第26号(2010/8/5)●2〜3面
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座して死を待つか、立って闘うか

 関西生コン関連業界の危機突破をかけ、
われわれは全面ストライキに決起した

―武 建一 連帯労組・関西地区生コン支部委員長に聞く―


編集部注 1面の長期ストライキの闘争報告を受けて、関生支部にとっても、中小企業労働運動にとっても、かってない歴史的な闘いについて、武建一連帯労組・関西地区生コン支部委員長にお聞きした。(これはその要旨です。インタビューの全容は、季刊『変革のアソシエ』4号(今秋、発行)に掲載されます。)

過去の歴史の総括があって今日の闘いがある
  
―今回の闘いの発端になった要求は何なのか。
  なぜ、長期、全面ストライキに至ったのか
 現象的に見ると、闘いは7月2日からストライキに入っているのですが、これには前段があります。
 7年前に、関西で生コン業界の誕生50周年シンポジウムがあり、ここで、われわれはいくつかのことを提案した。要するに、過去をしっかりと総括しなければ失敗を繰り返す、と。過去の総括というのは、中小企業の経営が安定するには、労使が協力して大企業との対等取引と適正価格を収受すること。それには、大企業から自立する必要がある。北海道、中部、近畿、九州の生コンの大口需要地では、必ずセメントメーカーが支配しようとして協同組合に役員を送り、これをセメントメーカーの販売手段として利用している。それから自立しなければいけない。
 もう1つは、知的レベルをアップしなければ、業界の近代化の方向には行かない。だから、業界が一緒になって、学校や教育・研究センターをつくろうと提案した。そのためには中小企業の大同団結が必要であり、これをお互いに取り組む。これが7年前の合意です。
 それから何が起きたのか。1つは、生コン中小企業の自立のためには、セメントメーカーが東京で、工組・協組の人事を決めることをやめるべきだと言い続けてきたが、昨年、「もう、東京の指示を受けない」と明確な回答があった。
 教育機関については、日本共産党系の建交労も含めた5労組が一緒になって、教育・研究機関をつくろうと取り組んだ。ところが、建交労は入り口段階で、労使が一緒になった研究機関・学習機関をつくることはできないと抜けた。あとで分かったことですが、セメントメーカーがこれを嫌ったようです。
 それならば、全港湾大阪支部と生コン産業労組とわれわれの3者が主体になって、各協同組合なり工業組合、団体並びに個人によって研究機関をつくろうと立ち上げたのが今の中小企業組合総合研究所です。
 またアウト(協組員外社)とイン(協組員内社)との大同団結については、04年12月段階まで、17社18工場が協同組合に加盟することになっていた。05年には、具体的なシェアの決定などの話をつめていた。ところが、05年1月13日、私の逮捕など第5次にわたる大弾圧があった。この時期は、大同団結が進み、工業組合、協同組合と労働組合の約束で、共同会館、共同試験所並びに研究センターの設置も合意して、いよいよ、中小企業の安定路線が進んだ、まさにその時だった。

大弾圧の中で逆流が起こった

 その弾圧の中で何が起きたのか。「もう連帯の時代は終わった」「これからは建交労の時代である」と、セメントメーカーがそういう戦略を立てた。建交労がその気になって、何をしたのかと言うと、ゼネコンに対する過剰サービス、土曜稼動や袋洗い、「アウト対策」と称して生コンの値段を下げる。そうしながらセメントの値段だけは一方的に連続して3回上げた。
 それで、業界に逆流が起きた。私は1年数ヶ月勾留されて、06年11月に保釈された。その直後、イメージアップを図るために、私の故郷の徳之島で大相撲徳之島場所をやった。そこには、大阪からのカンパがあり、地元の熱烈な歓迎の下に、2日間で7000人を超す人たちが参加して、大変な反響だった。

