第16号(2009/10/5)●1面
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鳩山新連立政権発足
政権公約の実現、闘いの力が決める
失業360万人突破、派遣法抜本改正を急げ
沖縄・辺野古新基地建設見直し、移設関連予算の執行停止を
鳩山新連立政権の発足

 9月16日、民主・社民・国民新の「3党連立政権合意」を受けて、民主党主導の鳩山連立新政権が発足した。この新政権は、総選挙において、民衆の怒りが自公政権を倒し実現した政権である。故に、人々の政権交代にかけた「変革」への期待に応え、自公政治からの転換をアッピールしようと、新閣僚が競って矢継ぎ早に公約実施を打ち出している。
 マニフェスト(政権公約)の目玉である子供手当てをはじめ、生活保護の母子加算復活、後期高齢者医療制度の廃止、障害者自立支援法の廃止、八ツ場ダムの工事中止、日米核密約調査開始、中小企業の借金返済を3年間猶予する措置(モラトリアム)方針、さらには鳩山首相の温暖化ガス排出量を2020年までに2009年比で25%削減する国際公約等など―いずれも歓迎すべき転換である。
最大の試金石―沖縄新基地建設・米軍再編の見直し

 そして今秋、新政権にとってはインド洋での給油中止問題をはじめ最大の試金石となる沖縄問題が浮上する。普天間米軍基地の移転―辺野古新基地建設見直しの問題が、県審査会の「調査やり直しと建設中止」の答申を受けて、10月13日期限で沖縄県知事がアセス答申意見書を防衛省へ提出する節目がくる。その前後には、米国防長官やキャンベル国務次官補などが次々と来日し、新内閣・防衛相らへの新基地建設・米軍再編計画の実施続行を求める圧力も強まる。つまり、先のG20で、主題を「金融問題」から「貿易不均衡是正」(ドル防衛と再生)にすりかえてG8から中国を取り込んでのG2基軸のG20体制への移行に成功したオバマ大統領は、11月来日以降強硬な姿勢にでてくることが予想される。
 ここで鳩山新政権が沖縄県民の総意を受けて、懸案の「見直し」の方向に向かって具体的に、日米政府の最初の攻防に臨む事が出来るかが試される。2日の初関係閣僚会議では、北沢防衛相、岡田外相も、「県外移設の対象地域がない」「検証作業は必要だが見直せと言っているわけではない」と、その言をじりじりと後退させている。
 また、公約実現の財源確保のための補正予算見直しは目標の3兆円に届かず、「国家戦略局」新設をめぐる各省官僚とのあつれき、政権内部の意見の相違・混乱も生まれている。
 そこへ再び米国経済が悪化(米失業率10%に迫る)し、世界株安の懸念、世界恐慌への景気の「二番底」の懸念の進行である。日本でも完全失業者が361万人(失業率5・5%)を数え、12月までに仕事を失う非正規労働者は24万人に、中小企業の黒字倒産が増え続けている。まさに待ったなしの内外の厳しい現実が新政権を襲っている。
民主党主導の新政権の政治的性格

 米国発の世界恐慌の始まり、アフガン・イラク侵略戦争の敗北のなかで超大国アメリカ一極覇権の時代が終わり、米国にオバマ大統領が登場し、いまや世界は米中(G2)二極化の時代に入っている。こうした新たな時代の大転換期のなかで、鳩山新政権がどこまで民衆の期待に応えることが出来るか。われわれは、そのことにいささかの幻想も持ってはいない。
 その根拠は、民主党が主導する新政権の本質と政治的性格そのものにある。
 第一に、新政権は、その政権公約や先のオバマ・鳩山日米首脳会談に見るように、資本主義体制(この枠内での改良)の維持と「この国の形」を決める日米安保―軍事同盟を堅持している政権であって、旧来の自民党とは本質的に変らない。
 第二に、では、自民党と交代した新政権の当面する使命は何かと言えば、アメリカ一辺倒と新自由主義による自民党政治の結果である社会の貧富・格差の拡大、その中で犠牲となった民衆の怒り、批判がその根にある「資本の独裁」に向かないように懐柔し吸収することである。また、政・官・財の癒着と腐敗をただし、明治以来、戦後にも陰に陽に引き継いできた官僚主導の統治システムを構造転換していくことにある。これこそが新政権の眼目で、これまでの「事務次官会議」や「構造改革」の司令塔「経済財政諮問会議」を廃止し、国家ヴィジョンを決める「国家戦略局」と行政の無駄に切り込む「行政刷新会議」を新設し、崩壊した統治能力の回復をめざすものである。この「国家戦略局」構想は、2007年に経済同友会が「中央政府の再設計」(日本経団連「わが国の基本問題を考える」2005年)と題して提言したもので、地方分権とともに、多国籍型大企業が国際競争に打ち勝つための新たな国家・政治体制を作る目的であり、総資本の意向に沿ったものといえる。
 第三は、根本的危機にあえぐ世界資本主義の重心は、「成長のアジア」に移行しつつあり、再生の契機をかけて巨大な投機マネーと多国籍型形態をとる独占資本が、この拡大するアジア市場の権益をめぐる争奪にシフトしつつある。鳩山の「東アジア共同体構想」は、こうした資本の動向ともあいまって、日本を追い越し世界第二位に競り上がってきたG2の一方の資本主義・中国との連携を基軸に「資本主義諸国家間の東アジア共同体」の実現にある。(鳩山首相のブレーンである寺島実郎が「親米入亜」で日米地位協定の見直し、(日本の負担で)米軍を沖縄からハワイ・グアムへ移転させ、超大国アメリカと中国の狭間で、東アジア共同体の中に日本国家の進路を求める提言を発していることに注目したい) こうした新政権の性格・使命は、改良的であれ広い民衆の政治的空間を拡げ、政権の抱える矛盾を激化させ、闘いの発展への諸条件を成熟させていく。

今秋、沖縄新基地見直し、
派遣法抜本改正の闘いに全力を挙げよう!

 だからこそ、われわれにとって重要なことは、新政権を賛美することでも、その限界への批判をもって冷ややかに拱手傍観することでもなく、武委員長の談話(2面)にあるように、大政変に生まれ出ている諸条件を最大限に活用し、大衆闘争の発展を期すことである。同時に、この闘いのなかで、新政権には描くことのできない時代の求める資本主義を根本から変革する社会革命の戦略・ヴィジョン、それを担う政治主体・勢力の形成を急ぐことである。
 ともあれ、闘いの力で政権公約の実現を勝ち取っていこう!
 今秋、10月に予定される沖縄上京団に呼応し、沖縄新基地建設の見直し・移設関連予算の執行停止を求め、また失業と貧困にあえぐ非正規労働者の雇用と違法な「覇権切り」を許さない労働者派遣法抜本改正を求めて、10・29集会の成功など全国で大衆闘争を組織しよう!
 これからが闘争の正念場である。10月2日記 (あ)
(関連記事 2、3、4面)


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