第12号(2009/6/1)●別紙
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●6月6日午後6時より発足記念講演とシンポジウム●
●総評会館302号室(地下鉄 新御茶ノ水より0分)●
呼びかけ文案の掲載にあたって
 1990年4月より2期10年間にわたって、資本主義批判の知的・文化的な知性の協働と交流の場として、各種のシンポジウムや思想・学術講座、『アソシエ』誌などを発行して、日本の思想・文化・学術運動の一翼として大きな役割をはたしてきた《アソシエ21》が、この2009年3月末をもってその活動を終了しました。
 しかし、世界は切実に資本主義に代わる新しい政治・社会システムに向けた構想の練り上げとそのための資本主義批判の知的・文化的な協働と交流の場を必要としております。おりしも、旧アソシエ21の会員の中から「今、こそ、アソシエ」との声が上がり、旧アソシエ21の志をこの世界恐慌の始まりの時代にふさわしいものに発展させる形で引継いでゆく新たな「変革のアソシエ」(仮称)を立ち上げる動きが始まり、この6月6日に発足の運びとなりました。
 私たち「コモンズ」編集部は、発起人をはじめ各位の発足へのご努力に心から敬意をもって協賛したいと思います。
 そうした立場から、ここに、「変革のアソシエ」発足準備事務局のご了解をえて、その「呼びかけ文」(案)などをここにご紹介します。−−編集部

「変革のアソシエ(仮称)」の呼びかけ人への参加のお願い

違いを結ぶ、批判と創造の
新機軸を構築しましょう

 社会の至る所でほころびが目立つようになりました。一握りの金融資本家が、公の富を私物化し、むさぼり食っています。強欲資本主義の先頭を進むアメリカでは、社会の全資産の半分が、人口比にして100万分の1でしかない、ほんの一握りの金満家の手にあります。彼らが世界を破壊してしまったのです。日本も例外ではありません。日本の所得格差を基準とする貧困度もOECD諸国の中ではビリから3番目です。アメリカはメキシコに次いでビリから2番目です。
 社会から倫理性・責任感・安全性・生き甲斐感が急速に失われてきました。その大きな要因は、想像を絶するこのような経済格差の存在でしょう。アメリカ型金融資本主義は、現代資本主義の究極の形です。このシステムこそが、私たちの生活と労働を破壊しているのです。
 サブプライム問題の深刻化に象徴されているように、金融恐慌の津波が世界を襲っています。資本主義は、内在的な不安定性を深刻なかたちで露呈し、あきらかに外的な力によってではなく、内部から自己崩壊現象を示しているのです。これが、私たちを取り巻いている現在の様相です。いまや、ほんとうにスケールの大きな歴史の危機と転機とが共に訪れているのです
 しかしそれとともに、孤独な個人に分断されてストレスを内部にため込みながら、自らの内面にひきこもり、苦しむ人びとが増えています。日本では15分に一人が自殺に追い込まれているのです。なかでも、女性へのしわ寄せはこれ以上放置できないほどの過酷なものでしょう。民間企業で生涯働いても、自らの生活を支えるだけの賃金を得ることのできる女性は、比率からすれば、ごくわずかの人びとにすぎません。現在、急速な高齢化と低出生率の問題が社会の関心をひいていますが、その多くは生産力的視点からのみ語られることが多いのです。現実に進行しているのは、私たちが共に生きていくことの絶望的な困難さであり、社会そのものの存立基盤の破壊なのです。
 さらに地球温暖化、資源枯渇のおそれ、農村や山林の荒廃などから、人間の生存基盤となるべき自然環境破壊も深刻な問題となっています。いまや近代以降の資本主義市場経済の歴史的限界が人間と自然の深刻な荒廃・破壊に示されているとみなければならないでしょう。
 にもかかわらず、日本では、こうした忌まわしい時代に反抗する批判的知性の力が強くなっているとはいえない情況があります。新自由主義イデオロギーが猛威をふるったこの30年間で、資本主義の体制自体に批判的に対峙する思想、文化、理論の戦列からじつに多くの人々が離れてしまいました。新自由主義の重圧のもとでの労働運動、社会諸運動の内部分裂がそうした情況を生み出してしまったのです。

