第10号(2009/4/1)●2-3面
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武 建一 関生支部委員長に聞く
独占資本の手の平に乗ったような運動はしないからだ
●関生支部への新たな弾圧
権力は何を恐れているのか

3月2日、不当逮捕された連帯労組関西地区生コン支部(以下関生支部)5名のうち2人は起訴猶予で釈放され、他の組合役員ら3人は威力業務妨害罪で起訴された。(前号1頁参照)この弾圧は、生コン会社・関西宇部に対し08年春闘労使協定の履行を求めた組合活動を、むりやり刑事事件に仕立て上げたものである。関生支部は、大阪府警、大阪地検一体のこの暴挙に対し強く抗議し、仲間の早期奪還と09年春闘勝利へまい進中である。その只中の武建一関生支部委員長にお話を伺った。その要旨を掲載する。

まともな労働運動が怖い

――まず、権力は何を恐れて新たな弾圧をかけてきたのか、そこをお聞かせ下さい。
(武)一口に言えば、われわれみたいなまともな労働運動をしているところが、彼らにとって怖いのでしょう。まともな運動とは、産業構造を中小企業と労働者にとって都合のいい方向に変えていく産別政策闘争です。

大企業の支配と闘う産別政策闘争と協同組合の発展

 現実に、この運動の成果は形となって現れてきています。例えば、協同組合は全国で6万近くある。協同組合は大企業と対等取引をするために独禁法除外認定などを受け、いわゆる経済民主化を図るための団体。ところが、殆どの協同組合に、分社化するなどで大企業が中小企業の顔をして入り込んできて、協同組合を支配している。
 今、われわれがやっているのは、生コン製造・生コン輸送・バラセメント・圧送業界で大企業の支配を排除し、中小企業が主体になった協同組合につくり変えること。つまり、労働組合の団結力と闘争力を背景に、日本の経済、産業を支え、雇用人員の多くを抱える中小企業の協同組合への加入促進と協同組合を大手独占資本から自立させる運動です。これこそ「中小企業による中小企業のための協同組合」になる道です。
 具体的に生コンでは、宇部三菱などのセメントメーカーが分社化して協同組合に入り込んでおり、この社は事実上大企業だから公取委が独禁法違反で排除すべきだ、とわれわれが主張し、生コン専業(セメントメーカー直系ではない生コン会社)数社もこれに呼応している。よって、関西宇部やその他の直系社は早晩、協同組合から排斥される。昨年12月にスタートした阪神地区生コン協同組合は、(大企業の)直系は一社も入らず、専業48社53工場で構成され、年間250万立米の出荷実績がある。これが中小企業主導型に現在の大阪広域協組の体質を変える動きに拍車をかけています。

関生労組の春闘成果と組織拡大

 それから、昨年・一昨年の春闘は、賃上げ6500円で金額は大した事はなかったが、特徴的なことは、労働組合があるなしに関わらず、生コン輸送会社について運賃を引き上げ、日々雇用労働者の1日400円の賃上げや女性へのセクハラ・パワハラ問題の取り組み、女性専用トイレの新設など運動が前進した。その眼に見える成果を宣伝し、組織がどんどん増え、2〜3月で20近くの組合の公然化を予定している。非正規労働者にとっても期待の持てる運動で、こういうまともな事をすれば、労働組合の社会的存在感が高まって、組織が一気に伸びる。それを一番、権力が恐れているのです。

中小企業の共同の砦、
協同会館・アソシエの竣工

――運動の発展の象徴の一つに協同会館・アソシエの6月末の竣工がありますね。この意義は何ですか。
(武)これは中小企業の共同の砦。中小企業にとって共同の蜜になる。そういう拠点ができれば、中小企業の結集に対する自信・確信が広がっていく。今、セメントメーカーやゼネコンは、これを一番恐れているのです。
 この会館をつくるために、銀行融資をお願いしていたが、5億円もの担保価値があるのに銀行は一銭も貸さない。よって自力で、中小企業300社ほどが出資して、約6億円ほどのお金を一気に集め、どんな妨害があっても6月末には完成します。この会館は、研究所と共同試験所をもち、技術力を確保し、これが事業活動の大きな展開と資金力を持つことにつながる。今までは、セメントメーカーやゼネコンが中小企業に技術力・資金力を持たせなかったので、彼らにとっては大変恐ろしいことでしょう。他には学校をつくる。組合総研が中心に今の「マイスター塾基礎コース」のレベルを上げて、新しい資格制度と連動した専門課程をつくる。こうした人材育成の中で、業界全体と労働者の知的レベルアップをする。これは、中小企業が大企業の支配から自立する初めての成功で、中小労働運動、中小企業協同組合運動にとって、一つの全国的な典型になると思います。(注―詳細は次号で)

