険の本人負担分しか発生しませんが、被雇用労働者なら当然、社会保険は会社と本人の両方に発生します。会社とコンサルタントは、この社会保険料の会社負担分を労働者に負わせたのです。もうひとつは時間外賃金です。個人事業者なら労働時間に関係なく、収入から経費を除いた分が所得ですが、労働者なら法定労働時間を越える分は割増賃金を支払わなければなりません。会社はこれを払っていなかったのです。
役にたたない監督署社会保険事務所
争議は分会の団結を維持しつつ団体交渉を重ね、社内組合との共闘を実現、同時に行政機関にも申告しましたが、労働基準監督署と社会保険事務所は「賃金計算過程での控除だから行政では対応できない。裁判をやれば勝てると思うよ」という無責任なものでした。ユニオンは、愛知労働局や愛知社会保険事務局、厚生労働省への交渉を繰り返しました。年金が社会問題化し、厚労省年金局が放置できなくなり、ついに社会保険事務所が是正指導。争議の流れが変わりました。時間外賃金の不払いも監督署に認めさせましたが、愛知労働局は、「基本給の時間外賃金分だけ業績給が減額される(実質、支払われない!)」というコンサルタントの考えた計算方法について、「就業規則だから仕方がない」という判断を変えませんでした。(後に本省労働基準局法規係には、「労基法37条の趣旨に反する計算方法は認めない」という指導方針があることを確認)。
たたかいは続く
長い交渉の結果、争議はほぼ満足のいく成果を勝ち取って終わりました。しかし今、『トヨタショック』から大きな業務量の減少にみまわれています。業績給の比率の高い運輸労働者にとっては新たな試練です。まだまだ厳しい闘いが続きます。佐藤隆(愛知連帯ユニオン)
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