 いま必要なことは、社会変革の新しい基軸を早急に構築することです。資本主義に反抗し、新しい地平を開く批判的・創造的知性の舫(もやい)を生み出すことです。違いを結ぶ批判と創造の星座を作り出すことが喫緊に重要なことです。
 世界では、アメリカ流の資源略奪型グローバリズムへの抵抗が非常に強くなり、アメリカの軍事力で圧殺され続けてきた民族の尊厳回復を目指す運動が燎原の火のごとく燃えさかっています。世界の運動は、資本に対抗する労働者の抵抗も依然として大きな力を発揮していますが、資本主義システムに組み込まれていない、システムの外側にいる人々の反資本主義運動も資本・労働関係を上回る強靱な新しいうねりを形成しています。
 アメリカの帝国主義は急速に世界から孤立する様相を深めているのです。
 日本では、戦前には、脱亜入欧の近代国家形成がアジア人民の犠牲の上に遮二無二進められました。そして、戦後では日米安保体制の下で、日本の保守層は対米従属を国是としてきました。いま、その構造が行き詰まったのです。私たちは、いまこそ、政治的、経済的、文化的に脱アメリカの自治・生活スタイルを構築しなければならないときに立っているのです。

 世界に吹き荒れるこうした抵抗の風を、私たちもしっかりと受け止め、もっと大きな風を起こすべく、謙虚な自己反省を忘れずに、批判的・創造的知性を結集すべきでしょう。
人間の尊厳を踏みにじる労働力商品化の深化に抵抗し、反安保、反改憲、沖縄の解放を目指す従来からの反資本主義運動をもっと大胆に展開すべきです。そうした反資本主義の文化的・知的対抗運動の根底のひとつに、被差別部落民、先住アイヌ民族、琉球民族、在日朝鮮民族・アジア人などの人々の困難な闘いも大切に据えましょう。差別と分断は、権力システムから打ち出されるものですが、私たちの心の中にも、差別と分断に呼応する一面もあるのではないでしょうか。私たちは権力と戦わなければならないのは当然ですが、私たちの心の奥底に素食っている差別意識という内なる敵とも戦わねばならないのです。こうして、それぞれの違いを意識しつつも、連帯の可能性の絆でお互いが結ばれれば、そこには差別、分断、格差、貧困への非常に強固な抵抗の地場が形成されるでしょう。

 こうした可能性の絆、新しい基軸の拡充と構築という営為の上に、農漁村の崩壊・都市における貧困の累積、様々な格差、因習・慣行と無自覚による女性差別、等々を食い止める広範な人々のアソシエが形成されるのです。
 現在は、危機の頂点です。それは、古代ギリシャの哲人、ヒポクラテスが喝破したクライシスです。究極の危機を迎えたとき、人間は劇的な回復力を発揮するのです。そうした極限状態がクライシスと呼ばれているものなのです。
 資本主義そのものを克服し、新しい価値観に基づく新しい時代の創造を目指して、それぞれの生活空間・運動空間で苦闘している現場の知を尊重しつつ、広く世界の批判的知性との交流・協力も大切に、志を新たにさまざまな分野での課題や知的作業を重ねあい、歴史の危機を突破する希望を育みたいのです。
こうした私たちの願いに、協力し結集してくださることを心からお願いします。
 二〇〇九年四月

 「変革のアソシエ(仮称)」

                 設立発起人

足立 眞理子
伊藤  誠 
大野 和興 
本山 美彦 

「変革のアソシエ」(仮称)呼びかけ人
【発起人(順不同)】
伊藤  誠(東京大学名誉教授)、
本山 美彦(京都大学名誉教授)
足立眞理子(お茶の水女子大学准教授)
大野 和興(農業ジャーナリスト、脱WTO草の根キャンぺーン)