共産党と建交労グループの
資本へのすり寄り

――支部機関紙「くさり」に「日本共産党とその建交労グループが資本側にすり寄り、結果として大企業の政策を側面的に支援している」とありますが。
(武)20数年前に、われわれが当時の日経連に「資本主義の根幹をゆるがす闘い」といわれ権力弾圧を受けた時の構造と一緒。セメントメーカー、ゼネコンの意を汲んだ今回の弾圧攻撃に、日本共産党と建交労グループがグルになって動いている。
 具体的根拠があるのです。昨年7月に、関西宇部はわれわれの行動を威力業務妨害で告発した。と同じ月に、共産党系の建交労などが連帯労組・生コン産労、全港湾大阪支部と共に組んでいた5労組共闘から、「連帯労組の協定履行を求める運動に異論あり」として離脱した。そして12月9日には建交労・UIゼンセン同盟が経営者を集め、「3労組への批判の集中」と「企業別合理化の推進と大企業一体化路線」を打ち出し、その後協同組合に土曜稼動や袋洗いなどを求め、阪神協同組合に敵対し、「連帯労組は利権暴力集団である」などのいわれのない攻撃を始めた。建交労は、世界大不況のなかで企業の生き残りをかけた低コスト・低賃金競争などの企業間競争に、労働組合が闘う相手を間違えて埋没する「企業主義」で、中小企業を支配している大企業との闘いを放棄するものです。建交労は、これまでは「中小企業には2面性」(大企業から収奪される面と労働者を搾取する面)があり、だから中小企業には「一面共闘・一面闘争」としていたが、06年に方針転換して「共存・共栄」になり「闘争」がぬけ落ちた。われわれは、中小企業といえども労働者の団結力と闘争力が背景になければ、大資本との対等取引など不可能で、「一面共闘・一面闘争」を堅持している。彼らは「生コンの値戻し」について全く触れない。値戻しはゼネコンに対する要求で、結局、大手とは闘わない姿勢はこういうところに現れている。
 つまりこの権力弾圧は、ゼネコンとメーカー、これにすり寄って延命しようとする協同組合の一部直系企業幹部がグルになって、労働者と中小企業を大企業の好きなように支配できるシステムをつくろうという流れです。そのために、権力だけでなく、労働者の味方面(づら)している者も引きずりこんでの攻撃なのです。

――日本の労働組合は殆どが企業別で、企業の範囲内でなら許すが、関生のように産別組織の集団的交渉権を握って攻めていくのは資本も権力も許さない。
(武)そう、権力は背景資本に対する闘いを犯罪視している。そこが日本共産党と権力と大企業がぴたっと符号を合わせているのです。

