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シリーズ |
いま、世界経済に何が起こっているか(2) |

大きくなってきた上海発金融恐慌の可能性
――空前の投機経済 |
1収まらない投機社会
投機は、健全な経済を破壊する。ギリシャはその最大の被害者である。米国大手投資銀行(証券会社のこと)が、財政難に苦しむギリシャ政府に眼をつけた。この投資銀行が、財務諸表に載せなくてもよい簿外取引の手法をギリシャ政府に教示し、その手法に則った国債を含む証券化された金融商品を各国の銀行に売りまくった。中国もそうした金融商品を売りつけられた国の一つである。この投資銀行の経営陣の一員で、アジア通貨危機の主犯である人物が中国最大の銀行の重役に納まっていることに見られるように、米国の投資銀行は、いまや中国金融の裏庭にまで入り込んでいる。
そして、今度は一転して、ギリシャが発行した国債の巨額さを喧伝したのもこの銀行である。先物取引でギリシャ国債の現物価格は大幅に引き下げられた。ギリシャ国債を保有している各国の金融機関の信用不安が増幅された。証券価格の低下は金利を上昇させる。実体経済が高金利に苦しみ、急激な経済不況に見舞われる。先物投機が実体経済の首を絞めるのである。重要なことは、投機の破壊力が減退させられるどころか、金融機関救済のために供与される公的資金がさらなる投機のエネルギーを強めることである。投機と経済悪化の悪循環が継続してしまうのである。
2ギリシャ国債と中国
2010年2月17日付英『フィナンシャル・タイムズ』紙は、ゴールドマン・サックスが米国ヘッジ・ファンド業界の大物とされているジョン・ポールソンをギリシャ政府高官に引き合わせたと報じた。ポールソンは、過去二年間、不良資産への投資で巨額の利益を挙げて話題になった人である。
同紙は、さらに、ゴールドマン・サックスなどの米国大手投資銀行がギリシャを含むユーロ圏諸国の債務関連統計操作に長年手を貸してきたと非難した。
2010年1月27日付同紙は、ゴールドマン・サックスが中国政府と中国国家外為管理局に最大250億ユーロ(約350億ドル)のギリシャ国債の購入を働きかけているうえに、ギリシャ・ナショナル銀行の株式を中国銀行と政府系投資ファンドである中国投資有限公司(CIC)へ売却する仲介をしようとしていると報じた(ギリシャ政府とゴールドマン・サックスはこの報道を否定したが)。ゴールドマン・サックスはギリシャ国債80億ユーロ分の発行において共同幹事を務めた実績がある。ゴールドマン・サックスの社長兼COO(最高執行責任者)、ゲーリー・コーンは、2009年11月と2010年1月の2度にわたりアテネを訪れている。コーンが2度目のアテネ訪問を終えた後、中国によるギリシャ国債引き受けの話が浮上したのである。
中国の外貨準備高は、2009年第4・四半期だけでも1300億ドル増加した。これは、人民元安維持政策の帰結である。この豊富な外貨準備で中国は世界への影響力を強化しようと画策しているが、おそらくは、それは失敗に終わることになるだろう。中国自体が投機の悪弊に染まってしまっているからである。
3バブル崩壊不可避の中国経済
2009年1月、中国共産党が、国有商業銀行に対して銀行貸出総額を前年比で一挙に3倍に増やすよう指示した。中央銀行である中国人民銀行が年間で40数兆円もの流入外貨を買い上げては人民元を市場に放出し、商業銀行にふんだんに資金供給したのである。
3倍増の貸出といっても、すぐに貸出対象が見つかるわけではない。勢い、手っ取り早く、不動産関連が格好の貸出対象になった。これが、不動産ブームを引き起こした。上海、北京など大都市の中間層が値上がりを見込んで高級マンションに投資した。不動産関連の投資増加額はリーマン・ショック後の輸出減少規模の2倍に達した。2009年の8・7%もの実質経済成長率の大きい中身がこの不動産投機である。
中国企業も個人も融資を受けて不動産投資をしている。ここで、不動産価格が急落すれば、借金の返済が不能になり、商業銀行は大量の不良資産を抱え込むことになる。
2010年5月に入ってからの上海株式市場における株価が東欧新興諸国並みに下落し、BRICs中、もっとも大きな下落幅を見せている。2009年から上海株式市場が世界を先導しているが、まず、上海発の世界株価大暴落は必至である。
中国人民銀行(中央銀行)は、2010年3月11日、2010年2月末のマネーサプライ(M2=現金と預金の総額)は前年同月比で25・52%増加したと発表した。1月末のM2は同25・98%増だった。
中国のM2は、2010年3月末で、自国のGDP(国内総生産)の2倍近くある。これは、ドル換算で米国のM2を約1兆ドル上回る額である。GDPにおいて、米国の3分の1でしかない中国のM2が米国を大幅に上回っているのである。これだけ大量の資金が中国の不動産市場、株式市場になだれ込んでいる。
