第9号(2009/3/1)●別紙
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Hasta la Victoria Siempre!
アスタ・ラ・ビクトリア・シエンプレ!
(永遠なる勝利の日まで!)

ゲバラ生誕80周年、キューバ革命50周年記念集会
■12月7日 東京水道橋 水道会館
■主催:キューバ連帯の会 後援:キューバ大使館


伊藤千尋
いとう・ちひろ

朝日新聞社中南米特派員、バルセロナ支局長、ロサンゼルス支局長を歴任し、中南米の事情に詳しい。講演内容はとても面白く、会場もおおいに盛り上がったが、あまりにも長いので割愛せざるを得なかった。


連載最終回

夢はきっとかなう
●キューバは今も
    臨戦態勢にある

 なぜキューバ革命が今日に至るまで生きているのか。いろんな理由があるが、ひとつにはキューバの明るさです。カストロはあちこち自分の目で見てまわる。私が最初にカストロに会ったのは、新しい村を作るというので郊外へ取材に行った時だった。労働者たちがツルハシを振るって工事をしていた。そこにカストロがジープ6台でやってきたところだった。工事をしていた連中がツルハシを放り投げてわーっと走っていき、カストロがジープから降りると「よう来たよう来た」と背中をバンバン叩く。カストロの緑色の軍服に手形がついてしまう。彼らは「フィデル、フィデル」と名前で呼ぶわけです。カストロの方も労働者たちと肩を組んで歩き出す。そして歩きながら「今ここで足りないものは何か」とか「みんなちゃんと食ってるか」とか聞いてまわる。「フィデル兄貴」っていう感じ。アメリカはキューバを「軍事独裁政権だ」とか言うけど、何を言うか。お前の方がよっぽど軍事独裁政権じゃないか、と思う。そういう開けっぴろげ、解放感というものがある。アメリカは未だにキューバに対して経済制裁をやってる。ですから、この革命を維持するためにはたたかわなきゃいけない。臨戦態勢にある。それが今もキューバを持たせている。

●本当に抱いた夢は
    きっとかなう

 南米も変わったがアメリカも変わった。黒人が大統領になるなんて考えられもしなかった。しかしオバマのような人が出る事を夢に描いた黒人がひとりいた。いまから40年前に暗殺されたマーチンルーサー・キング牧師です。彼は何も過激なことを言ったわけじゃない。黒人だって白人と同じように生きていく権利があると言った、それだけで暗殺されてしまった。その彼が暗殺の5年前に有名な演説をおこなった。「I Have a Dream」私には夢がある。黒人のこどもと白人のこどもが一緒にかたれるようになる日が来ることを。「I Have a Dream」私には夢があるといった。人間は本当に自分の夢を抱けて、そしてそれを実現することができる。もちろんそれはその時の社会の条件によってできるかどうかという違いはあるが、しかし、それに邁進するという人々がおおければ必ずその夢はかなう。その事を中南米が今見せている。中南米。今ここには本当に人間の夢があるし、行動があるし、それで生きていくことができる。そこに生きたゲバラの夢について少しばかり語ってみました。ありがとうございました。


《フィデルの考察》

米国新大統領の考えていること

さほど難しいことではない。バラク・オバマは、就任式の後に、こう述べた。グアンタナモ海軍基地が占領している領域の正当な所有者への返還は、慎重に検討されなければならない。なによりも合衆国の防衛力に及ぶ影響が最小限のものになるように、と。
かれは、すぐにこう付け加えた。占領地のキューバへの返還に関して、どのような譲歩の下でキューバ側がその解決案に同意するかを検討しなければならなくなるだろう、と。それは、キューバの政治体制の変革を要求しているも同然である。そのようなことに抗して、キューバは、半世紀の間、闘ってきたのである。キューバ人民の意志に反してわが国に軍事基地を存続させるのは、国際法の最も初歩的な原則に反している。合衆国大統領には、無条件でその規範を遵守する権限がある。それを尊重しないということは、一小国に対する傲慢な態度であり、その巨大な権力の乱用である。あの帝国の権力の無礼な性格をもっともよく理解したいなら、バラク・オバマの就任後の1月22日に合衆国政府がインターネットの公式ウェブサイトで発表した声明を検討してみればよい。バイデンとオバマは、合衆国とイスラエルの関係を断固として支持すると決意しており、かれらの中東における明白な専念事項はこの地域における合衆国の主要な同盟国イスラエルの安全保障でなければならないと考えている。
合衆国がイスラエルから距離を置くことは決してない。合衆国の大統領と副大統領は、「イスラエルには自国市民を保護する権利があるとかたく信じて」いる。この点で、かれらは、オバマの前任者ジョージ・W・ブッシュが採った政策を引き継いでいる。
そのようにして、われわれの友人オバマは、パレスチナ人民の虐殺に加担している。(中略)イスラエルは、あの帝国の繁栄した軍事産業からの輸出の少なからぬ部分を毎年汲み上げている。それにより、かれらは、極端な暴力を用いて、イスラム教を信仰するすべての国の住民を脅しているのである。
類似の例はたくさんある。占い師になる必要はない。もっと知りたければ、新しい国防長官の声明を読んでみればよい。かれは、軍事問題の専門家だ。
フィデル・カストロ・ルス
2009年1月29日午後6時17分