関生の背景資本に対する
産別闘争の可能性

――世界恐慌と大失業時代のなかで、派遣切りされた非正規労働者が新たな闘いに起ち上がっており、これら労働者が要求を実現しようとすれば、派遣会社を飛び越えて大企業―背景資本と闘う必要がある。関生の産別政策、直接雇用関係を飛び越えて集団的交渉権をもってする運動に大きな可能性があり、今回の弾圧は、関生労働運動と派遣切りに怒る非正規労働者が結びつくことを恐れた攻撃とも言えますね。
(武)大企業で資本金10億円以上の会社には、200兆円からの内部留保があるといわれている。トヨタだけでも10数兆。これは、下請け・孫受け、労働者から吸い上げてえた利益。ここから内部留保を吐き出させるためには、われわれのような運動がなければ、あいつらは食い逃げする。
 現に今年の春闘では、われわれの集団交渉に参加しているのは、104社。直接雇用関係のあるところは37社。あとは直接雇用関係はない業者が入っています。この104社は大企業の収奪と闘う方向でわれわれと一致しています。こういう形の集団交渉、政策運動にしか、中小企業と労働者を救う道はない。中小企業に働く労働者だけで4000万人。しかも組織率は低い。今、関西でやっているように、37社しか労使関係がないのに未組織もいれて104社寄っているという運動を全国に作り上げていけば、例えばフランスの産別労働組合は8%の組織率しかないのにストライキもやるし、80%の労働者に(労使協定が)拡張適用されているように、そういう闘いの可能性が開ける。これは、独占資本と権力には非常に怖いところでしょう。
 だから、わたしは企業別労組が一気に産業別労組になるのが難しいのなら、全国にはトラックはトラック協会、電気は電気協会、電機産業関連中小企業による協同組合が存在しています。例えば「年間労働時間を1800時間にしろ」とか「派遣労働者の首切りを辞めろ」と、各団体に企業別労組でも産業別的要求を出して闘えばいい。ところが、電機労連、自動車労連など大手幹部は、派遣、パート、出入り業者の生活や人権を守ることなど眼中にないからそれをせず、独占資本の手のひらに乗ったような運動をするから、ゼロ回答、定昇の凍結になるのです。

内部留保を吐き出させ、
大幅賃上げを

――春闘の山場ですが、関生のポイントを聞かせて下さい。
(武)今春闘では、「ミスター賃上げ」と私は言っているが、本勤労働者月額50000円以上、日々雇用労働者日額4000円以上の大幅な賃上げ。さらに女性の地位向上を昨年に引き続き徹底的にやる。この財源は、先ほど話したようなゼネコン・大手商社・セメントメーカーの内部留保から吐き出させる。
ワークシェアリングですが、建交労は日々雇用について細切れに使うことを経営者から提案され、午前中に働く部分と昼から働く部分に分けると。これは、事実上の賃下げで、連合や経団連と同じ。われわれは、賃下げせずに本勤の人が有給休暇を消化し、組合活動を大いにとって、その部分に日々雇用の人たちを雇い、雇用機会をつくる。これが本当の意味でのワークシェアリングで、今、実践している。そして、状況によってはストライキを打つ。こういう構えで要求は前進する。相手にすり寄って、言いなりになったのでは展望はない。
 生コン産業も非常に厳しい状況ですよ。セメントでは、ピーク時の8600万トンの国内消費が、今は約半分くらいに減った。生コンでも、一時1億6000万立米出ていたのが、1億立米切るか切らないかにまで落ち込んでいる。その現象だけを見ると、「賃上げどころの騒ぎではない」と見える。そういう困難な状況に追い込まれている中で、われわれがやっているのは、背後にいるゼネコン・セメントメーカー・大手商社に対して、今までの食い逃げをさせない、背後の溜め込んだ原資を持っているところから取ってくる。

資本の危機はわれわれのチャンス

 それは、情勢分析の観点が日本の多くの労働組合や共産党と大きく違っている。われわれは、アメリカを中心とした支配システム、輸出主導型、多国籍企業中心型の弱肉強食の市場原理が崩壊してきていると捉えている。これは歓迎すべきであって、危機ではない。それは資本にとっての危機。建交労や連合は、相手の危機を自分の危機のように捉え、「危機だ、危機だ」と煽って結局闘おうとしない。われわれは相手が弱っているからチャンスだと見る。この情勢の捉え方の根本が狂っているから、われわれと対応に違いが出るのです。

日米安保破棄し、社会変革を

――最後に、政治に一言あれば。
(武)大問題になっている小沢さんの公設秘書逮捕について、24日に多分、連中は起訴する。この事件は、国民のほとんどが自公政権は終わりだと思っており、背景にはそこに危機感をもつ、つまり政権交代をさせない政治的意図が働いているのは明白です。わたしは、漆間元警察長官の発言にみる検察官僚の意図もあるが、アメリカの差し金と思います。小沢さんはクリントンと会談した時、「日米同盟は従属ではなく対等のパートナーである」と言い、別のところで「第七艦隊だけでいい」と言った。これは日本に在日米軍基地がいらないということで、アメリカから見たら許せないこと。もっとも小沢さんと民主党が日米同盟を堅持し、国連の名によって自衛隊の海外出兵と集団的自衛権の行使を主張し、「普通の国家」(「戦争のできる国家」)をめざすのもので有ることを承知しており、そこはいただけない。しかしこの間、自公政権によって平和、福祉、教育が破壊され、雇用も賃金も破壊された。この犠牲を受けている国民が、公設秘書が起訴されようと「やはり自公政権ではだめだ」と起ち上がらなければならない。今のマスメディアは政治不信を煽って、「どっちも一緒だ」という雰囲気をつくろうとしているが、国民はそれにのって、戦後のアメリカべったりの自民党政治、自公政権を変えるチャンスを無にしてはならないと思います。