【呼びかけ人(順不同)】
丸山 茂樹(参加型システム研究所、協同組合論)
石塚 道子(お茶の水女子大学大学院)
石渡 博明(安藤昌益の会・事務局長)
太田 仁樹(岡山大学)
勝田 洋子(作家、中国語翻訳業)
神子上 徹(精神科医)
川上 忠雄(法政大学名誉教授)
菅野 芳秀(山形 農民、アジア農民交流センター共同代表)
菊池 夏野(名古屋市立大学)
北村  浩(財団法人 政治経済研究所)
国分  幸(岐阜経済大学名誉教授)
小林  勝(非常勤講師)
斎藤 武光(「終焉に向かう原子力」実行委員会代表)
坂本進一郎(農民作家)
崎山 政毅(立命館大学)
里見 和夫(弁護士)
渋谷  要(自由業)
清水  敦(武蔵大学)
新崎 盛暉(沖縄大学名誉教授)
安次富 浩(名護ヘリ基地建設反対協代表委員)
白川 真澄(ピープルズ・プラン研究所)
菅原 陽心(新潟大学)
瀧口 憲一(会社員)
武  建一(連帯ユニオン・関西地区生コン支部委員長)
竹野内真樹(東京大学)
田淵 太一(同志社大学)
土橋  貴(中央学院大学)
津林 邦夫(北大阪合同労組書記長)
永嶋 靖久(弁護士)
野添 憲治(秋田 農民作家)
朴  重鎬(作家)
原田 博司(教員)
原田  実(中京大学)
針生 一郎(美術評論家、丸木美術館館長)
増田 幸伸(近畿生コン関連協同組合連合会・専務理事)
宮嵜 晃臣(専修大学)
森  恒夫
柳川 秀夫(三理塚農民 地域的課題の実験村共同代表)
山浦 康明(NPO日本消費者連盟事務局長)
吉岡 滋子(郷土教育)
吉留 昭弘(協働センター・アソシエ)
渡辺 雅男(一橋大学)
綾目 広治(ノートルダム清心女子大学、文芸評論家)
伊坂 青司(神奈川大学)
伊藤 英雄(会社員)
伊藤 述史(東京女学館大学非常勤講師)
井上 純一(立命館大学国際関係学部)
一盛  真(鳥取大学)
稲富 信博(九州大学)
宇波  彰(明治学院大学名誉教授)
羽後 静子(中部大学)
岡本 磐男(東洋大学名誉教授)
河上 睦子(相模女子大学)
河村 哲二(法政大学)
吉村 信之(信州大学)
吉田 俊純(筑波学院大学)
宮中  亨
橋本 盛作(御茶の水書房)
橋本 徳久(コンサルタント)
橋野 高明(同志社大学人文研)
近藤 和子(女性ユニオン東京執行委員)
いいだもも(評論家)
栗田 康之(上部大学)
原  仁司(亜細亜大学)
原田太津男(中部大学)
高橋 順一(早稲田大学、日本思想史講座)
高原 幸子(中京大学)
高良留美子(詩人、評論家、作家)
黒須純一郎(明海大学)
黒滝 正昭(宮城学院女子大学)
伊田久美子(大阪府立大学)
黒沢 惟昭(長野大学)
今泉 和行(塾講師)
根本 がん(反原発茨城共同行動)
三上  治(社会思想―憲法講座)
山家  歩(法政大学非常勤講師)
子安 宣邦(思想史家)
小森 龍邦(元衆議院議員)
小川 大海(無職)
小幡 道昭(東京大学)
小林 孝吉(文芸評論家)
上之園幸子(高校教員)
新田  滋(茨城大学)
水田  洋(名古屋大学名誉教授)
瀬戸  宏(摂南大学)
星野  智(中央大学)
清  眞人(近畿大学)
清水 耕介(龍谷大学)
生田 あい(社会運動)
西角 純志(専修大学非常勤講師)
青才 高志(信州大学)
斉藤日出治(大阪産業大学)
川元 祥一(作家・部落文化論)
川合 清隆(甲南大学名誉教授)
相田 愼一(専修大学北海道短期大学)
鎗田 英三(駿河台大学)
村上 和光(金沢大学)
大越 愛子(近畿大学)
大賀 達雄(済世会 鴻巣病院)
滝口 清栄(法政大学非常勤講師)
谷  俊夫(埼玉助け合い連帯)
仲村  実(管理職ユニオン関西・NPO法人非正規労働者のための協働センター代表)
町口 哲生(季報『唯物論研究』編集委員)
塚本 恭章(東京大学)
鶴薗 琢也(専門職)
的場 昭弘(神奈川大学)
田中  学(東京大学名誉教授)
土佐 弘之(神戸大学)
内田 雅敏(弁護士)
内田  弘(専修大学名誉教授)
日山 紀彦(東京成徳大学)
半田 正樹(東北学院大学)
尾形  憲(法政大学名誉教授)
福田 隆雄(作品社)
平川  均(名古屋大学)
米村 健司(早稲田大学)
別所 興一(愛知大学経済学部)
保住 敏彦(愛知大学)
牧野 一樹(京都造形芸術大学)
木戸 衛一(大阪大学)
木畑 壽信(社会理論学会)
来栖 宗孝(東海大学文明研究所元教授)
尹  春志(山口大学)
尹  健次(神奈川大学)
桑畑 正信(協働センター・アソシエ、水道検針労働組合)
小西  誠(社会批評社)     他