逆流からの反転攻勢へ 

 それが1つの反転へのきっかけとなって、07年の春闘では、建交労の間違った方針を正し、転換し、08年の段階で、それを決定づけた。つまり、土曜稼動や袋洗いを完全廃止し、自立を促進し、セメントの一方的な値上げを認めない方向へ、大転換させていった。セメントメーカーとゼネコン、これと結託する建交労は巻き返しをはかり、08年7月に関西宇部とグルになって、われわれの組合員を威力業務妨害で被害届けを出して、5人逮捕させた。しかし、私を逮捕させたいという狙いは失敗した。建交労は5労組の共闘から脱退した。
 その後、09年の春闘では、3労組は1万5000円の賃上げを獲得して、12項目に渡る業界の秩序のあり方を確定した。
経済の民主化・産業の民主化なくして業界は崩壊する
  大手との対等取引と適正価格の実現で賃上げの原資を確保する
 現在の闘争の背景には、想像をはるかに超える需要の落ち込み、大手の買い叩きによって価格が下落したという厳しい状況がある。今次春闘においては、経済の民主化・産業の民主化を実現しなければこの業界は崩壊するという認識に立った。つまり、大手との対等取引と適正価格の収受の実現によってのみ、賃上げの原資は出て来る、という認識であり、この立場に立った政策春闘の展開です。
 われわれは、この立場で数回にわたって集団交渉を展開した。そこには、労使関係のない阪神協、広域協組の経営者たちも参加し、まさに産別的な集団交渉です。
 経営者に対しては、このままの状態で行けば、個社的な営業、個社的な取引では対等取引はできない、協同型に意識を変えるべきだ。広域協組(大阪広域生コンクリート協同組合)の団結と、阪神協(阪神地区生コン協同組合)の団結、関連する圧送・バラセメント・輸送協とか関連業者との大同団結によって事態を打開すべきと、提言した。
 関係業者もこのままの状態で行ったら、各社倒産するという現状認識は一致できた。現状を打開するためには何をなすべきか。それは、関連業界が心を1つにする運動を展開しなければいけない。具体的な要求は、生コンの売り価格を1G当たり1万8000円に引き上げ、契約形態を契約ベースから出荷ベースに変え、バラセメント・ミキサーの運賃の値上げ、圧送の適正な基本打設料金の収受などです。こういう中小企業の大企業に対する要求の実現を通して、労働者の賃上げを獲得しようということです。
 
関西生コン業界57年の歴史ではじめての大決起

 そうした要求を実現するために、6月27日、「生コン関連業界危機突破!総決起集会」に取り組んだ。これは1500人の予定が2200人を超える結集で、しかも経営者が半分、労働者が半分の大決起集会として成功した。これはもう、関西生コン業界57年の歴史の中で、初めてのことです。
 なぜ、成功したのか。それは、そこまで中小企業が追い詰められているということです。特に、この業界の危機は、アメリカべったりと大企業中心の政治のツケがそのまま転嫁された結果です。必要ではない空港、道路、港湾をつくり、中小企業に仕事が回らないようなところにどんどん自公政権が投資してきた。ところがその一方で、生活道路、下水道の完備、建物の耐震補強、集中豪雨・大津波に備える仕事が出てくると、中小企業の仕事が増えるが、そういうのはおろそかにした。そのツケが全部、中小企業の多い生コン業界に回り、犠牲を強いている。
 それから、もう1つは、セメント主導型の、権力を使って労働組合と敵対するという姿勢は、結局は、中小企業を安定させるのとは逆の方向に走る。セメント独占・ゼネコンの中小企業対応は、技術力、資金力を持たせず、人材が集まらないようにし、分断・分裂支配する。これが彼らの常套手段で、中小企業は、こうした犠牲をまともに受けており、とても我慢できないところまで追い込まれた。これがかつてない集会・行動成功の理由の1つ。
 これに加えて、それぞれの各協同組合・各工業組合の理事長、3つの労働組合の幹部が、組織を挙げての闘いで各構成員を指導しリーダーシップを発揮したことです。

7月2日より全面ストライキに突入
 
 この大集会の決議も非常に画期的でした。まずは時代認識で、今、話したように、犠牲を一身に受けている業界が「座して死を待つのか、立って闘うのか」と、そこまで追い込まれている状況を明確にしている。次に、獲得目標を、生コン価格の値上げ、バラセメント、ミキサー運賃の値上げ、既得権の確保など具体的にした。その中に、「(生コン価格について)6月いっぱいは話し合いを行い、応じない場合には、出荷拒否を始め、あらゆる合法的な手段を行使する」とした。
 こうして、総決起集会の成功を受けて、3労働組合は7月2日から、大阪府と兵庫県の一部にまたがる広域協の80数工場でストライキに突入した。7月5日には、阪神協29工場で全面ストライキに突入。それから、7月12日から16日、圧送業者に対して全面ストライキに入り、バラセメントは7月6日から今日までストライキを継続している。この地域でも、中小労働運動でも、歴史的に見て、これだけ大掛かりな長期ストライキはまずない。