――もう一歩突っ込むとどういうメッセージになりますか。
(武)しかし、問題は民主党中心の政権になっても、資本の独裁の維持と延命、日米同盟堅持ですから、基本的な支配構造は変わらない。この日米同盟は、軍事的な側面の他に、もう一つ経済的な側面があり、グリーン・ニューディール政策をとるオバマは日本の金を当てにしており、日米同盟は経済的にもアメリカに都合のいいように日本を食い物にすることです。そういう路線を変える以外に日本の将来はない。そうすると、日本のアメリカ追随・従属政治、現在のグアム協定にみる沖縄など米軍基地強化の根幹にある日米安保は破棄して、アメリカとは対等・平等・互恵の精神に立った平和条約を結ぶ。そして本当の意味で、労働者の生活や、派遣やワーキング・プアといった問題を根本的に解決するには、資本主義社会を変革する以外にないと思っています。(聞き手 コモンズ編集部)
沖縄県議会決議に連帯・呼応して国会に攻め込もう
沖縄の辺野古新基地建設・米軍再編推進協定である
「グアム協定」批准許すな

 麻生政権によって提出された「米軍再編推進協定」である「在沖縄海兵隊のグアム移転に係わる協定」〈グアム協定〉批准承認案が、3月27日の衆院外務委員会から審議入りする。一方で、沖縄県議会がグアム移転協定反対決議をあげた。小沢党首の公設秘書逮捕・起訴でゆれる民主党も、この承認案に反対する方針を固めた。野党多数の参院で否決しても、衆院の議決が優先されて発効することになる。衆院での成立強行を阻止しよう!

今の政府を倒さなければ
何も変わらない

 3月11日、国会での協定批准を阻止するため、「『グアム移転協定』の成立を許すな! 辺野古への基地建設を断念せよ!」集会が東京の星陵会館に17名の議員、150名の参加をもって開催された。
 主催者である辺野古への基地建設を許さない実行委員会や山内徳信参議院議員など議員挨拶のあと、沖縄現地から駆けつけた二人の代表からの提起があった。沖縄ヘリ基地反対協議会の安次富浩さんは、―「グアム移転協定」について、8〜9千人の移転によって沖縄の負担が軽減されるという誤った認識が広まっているが、普天間基地をはじめカデナ以北の4施設は辺野古に新基地を作らないかぎり移転しないという条件がついており、実質的には沖縄再編協定であり、沖縄を愚弄するものである。それは米軍のアジア太平洋全域支配のための軍事戦略の一環であって沖縄の負担軽減のためではない。また2月27日から4日間、ワシントンで開催された在外基地住民の交流会に7名で参加した。韓国、ハワイ、などと共に闘っていくことを確認した。国務省の若い役人と会ったが、「新基地建設は環境に配慮して進められるだろう」と言い、彼らは県議会の決議もジュゴン裁判のことも全て知っていながら基地再編計画を進めている。沖縄では休むことなく運動が続いている。今年は薩摩侵略400年で、この歴史は差別・抑圧の歴史であった。現政権を運動の力で倒さなければ何も変らない。今こそ、内閣打倒で闘おう!――と語った。