【賛同人(順不同)】
青木 茂雄(元都立高校教員)
市村 忠文(フォーラム平和・人権・環境)
江原由美子(首都大学東京)
太田 武二(命どぅ宝ネットワーク)
嶋田  巧(同志社大学)
中島 吉弘(大学教員)
松田  博(立命館大学)
道善兵一郎(ジャーナリスト)
嶺井 正也(専修大学)
乱  鬼龍(川柳人)
井野 博満(東京大学名誉教授)
下村 安男
吉村 裕之(非常勤講師)
金子 文夫(横浜市立大学)
結城 剛志(埼玉大学)
原崎  敏(元大学教員)
小松 美彦(東京海洋大学)
松原  博(「輝け!九条」新護憲市民の会・神奈川 事務局)
中野 英夫((中国)南京大学)
長谷部孝司(東京成徳大学)
長田  浩(兵庫県立大学)
田中 史郎(宮城学院女子大学)
保志  恂(東京農業大学名誉教授)
本田 次男(「京都夜回りの会」代表)
木村 晃郎(版画家、著述業)    他

【協賛団体(順不同)】
一般社団法人「中小企業組合総合研究所」(略称組合総研)
近畿生コン関連協同組合連合会
NPO法人「非正規労働者のための協働センター」
日刊ベリタ
七つ森書館
社会批評社    他

キューバ訪問記

数々の英雄が
誕生した国


 「カリブ海の真珠」と呼ばれる情熱的で美しい島国キューバ共和国は、南北アメリカとヨーロッパの間に位置するため、大国にとっては魅力の土地です。そのためキューバでは、レジスタンスや独立闘争が恒常的におき、その革命闘争のなかで、ホセ・マルティなど数々の英雄が誕生しています。
 今年キューバは、フィデル・カストロやチェ・ゲバラが成功させた独立闘争「革命50周年」を向かえました。記念すべきこのときに関生支部の坂田冬樹、西山直洋、私の3人は、全労協(全国労働者連絡協議会)の結成20周年事業であるキューバ訪問団の一員としてキューバを訪問したのでした。
 総勢29名の訪問団は、1月24日、成田より飛び立ちました。今回の目的はキューバの労働者(労働組合)との交流です。もちろんキューバ社会主義を学び、日本での活動に活かすことも大切な課題です。
 私自身、今回二つのテーマをもって参加しました。一つは、キューバに生コン支部が実践している協同組合運動が組織されているかどうか。もう一つは、キューバ社会主義の中で労働組合がどの様な役割を果たし影響力があるのか。これらを自分の目でしっかり見定め、組織にもって帰ろうと思いました。

(人口あたり)
世界一医者の多い国
●医療も教育も無料

 ご存知のようにキューバは社会主義国です。しかしイデオロギーや文化的統制のない自由な国で、革命後50年も続いているアメリカの経済封鎖の影響で、経済は混迷していますが、カリブ諸国の中では治安が良くて人種差別もなく、国民は陽気で明るく元気に暮らしています。
 教育と医療は無料。識字率は96%でラテンアメリカのトップレベル、義務教育のクラス定員は20人です。キューバモデルと言われ世界に誇れる医療は、たとえアメリカ人でも医学を志せば、無料で教育を受けることができます。人口に対する医者の数は世界一多く、各国に派遣している医者の数は2万1千人。さらに125カ国3万2千人の学生を医療留学生として受け入れています。
 また、女性の地位や権利も確保されており、訪問団が出向いた労働組合を含む各機関では、重要ポストに女性が過半数を占めており、性差別は完全に撤廃されています。余談になりますが、離婚は一人平均3回と日本に比べて非常に多く、また同一労働同一賃金でもなく、現実には所得の格差もあるようです。