社会主義へ向かう中南米
●孤立しているのは米帝だ

 ブラジル・アマゾン河口の町ベレンで1月27日から2月1日、全世界から11万人が参加し第9回世界社会フォーラム(WSF)が開催された。これは、世界の主要企業の資本家たちが毎年スイスのダボスに集まり、世界の収奪のために話し合う世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に対抗する民衆の闘いとして始まったものである。
 第一回会議は2001年、同じブラジルのポルトアレグレで開催された。この地での開催が可能となった理由の一つは、ポルトアレグレを州都とするリオ・グランデ・ド・スル州議会の多数派を労働者党が掌握していたからであった。
 資本主義経済の衰退の兆候が明らかとなった20世紀末、バクチ・投機経済と民衆からの収奪の強化による経済の建て直し策は、貧富の格差拡大と貧困者の増大という最悪の結果を引き起こした。とりわけラテンアメリカ民衆の生活はますます困難なものとなり、怒りを爆発させた民衆によるストライキ、デモは全ラテンアメリカ諸国をおおいつくし、次々と左派政権を誕生させていった。98年ベネズエラ、02年ブラジル、03年アルゼンチン、05年ウルグアイ、そして06年にはチリ、ボリビア、ペルー、エクアドル、ホンジュラスで「民衆の大統領」が誕生した。
 こうして誕生した左派政府は政治・経済・軍事・医療など各分野での交流と結束を深めつつある。前回既報のように、昨年12月には米・カナダを除く33カ国首脳がブラジルのコスタドサウペで国際会議を開催し、来年2月の「中南米カリブ海諸国機構」設立を決議した。また経済分野では「南米銀行」の設立を背景に、ドル決済から脱した独自のラテンアメリカ経済圏形成へ向けた歩みが始まっている。そしてこの経済圏は、破綻した市場原理主義経済にかわる「新しい社会主義経済」をめざすものとなる。ラテンアメリカ諸国は米国支配下の米州機構を脱し、互恵と平等を基調とする中南米大陸全域の新たな同盟を誕生させたのである。 いまや孤立しているのはキューバではなく米国の方である。

●左翼運動の国際ネットワークの起ち挙げ

 この動きは、ラテンアメリカだけに止まるものではない。WSFが始まったきっかけは、99年シアトルWTO首脳会議に抗議する市民運動であった。世界中から結集した10万の市民の抗議の中、開発途上国への不公正な議事内容をめぐり、会議は流会してしまった。全世界の人々の生活が、一握りの先進国首脳と資本家たちによって決定されていく不公正に対抗するアクションの結集軸として、WSFが生まれたのである。このフォーラムは近年、そこに結集した世界の左翼組織の交流会を平行して開いている。こうして運動はラテンアメリカと世界の民衆をつなぐものとなっている。
 今年の第9回WSFには、ブラジル・アマゾン流域から少数民族3000人が参加し討議に加わった。また、これとは別にブラジルPSOL(社会主義と自由党)と、フランスで結成されたばかりの反資本主義新党(NPA)の呼びかけで、フォーラムと平行する期間、世界20カ国から20の左翼組織が結集して国際反資本主義左翼会議が開かれた。アジアからも、パキスタンLPP、フィリピンRWP―ミンダナオ、韓国「労働者の力」派などが参加した。会議はパレスチナの闘いとラテンアメリカ反帝国主義の闘いへの連帯の継続を確認した。
 出席できなかった組織からも多くの連帯メッセージがあり、また出席した組織は、参加を希望するすべての反資本主義、反帝国主義組織に開かれたネットワークを立ち上げることを合意した。

投機・信用資本主義の原理を考える(中)

榎原 均(えばら・ひとし)