傍聴席を埋めつくし
国会を包囲しよう

 沖縄平和市民連絡会事務局長の当山栄さんは、――沖縄では太平洋戦争で4人にひとりが殺され、戦後の米軍政下でも、米兵犯罪に泣き寝入りを続けてきた。72年返還後も米軍基地は引き継がれてきた。97年には名護市民は基地移転拒否の決議をあげ、身体を張った闘いで移転を撃退したが、こんどは辺野古への基地移転のため、名護市長や仲井間県知事を屈服させ、自衛艦を投入して調査を強行した。周辺住民はもう我慢できない。辺野古新基地は住宅地にも近く、貴重な珊瑚礁などの環境も破壊する。しかし政府は「名護市長がOKした」として、市長をだましそれを基地建設推進の根拠にするとは何事か。国会の傍聴席を満杯にし国会を包囲しよう。危険な普天間基地の閉鎖、辺野古新基地建設中止を求めて、我々は県議会で意見書採択し国に突き付ける。一緒に攻め込もう――と結んだ。
 沖縄はアジアにおける一大軍事拠点としてアメリカの世界戦略の中に位置づけられている。グアム移転協定は、その米軍再編の一環であり、その目的のためには沖縄住民の人権も自然環境も無視されてゆくのである。沖縄県議会決議に連帯して、グアム協定批准阻止のため闘い、グアム・韓国・ハワイなどアジア太平洋の民衆と共に米帝国包囲の陣形を作ろう!
(編集部M)
国内短信


こどもの貧困が深刻化
 公立小中学校の児童・生徒の中で経済的困窮者に支給される就学援助の受給者が増えている。97年から10年間で78万5千人から141万人へと倍加している。大阪での聞き取り調査では、朝ご飯は食パンと水だけ、靴底に穴があいたまま、一週間ずっと同じ服といった報告があり、文部科学省が06年に行ったアンケート調査では95%が企業倒産やリストラなど親の経済状況の変化によるものだった。

国の「埋蔵金」は90兆円規模
 2009年度予算政府案は、一般会計の88・5兆円に対し、特別会計歳出額は4倍の355兆円にものぼる。これは外交、防衛、教育など国の基本経費と分けた「特別の必要」から区分経理している会計である。政府が国家予算の無駄や退蔵によって潜在し、独立行政法人、特殊法人、公益法人などの補助金にさまざまな名目で作られている「埋蔵金」がある。とりわけ特別会計の中に莫大な「埋蔵金」があり、専門家の試算によれば、フローの剰余金に42兆円、積み立て金として退蔵されている金が50兆円、合計90兆円規模の「埋蔵金」が眠っていると見積もられている。

米国防総省の対日新スタッフ
 米国防総省の対アジア・対日担当の陣容が決まった。国防次官補にウォレス・グレグソン元海兵隊中将。在沖米軍沖縄地域調整官、太平洋軍海兵隊司令官を歴任。副次官補(二人)にデレク・ミッチェル元国防総省日本部長。中国、台湾問題が専門で、国務次官補に就任するカート・キャンベルと戦略国際問題研究所で同期。もう一人の副次官補にマイケル・シーファー。ファインスタイン上院議員の外交スタッフで05年から一年間、日本の防衛研究所に学んだ経験もある。

キャンプ座間で反基地集会
 アメリカのイラク戦争6年目にあたる3月20日、神奈川県座間市で「ピースアクションin座間」の集会が開かれ、米軍キャンプ座間に隣接する公園に約120名が結集した。集会後、「イラク戦争反対!」「座間の米軍司令部は米国へ帰れ!」「ソマリア沖への自衛隊派兵反対!」などのシュプレヒコールをあげながら市内をパレードした。

水道民営化に欧州資本が参入
 千葉県の住民50万人の下水を処理する手賀沼処理場の4月からの処理業務をフランス大手のヴェオリア・ウォーターが受注した。水道事業は廃水処理、水質管理、水処理施設、検針業務などが入札制による委託となってきたが、水道事業は年間6〜7兆円規模の市場と見られており、フランスなど水メジャーからも直接の入札や日本企業への資本参加などの形での参入が進んでいる。民営化が進めば水道事業は公共性よりも利益優先の事業となり、これまでラテンアメリカやドイツでもあったように、企業は高い金額で入札し、あとで水道料金を上げるのである。貧困者は水さえ飲めなくなる。また利益が優先されるため水質への信頼性がうすれてゆく。