中小企業と労働者の共同戦線で建設独占と闘う

 特に、大手商社である丸紅・三菱商事・住商セメントの3社は、広域協組との取引で150万Gの契約残がある。この3社は、今までものすごく安く生コンを買い叩いてきた。だから、少なくとも、平均で1G当たり1500円上げなければいけない。だから、向こうも必死になって抵抗している。しかし、生コン業者からすると、最低そこまで上げなかったら、ほとんどが倒産してしまうから、引くに引けない。
 つまり、16年前と比較すると、大阪府下での生コン出荷数量は年間1000万G出ていたが今はその半分で、価格は1G当たり1万4300円が買い叩きにあって3500円くらい下落している。仕事が半分に落ち込んでいるのに、セメント価格だけは上がっている。だから、生コン中小企業は、死ぬか生きるかのところまで追い詰められている。よって、この闘争は、中小企業と労働者による事実上の共同戦線として闘われており、大企業のリストラ攻撃やコストダウンによる中小企業倒産に追い込む今の状況に、風穴を開けるような闘いだと思います。
労働者は闘いの現場の中で鍛えられ、闘いこそが団結を固める
  
―歴史的なこの闘争の核心、意義は何か
 今の産業・経済構造がアメリカと日本の独占資本を中心とした彼らに都合のいいようなシステムで、これを批判するだけでは解決できない。犠牲を受けている企業、労働者は、どうやってこの支配構造を打ち破っていけるのか。そういうことが求められている。ところが、日本には、企業別労働組合のために、私たちが闘っているような産業別的な運動で未組織の経営者も一緒になり、他の労働組合とも共闘し、統一した力で、独占と対峙し、 要求を実現するため交渉だけではなく行動を起こすという闘いがない。潜在的なエネルギーはあるから、その潜在的なエネルギーを引き出すような労働運動というものが存在すれば、これは「一点の火花が燎原を焼き尽くす」ごとく、一気に広がる可能性を持っていることが、この闘争の中に見えてくるのではないか。
 また、本勤も日々雇用の労働者も、これだけ長期のストライキをすると収入が激減し、身を切るような痛みを受けている。それでもなお、こういう闘いができるのは、常日頃から労働組合の性格・任務というのはどういうものかについて、徹底してきたから。つまり、労働組合は、パート・非正規であろうが、全ての労働者が加入できる大衆性と、資本と闘っていくための階級性を備えていかなければいけない。任務としては、経済闘争も政治闘争もやる。今年で言えば、6月23日に沖縄連帯・安保破棄を掲げて時限ストライキを30数工場で打ち抜いた。アメリカのイラク侵略戦争に対してもストライキで抗議した。人権闘争も闘っている。普段から労働者階級の観点に立った経済学・哲学・歴史の学習をもって思想性を身につけることをやってきた。それによって、犠牲をかえりみず闘うことができ、闘っていることを誇りに思っているわけです。
 組織率からすると、3つの労組で10数%の組織率なのに、ストで全部のところがほぼ止まっているのは、フランスなどの労働組合と同じで、産別組合だからです。魅力のない労働組合だったら、誰もついてきません。ですから、組織労働者のことだけではなく、出入り業者の運賃、出入り業者の労働者の労働条件の改善などを日ごろから闘っているから、共感が広がってこういう大運動ができる。