社会運動家。
新著『モモと考える時間とお金の秘密』
2600円+税

 これは、昨年11月の東京におけるアソシエ21労働講座で、「世界金融恐慌と労働者の闘い」をテーマに、講師の榎原均さんが話されたものの一部です。ここでは、新たな理論的問題提起をすると共に、共同して研究するためのプランも提起され、今後の共同研究への参画を呼びかけています。世界信用・金融恐慌の勃発が、今後の革命運動にとって、マルクスの資本主義批判の復権と新たな理論的深化を不可避としています。その問題に応える、一つの問題提起として、この報告を取り上げました。コモンズ編集部

2.信用資本が売買する金融資産は架空資本


 前号(上)でも説明しましたけども、「今日の社会では、定期的収入をもたらす収入源はその収入を利子と見立てて資本還元し、資本の額を計算することで、その収入源は資本とみなされる(擬制(ぎせい)資本)。たとえば国債は国の借金であって、国債を売ったお金が資本として投下されているわけではない。だから利子生み資本(貸付けたお金が現実資本に投下される形態)としての機能は持ってはいない。にもかかわらず資本として扱われるが、このような資本を架空資本と名づける。架空という意味は、現実資本に投資されないということを指し、利子生み資本の概念からすれば架空のものという意味である。」、こういう意味に解釈しました。これが新しい提起です。
 「株式も最初の購入者の資金は現実資本へと投資されるが、しかしその株券が次々と売買されて持ち手を換えるときにはそれは架空資本となっている。今日売買されている金融資産はほとんどが架空資本である。」

●金融資本主義の段階から投機・信用資本主義の段階へ

 僕は20年前から考えてきてよく分からなかったこと、要は段階規定をしたい(これは宇野派の影響かもしれないですけども)。レーニンが自由主義から独占が起こって、帝国主義段階にいたるというように段階規定をしたことになぞらえたい、ということです。独占資本の実体が金融資本で、金融資本が帝国主義の経済的基礎である、というのは良くわかるのですけども、それでいくとはたして金融資本というのは今あるのか?ということです。
 いまの銀行は金融はしない。貸し剥(は)がしはしますけど、金融機関の金融機能が麻痺(まひ)している。銀行でも証券会社でも投機で稼いでいるわけです。ということは、投機が資本蓄積の様式として定着しているのがこの数年間……いま恐慌で潰(つぶ)れていますけど……この数年間こうだったということです。
 「信用資本は架空資本を投機的に取引することで蓄積して行く。それはバブルを形成し、バブルがはじければ金融資産の時価総額は暴落するが、しかしこれは現実資本にとっては直接のかかわりがない。実体経済の動向とは無関係に、バブルとその収縮(しゅうしゅく)、これを繰り返すことは投機・信用資本主義の宿命である。」
 歴史的に何度もこういうことはありました。ブラックマンデーとか、過去のニューヨークの株式の下落ということがありました。それはすぐに回復している。今度もそういうことではないかという甘い期待もあったのですが、そうはいかなくて今度はなかなか深刻な事態になっている。
 「信用資本の蓄積様式は資本市場における投機であり、新しい資本主義の段階は、投機・信用資本主義と呼ぶほかはない。つまり、資本市場における架空資本の売買の一般化は、支配的な資本が利子生み資本としてあった金融資本主義から、信用資本を支配的な資本とする、投機・信用資本主義への移行をもたらしたのである。」
 金融資本は、独占と銀行との癒着、大企業と銀行との癒着ですから、その本質は利子生み資本です。これは、ちゃんと企業に投下されているわけです。ところが、投資銀行の投資は企業に全然投資されていない。いまや潰れてしまっていますけどね。商業銀行が企業に投資しないからアメリカの自動車メーカーのビッグスリーが潰れかけて国家にお金を頂戴、と言わざるを得ないという事態になっているということです。
 この事態をしっかり見ていただいて、それは資本主義そのものが、投機・信用資本主義に到って、新しい段階なのだというのが、二つ目の提案です。

3.投機・信用資本主義の背景、世界単一の資本市場の形成


●どうしてこういうことになってしまったのか?

 その原因ですけども、それはまず一つ目に、貸付可能な貨幣資本が膨大に蓄積したということですね。「労働者の年金や保険も年金基金や保険会社に集められ、巨大な貸付可能な貨幣資本となる」、ということですね。年金基金というものは、膨大なもので、21世紀にはいってこれが投機を始めたのですけども。ITバブルが崩壊した時、これは何とかしなければ、ということで、金融の証券化ということをやって、それでサブプライムができたということになっています。
 そういうことやれるというのはやっぱり余剰資金があるからですね。本来銀行に集中された預金というものは、企業に貸し付けられるということだったんですが、企業自体が余剰資金を持ってしまったということで、銀行が大企業にお金を貸す必要がなくなってしまった。大企業自身も証券市場で資金調達するということになってしまった。そうすると銀行は架空資本の投機のところで利鞘(りざや)を稼ぐところへ行かざるを得ない、ということになっている。労働者の年金や保険それにオイルマネーですね、こういうお金が溜まってしまう。あとはアメリカとの貿易で中国と日本にドルが一杯溜まるということが起こってきた。これが一つです。