世界中の企業が中国に熱い視線を送っている。しかし、中国の活況はバブルによるものでしかない。中国でバブルが破裂してしまえば、中国に流入していた世界の資金が一斉に流出することになるだろう。これは、リーマン・ショックの比ではない。中国は、金融恐慌と世界経済恐慌勃発の引き金を引いてしまうことになるだろう。
8%成長を守ろうとする、いわゆる「保8政策」遂行のために、なりふり構わずばらまき政策を取った中国政府は、上海万博を成功させて、景気の維持を図ろうとしているが、すでに、万博開催中に上海の株価が下落し続けている。
中国は、投機の中枢である先物取引を2010年1月8日に認めてしまった。中国証券監督管理委員会(CSRC)は、この日、株価指数先物取引、株式の空売りや信用取引の開始を原則的に承認したと発表したのである。遅まきながら、中国政府は急遽、金融引き締めを実施したが、それは、バブル崩壊を早めるだけになるだろう。米国の大手投資銀行に牛耳られている中国の金融崩壊はすぐそこまできている。
(第3回は日本の予定です)
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■怒、怒、怒、怒、怒!!
普天間基地の移設先を辺野古と明記した日米共同声明、これを是認する閣議決定、それに署名を拒否した福島大臣の罷免、8月までの施設の位置などの検討、そしてこれと並行して地元の説得である。話が全然逆ではないか。アメリカ政府もアメリカ政府だ。地元の同意が移設先の必要条件と主張してきており、地元―沖縄県知事、県議会、名護市長、そして9万人の大集会に象徴される民衆の反対を知らないはずはないのに。この沖縄の怒りを押し切って移設を強行しようとするなら、恐らく成田の二の舞、あるいはそれ以上の悲劇は避けられないだろう。
■本紙に詳しく報告されていると思うが、
私たちの沖縄・緊急意見広告は大成功だった。限られた短い期間であるにもかかわらず寄せられた4000名をはるかに越える一人ひとりの署名に、私は普天間問題、さらには日米安保条約についてのウチナンチューとヤマトンチューとの海を隔てた強い、熱い、固い絆を見た。1995年、米兵による少女暴行をきっかけに爆発したマグマのなかで、しばしば訪沖したときの民宿のおばちゃんの名もあった。普天間を人の和で包囲したときのヤマトンチューの仲間も名を連ねていた。
■「普天間基地は撤去、海兵隊は撤退を」
=安保破棄である。私たちはこの意見広告に込められた闘いへの決意をつぎの安保破棄の対米通告へ発展させねばならない。
1960年1月19日署名、同年6月23日発効の「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(日米安保条約)はその第10条[条約終了]に言う。
「この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
もっとも、この条約が10年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後1年で終了する。」
(この条約の第6条[基地の許与]では「アメリカ合衆国は、その陸軍、海軍及び空軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」とあり、海兵隊の駐留はそもそも認められていないのだが。)
見られるように、1970年―60年のときと違って安保闘争が大きな高まりも見せず、「自動延長」された年だった―以後は、アメリカとの協議など一切なくとも、日本政府が「安保破棄」を対米通告しさえすれば、「諸悪の根元」となっている安保条約は消滅するのである。
■鳩山首相は沖縄へ行って、
海兵隊が「抑止力」となっていることを「勉強してきた」という。冗談じゃない。「抑止」の対象は何だというのか。中国や北朝鮮が、どういう理由で日本を攻めてくるというのか。海兵隊はもともと「殴り込み」の部隊であることは、湾岸戦争、アフガニスタン・イラク戦争で見た通りである。それを沖縄という中国のいわばのど首につきつけられた刃として置いていることは、鳩山首相の言う「東アジア共同体」の実現を阻む最大の障壁である。同じ敗戦国のドイツと異なり2000万人の犠牲をもたらした「前科」のある日本があの戦争のきちんとした始末どころか相も変わらぬ「脱亜入欧」よりもっと悪い「アジア敵視」の立場から抜け出せないでいるのである。
■去る2月、中南米32カ国の首脳が
メキシコに会して来年からの中南米共同体を目指す宣言をした。さまざまな問題を抱えながら、EUは発展している。つぎは安保廃棄の対米通告でアメリカの呪縛から脱却した日本を含む東アジア共同体にしなければならない。
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