闘いは何を獲得しつつあるか

 いま、中堅のゼネコンは、「値上げを認めます」という念書を入れてきており、それが増えつつある。そこは、選別して出荷をみとめている。いまだに、頑強に抵抗しているのは大手ですが、しかし、大手がいくら頑張っても、そのうちに手を上げざるを得ない。ここの北ヤードは、8万3000人くらいを収容するワールドカップのスタジアムをつくる計画があるようですが、この建設現場はストで止まっている。われわれは、大手が値上げを認めるまでは、1ヶ月でも2ヶ月でも闘い抜く。そういう決意で、やっています。
 大事なことは時代を読むこと。建設独占とセメントメーカーとの狭間にいるのが中小企業ですから、建設独占もどんどん受注量が減ってきて、もうジリ貧の状態。われわれは40数年間、竹中工務店、大林、清水と闘って来た。大手とは彼らが巨大な力を持っているときから闘ってきている。
 戦略的には、建設業界は、下請・孫請が連なり、多くの労働者がその下で働いており、ここが一番弱い環だ。だから、うまくいかなくなると全部そこにしわ寄せをしてくる。しかし、そこにしわ寄せすればするほど、団結と闘争の条件が生まれる。だから、この時期に時代をしっかりと読んで闘っていけば、勝利できると確信している。
 7月16日にテレビ東京が、20日に読売テレビが報道したが、闘争が長期になればなるほど、経営者もこの機会を逃したら終わりで、労使が信頼を固めて初心を貫いていかなければならないという方向に経営者の意識も高まってきている。そして、労働者の団結も一層固まってきている。こういうときには、建交労のように、仕事の再開を要請するスト破りの「申し入れ書」を提出し妨害する勢力も必ず出てくるのですが。
 結局、闘いこそが人を鍛え、育てるのです。労働者は闘いの現場の中で鍛えられていく。闘いの中で、敵に対する怒りとか憎しみが思想性を形成する。それが労働者魂というものです。そういう方向に、今、深化している。闘わない労働組合の幹部は堕落し、組合員の意識性も高まっていかない。そういう意味では、いい機会になっています。

今後の展望は

 全国に今、6万近く「協同組合」があると言われている。そのほとんどは、大企業に都合のいいものです。そういう全国の協同組合に影響を及ぼしていければよいと思う。本来、協同組合には独禁法除外規定があり、団結して大手と対等取引をして、適正価格を収受することが認められている。今のわれわれの運動をとうして、中小企業の社会的・経済的地位向上のために、協同組合を有効に活用できるんだということが発信できて、変化が起きることを期待したい。
 それと、企業間競争に埋没する日本の労働運動のあり方を、産業別的に闘えば、こういう運動が可能だということを、他の労働組合に受け止めてもらえれば、その変化につながるのではないか。今、生コン関連3労組で共闘していることは、共同闘争委員会みたいなもので、そういう共同闘争委員会をつくればこういう運動も可能だということを示しているわけですから、前向きに受け止めてもらって、労働運動の活性化に役立てばよい。いずれにしても、閉塞した経済状況を打ち破っていくには、このような闘いしかないという見本を示していくことになるのではないか。
 最後に、この闘いは、必ず勝利すると確信している。ただし、闘争ですから巻き返しの可能性はゼロではない。そのときのために、常に次の手を考えながら闘っていることを申し上げておきたいと思います。(7月24日収録、聞き手・生田あい)

沖縄短信


■米議会内からも米海兵隊不要論
 ケイ・ハチソン上院議員は米上院歳出委員会が13日に開いた2011会計年度の軍事施設建設に関する予算歳出法案の審議で、在沖海兵隊のグアム移転費総額が約160億ドル(約1兆3900億円)に達していると証言した。06年の日米合意では移転総額は102億7000万ドルで、日本はそのうち60億9000万ドル(財政支出28億ドル、融資32億9000万ドル)を負担することになっていた。また同議員の軍事費削減のための海外駐留基地の米本土への移転提案を受け、同委員会は11会計年度のグアム移転費(政府原案)の7割にあたる3億2000万ドル(約280億円)の削減を可決した。ハチソン議員はまた米軍の海外駐留はもはや抑止力とはならないと述べた。米下院ではバーニー・フランク民主党議員らが超党派で5月末に「米軍事費削減委員会」を組織し、米軍の海外駐留不要論を展開している。バーニー議員は7月10日のNRPラジオでも「沖縄に1万5千人もの海兵隊は必要ない。65年前の戦争の遺物」と述べた。

徳之島調査費見送り
 政府は沖縄の負担軽減策として日米共同声明に例示された鹿児島・徳之島への一部訓練移転について、2011年度予算案への調査費計上を見送る方針を固めた。7月20日、政府関係者が明らかにした。補給・修理施設や隊舎などの整備に経費がかさみ、徳之島の反発も依然と強く、実現は困難と判断した。