●サンタクララ
農業組合を訪問

 さて、目的の一つである協同組合については行く先々で質問しましたが、地域ごとの小規模な農業組合はありますが、残念ながら他の産業には協同組合はありませんでした。我々が訪問した農業組合は、サンタクララ地方の土地を所有している農民120名が結集し、代表者5名(経営者・任期5年)を選出。生産物の出来高の中から、次年度への保険費と技術開発、投資分30%を経費として使用、残りは全員で分配するというスタイルです。災害時の収穫減に備え保険をかけたり、銀行からお金を借り入れ設備投資をするなど、スケールメリットを活かして組織運営をしています。収入は、一般農家の10倍はあるそうです。

社会主義における
労働組合の役割

●組織率は平均98.8〜99%

 首都ハバナのCTC(キューバ労働組合センター)本部やサンタクララ、トリニダー、ロスインヘニオスなど各CTCやICAP(諸国民友好協会)を表敬訪問するなか、私は社会主義における労組の役割や影響力がどのようなものか質問しました。
キューバは14の行政地域(県)と特別行政地域(イスラ・デラ・フベントゥ)に分かれていて、各地域には19の産別労組が連携を図り組織機能を果たしています。労組は、国の政策である教育と医療の2本柱とは別に、@キューバ革命を守り、社会のネガティブ部分を是正し労働者を守るA各産業の生産性を高める、の2点を重要課題にしています。特にAは「経済がよくなれば賃金も上がる」という考えのもとで、いかに生産性を高めるかと、産別19労組と国(福祉省、労働省)が政策を協議し、決定した方針を年2回(5月、12月)点検して、出来高に応じて産別労組に予算分配し、賃金・労働条件を決定していくというものです。賃金や労働条件は産業別に違い、最低賃金や一時金(賞与)も違います。悲しいことではありますが、「日本と同じ輸送業種の労働者の条件は下がる傾向にある」と、輸送産別の委員長が語っていました。
 労働者の国キューバの地域組織率は平均98.8%〜99%。未組織労働者は各区300人ですが、賃金・条件は同じです。さらに軍隊の行動予算も労組に報告する義務があるなど、全ての分野に労組が関与しており、強くその影響力を感じました。

美しいカリブの
海と星空

●解放路線の選択に危惧

 さて、キューバは野球王国です。町の空き地で棒を片手にボールを追っかける野球少年は非常に多く、公園では何百人もの大人が熱心に野球談義をしています。人々の野球に対する情熱を強く感じました。住宅は国民全員が持ち家に住んでいます。革命後自分の家に住む権利が保障されているからです。国から家を購入し、年収の10%を支払うだけで、残りは国が負担してくれるとのことです。
 また、キューバで感動したことがあります。それはカリブ海の美しさと星の輝きです。星に関しては格別のものがありました。キューバでは都心を少し離れると街の灯りや車の姿が見られません。夜空を見上げると一面「星だらけ」の世界になり、夜中の2時を過ぎると月も隠れ真っ暗の中で星だけが大きく近く感じ、鳥肌が立ち怖くなる思いをします。でもこれは実に贅沢なことなのです。そしてキューバと言えばラム酒(キューバではロンと言う)。我々3人はめっきりラム酒にはまり込み、毎晩部屋で他労組のメンバーとキューバ談義に明け暮れ、睡眠不足が常態化するほどよく呑みよく語りました。
 最後に、農畜産物の自由化や一部市場の自由化という開放路線を選択したキューバでは、今後、産業別に更なる格差が生まれるのは必至です。これでは革命当初の理想からかけ離れることになってしまいます。私はこの国の労働者や社会主義体制を守る一番の近道は協同組合運動だと考え、質問しました。しかし説明が不十分なのか、通訳が理解できないのか、いずれにしても印象として、今のところはその選択肢がないように思えたのは非常に残念でした。
(通信・柳充関西地区生コン支部副委員長)


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