●もう一つは「世界単一の資本市場の形成」です

 これはどういうことかというと、従来金融市場はロンドンにしろニューヨークにしろ空いている時間というのは限られていて、地域的にも統一した形で取引するというのは難しく、分断されていた。ちょっと前まではファックスとかテレックスが通信手段だったのですが、80年代からのIT技術によるオンライン化によって、日本の銀行でも都市銀行と地方の銀行の取引がオンラインでできるようになった。昔は窓口では都市銀行のお金が地方銀行では下ろせないということがあったが、それがいまや労金でも信用組合でもどこでも出来るようになってしまった。これが、日銀ネットというオンラインの姿でありますけども、これが世界中の銀行・金融市場を結びつけたわけです。そうすると国際金融市場は世界単一の資本市場としての機能を持つことになったのではないかと思うのです。こういうことが起こった結果として、非常に安い値段で投機取引ができることになった。投機というのは、いままでとてもお金がかかるものだった。だから大金持ちしかできるものでしかなかった。どんどん安くできるものだから、投資信託みたいな商品で高齢者に売りつけるということも可能になってきた。これはもう全部金融でなくて投機ですね。

4.投機・信用資本主義段階


 「この貸付可能な貨幣資本の蓄積は現実資本の蓄積からは相対的に独立しているし、また貸付可能な貨幣資本の運用については架空資本の売買という投機に向かいやすい。貸付可能な貨幣資本の異常な規模での蓄積、オンライン化による世界単一の資本市場の成立、これらを土台にして、金融資本は投機・信用資本へと変質した。金融機関が金融をしなくなり、(ゼロ金利で預金者を苦しめ、GDPの縮小を行っただけでなく、銀行の貸し渋り、産業への血液の提供をせず、投資信託を売りまくる、等々)金融業と証券業の垣根も取り払われ、巨大金融機関や機関投資家、さらにはさまざまなファンドは投機取引で利益を出すようになった。投機が資本の蓄積様式となり、そしてこの投機という信用資本の蓄積様式が支配的となり、社会の隅々から富を吸い上げている。」
 「金融資本と違って、投機・信用資本は産業や消費者からしぼり取れるだけしぼり取る、トータル・キャピタリズムとして特徴付けられる。」こういう観点で、いち早く主張したのがジャン・ヴェイルウッドというフランス人で、ミッテランの時の金融担当者です。ミッテランの敗れた後は民間の金融機関にいた人です。トータル・キャピタリズム、この意味が、金融はしていない、ファイナンスはしていない。では何をしているのかといえば、投機をしている。トータルという言葉の意味は、ファイナンスでしたら、利子生み資本は株式会社から富を吸い上げるだけなんです。ところが投機をするということは、社会全体から富を吸い上げるのです。その意味で彼は「トータル・キャピタリズム」と名づけたのですけども。ところが訳者がそれを「金融資本」と訳してしまって、もうどうしようもない。
 「資本市場は基本的には無法地帯である。詐欺まがいの取引が市場に悪影響を与えると、そのあとから司直が規制に乗り出す。このようないたちごっこが繰り返されてきた。投機・信用資本主義こそが敵であり、これと闘うには投機市場にお金を吸い上げられないようにすればいい。世界恐慌における経済政策の基本はここに置かれなければならない。」

●金融市場があれば、必ず投機が復活する

 
投機が何で儲かるかといったら、投機市場がずーっとふくらんでいってたらゼロ・サムゲームではあるんだけれども誰も損をしないという可能性がありますよね。損するそういう確率が低いものです。それをやりたいのですね。投機市場にどんどんお金を吸い上げたいのですね。だから日本でも「貯蓄から投資へ」ということを言い、預金を取り崩して、投資信託を買いなさいということを言ってる。
 預金というのは元本ともに保証されているのだが、投資信託は自己責任で、こうなりましたから貴方の分はダメになりました、ということでもやっていける。こういうことは、変質した資本主義が成熟していて、この間の恐慌で死に絶えたふりをしていますけれども、また復活すると思うのです。絶対復活するでしょう。というのも、金融市場があれば必ず投機が発生し、余剰な貸し付け可能な貨幣資本がだぶついていますから、必ず復活します。この機会に徹底して、投機・信用資本主義の構造を明らかにした上で、それが再生しないような政策を提案しなければいけないと思っています。トービン税なども有効なやり方とは思っていますけども。(続く)


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