ソマリア沖への自衛隊派兵の暴挙!
 3月14日早朝、国民の審理をまったく受けることなく、呉基地より、海上自衛隊の護衛艦2隻がソマリア沖に向けて出発した。呉現地では、ボ−トなどの海上デモをはじめ抗議行動が行われました。聞くところによれば、出航した護衛艦「さざなみ」「さみだれ」には、死体安置所として冷凍庫が設置されている。「海賊」を殺し、その戦闘での自衛隊員の犠牲も想定してのこと。前号で明らかとしたように、この派兵は、日米安保体制下でアメリカの世界軍事戦略再編の一翼を担い、憲法9条を踏みにじる集団的自衛権の行使と武力行使の道をひらくもの。麻生自公政権の国会《国民》無視の暴挙である。

ソマリア沖には、何があるのか
 海上自衛隊の護衛艦の行き先であるソマリア沖は、別名アフリカの角と呼ばれ、紅海の出入り口を扼する重要なバーレーン海峡にある。紅海の奥には、サウジアラビアといった産油国があり、スエズ運河のある重要な交通路。さらに近隣国には、「国際社会(いわゆる先進国)」の言うことを聞かない、国や国民がある。
 まず、アメリカ海兵隊の映画《ブラックホークダウン》で有名な武力衝突で追い出したソマリア。今なお部族的軍閥による群雄割拠が続き、「海賊」とアルカイダの根拠地とアメリカに呼ばれている。その北隣の隣国には、長期にわたる独立のためのゲリラ戦を展開したエリトリア、そしてエリトリアのゲリラ戦を共に闘い軍事独裁政権を倒したにもかかわらず、エリトリアと何回も国境で武力衝突を繰り返し、ソマリアに対してもエリトリアと影響力を競い合うエチオピア。ダルフール紛争で有名なイスラム原理主義国スーダン。
 反対側には、何度も「アルカイダ」による米大使館攻撃や艦船攻撃の起きたイスラム原理主義的なイエメン。さらにビン・ラディンを生んだイスラム教スンニ派でもっとも厳格なワッハーブ派原理主義国サウジアラビア。王政が倒れればどうなるかわからない。つまり、交通の要衝を守ると同時に、イスラム民族主義的な国家や民族に対する、武力による威圧のための艦隊作戦というほうが正解である。(東京通信員F)


海外短信


金融サミットに向けたロンドン宣言
 ベルギーのブリュッセルに本部を置く国際労働組合総連合(ITUC)は23日、ロンドンで4月2日開催予定の主要20カ国・地域(G20)金融サミットに向け「ロンドン宣言」を発表した。その中では次のようにうたっている。
一、世界の労働者は職と住居を失いつつあるが、経済危機の罪なき犠牲者である。危機は金融部門の強欲と無能によるものである。
一、危機に対処し、公正で持続可能な世界経済を後世に残すために、G20に対して以下の戦略を低減する。(以下、詳細は次号にて)

ワシントンで1万人がデモ
 イラク・アフガンからの撤退を求めるペンタゴンまでのデモ行進が21日行われた。参加者の中にはイスラエルによるガザ地区空爆への抗議をするアラブ系団体や、戦犯容疑でブッシュの起訴を求めるプラカードなども見られた。なお、この行動は国際行動として行われ、日本では20日、ワールド・ピース・ナウ主催の反戦集会が東京・坂本町公園に600人を集めて開催され、日比谷公園までパレードを行った。


AIG赤字額992億ドル
 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は2日、2008年10〜12月の純損益が616億ドルの赤字だったと発表した。これで08年の赤字額は合計992億ドル(約9兆9500億円)にのぼった。この最大の原因は、サブプライムローンなど各種金融商品への投資失敗によるもの。
 米政府は同日、優先株取得の形で最大300億ドルの追加資本投入を決めた。昨年9月の850億ドルの融資以来これで4度目。市民の税金が湯水のごとく流し込まれている。また連邦準備制度理事会(FRB)も巨額の資金援助と引き換えにアリコなど子会社をFRB傘下のニューヨーク連銀の管理下に置いた。

イタリア、マフィア撲滅を
 21日、反マフィア市民団体「リベラ(自由)」主催による集会とデモがあり15万人が参加した。デモの先頭には犠牲者の親族が立ち、殺害された犠牲者約900人の名前が読み上げられた。最大のマフィア・ヌドランゲは欧州での麻薬密売で年間450億ユーロ(約5兆8千億円)を稼いでいるといわれる。

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