第14号(2009/8/5)●8面
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■新刊紹介

新しいインターナショナリズムの胎動

帝国の戦争と地球の私有化に対抗して


ダニエル・ベンサイド/著
湯川順夫/
 加藤洋介/
 星野秀明/共訳
B6判300ページ
つげ書房新社
発行:2009年6月
価格:3,360円

 「インターナショナリズム」(国際主義)と呼ばれる新しい妖怪が世界を徘徊し始めた。
 それは、地球大のグローバリゼーションと世界恐慌下で断末魔的様相を深める21世紀現代資本主義に対抗する圧迫された被抑圧民衆・民族の反撃だ。
 この新たな闘いは、中南米からヨーロッパ、中東、アジア等々と拡がってきたが、今後こののろしが国際的連帯闘争としてどのような拡がりと闘争方向をとるのか。またそれが各国人民の闘争とどのように相互連関していくのかは今後の国際政治に決定的影響力を及ぼす重大問題と言っても過言ではないだろう。
 新しいインターナショナル運動にこのような予感めいたものを感じてきたが、実のところ、この妖怪の実相について詳しく知っているわけではない。このような読者にとっては、マルクスの第一次インターナショナル時代から説きはじめて第二インターナショナルの崩壊から第三インターナショナルの経験等と20世紀にいたるインターナショナル運動を踏まえて、今次の新しいインターナショナルの特徴とその分析に取り組んでいる本書は刺激的だ。(フランスの新しい運動とインターナショナル)
 本書に特別の関心を抱いたもう一つの理由は、最近フランスのトロツキスト組織が反資本主義政治勢力の結集による新党(NPA)の結成という画期的な決断に踏み切ったが、本書の筆者ダニエル・ベンサイドはその推進者の有力な一員ではないかと思われたからである。その推測は的外れではなかった。
 訳者の紹介によれば、ベンサイドは1949年生まれのフランス人で1968年5月革命に参加。その後フランスのトロツキスト組織LCR(革命的共産主義者同盟)の中心的活動家として活動してきたという。



 「ベンサイドの姿勢は、68年以来変わることなく、社会党と共産党よりも左に位置する全国的な反資本主義潮流をいかに形成すべきかという一点に集中されていて、揺るぎがないのである。この姿勢は、高度成長の終焉と新たな攻勢の始まりから、ソ連邦・東欧の官僚的体制の崩壊を経て1995年に至る『冬の時代』にも揺らぐことはなかった。かれは左翼にとって最も困難なこの時期を耐え抜くことによって1995年以降の新しい社会運動再生への橋渡しを成し遂げたのである」。
 「しかし、この『揺るぎなさ』は、けっして硬直的でドグマ的・教条的なマルクス主義を意味するものではない。むしろかれ自身が述べているように、柔軟で自己自身をも批判する『批判的マルクス主義』というべきものである。これは現実の運動に対するアプローチでも同じであって、頭の中で抽象的・観念的に考えたことを大上段に振りかざしてそれらを現実の運動に代置するのではなく、現実の運動の冷静かつ鋭い分析を通してその中から発展する契機をつかみとり、それらをより首尾一貫したものとして次に向けて実現していこうとするのである」。
 「本書におけるグローバリゼーションに抵抗する全世界的な運動にたいする記述には、まさにこのアプローチが貫かれている。このような姿勢に貫かれているからこそ、かれの書くものは、われわれ自身にいつも問題を豊かに洞察するための大きな刺激を与えてくれるのである」。
 ベンサイドの先の著作『フランス社会運動の再生――失業・不安定雇用・社会的排除に抗して』(つげ書房新社)から本書『新しいインターナショナリズムの胎動』。この延長線上にフランスにおける反資本主義新党(NPA)が志向されたものと思われる。
 ベンサイドらフランス・トロツキストの革命的挑戦とも思われる新党(NPA)への飛躍は思想的・実践的にも21世紀プロレタリア運動の先端を切ったかの観があるが、そこには各国の革命運動とインターナショナリズムの運動がどのように相互連関していくべきかという重要問題への示唆もかいまみえる。一読を。      (室井健二)



■投稿:じいちゃジャーナル(かわぐちひろしさん)

寺尾五郎さん没後10周年記念の集い
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第一部 寺尾さんの思索をめぐって
第二部 会食・懇談


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