名護市、現況調査を拒否
 沖縄県名護市は、沖縄防衛局から6月15日に申請が出されていた普天間基地代替施設のための現地調査で新基地建設のための調査は拒否することを7月20日、庁内部長会議で確認した。調査項目のうち、辺野古沿岸でのソナーを使ったジュゴンなど水生動物の調査、漁港施設の利用については明確に新基地建設目的であるとして拒否。辺野古ダム、大浦湾のマングローブなどの調査については沖縄防衛局に問い合わせる。現況調査を巡って、辺野古の稲嶺進市長は「海にも陸にも新基地はつくらせない」とする公約から拒否の姿勢を明確にしているが、仲井眞弘多・沖縄県知事は県にかかわる調査については許可している。

在沖海兵隊、グアム移転期限延長
 米国防総省は7月22日、在沖海兵隊グアム移転に関する環境影響評価の最終報告書概要を地元グアムに提示した。人口増によるインフラ不足が予想され、2014年の移転完了は困難として延長する方針。報告書概要によれば、海兵隊員8000人とその家族、基地建設労働者らの流入により、電力・水・道路・港湾などの容量が足りなくなるとの地元の懸念に言及。なお、生活インフラの整備は日本が負担する7億4000万ドル(約645億円)を使う。

辺野古埋め立てに回帰
 菅内閣は米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古に造る代替施設の工法を2006年の日米合意と同じ「埋め立て」に絞る方針を決めた。鳩山内閣で検討した「くい打ち桟橋」方式は、工費が1兆円以上となり、従来方式の4000億円を大きく上回る。工期も長期となり14年の完成期限から大幅に遅れる。また米政府も「攻撃にぜい弱」と反対していた。日米共同声明はこうした工法の他、代替施設の位置や滑走路の数なども8月までに検討するとしている。

宮古・石垣に自衛隊配備
 防衛省が宮古島や石垣島に陸上自衛隊の国境警備隊数百人、与那国島に陸自の沿岸警備隊約100人を段階的に配備する方向で検討していることが19日分かった。先島諸島付近に領有権問題となっている尖閣諸島(中国名・釣魚台)があり、中国や台湾が反発を強めるのは必至とみられる。

県議会が全会一致で普天間移設に抗議決議
 沖縄県議会は7月9日、最終本会議において「米軍普天間飛行場移設の日米共同発表の見直しを求める意見書・抗議決議」を全会一致で可決した。意見書・抗議決議は日米共同声明について「県民の意見をまったく聞かず頭越しに行われた」「民主主義を踏みにじる暴挙」「県民を愚弄」と批判し、日米両政府に合意見直しを求めた。また沖縄全戦没者追悼式に参加した菅首相の「沖縄の基地負担に感謝とお礼」、米上下両院の「感謝」決議に対し、「県民の思いを全く理解していない」と批判している。
国内短信

海自補給艦、派兵を検討
 菅・民主党政権は7月24日までに、アフリカ・ソマリア沖の海賊対処を行っている現地の各国艦船への洋上補給のための、海上自衛隊の補給艦を新たに派兵する方向で検討に入った。現在ソマリア沖では昨年6月成立した海賊対処法に基づき、海自の護衛艦2隻とP3C哨戒機2機を派遣しているが、この派兵法が23日に期限切れとなるのに先立ち、16日、安全保障会議と閣議を開き、派兵の1年延長を決定。現在防衛省はすでにアフリカ東部ジブチにP3Cの基地建設に着手するなど本格的派兵体制づくりを狙っている。民主党は海賊対処法に反対し、今年1月には撤収命令を出したが派兵方針に転換した。

米韓、日本海で合同軍事演習
 米韓両軍は7月25日から28日まで、日本海で艦艇約20隻、航空機約200機、米韓の陸海空軍と海兵隊8000人の参加による過去最大規模の合同軍事演習を行った。演習には横須賀を事実上の母港とする原子力空母G・ワシントンや嘉手納基地の最新鋭ステルス戦闘機F22も参加した。これは3月に起こった韓国哨戒艦沈没事件を朝鮮民主主義人民共和国によるものと決め付け、対抗措置の一貫としておこなったものである。

高齢者にも負担させる新医療制度
 厚生労働省が7月23日にまとめた後期高齢者医療制度「改革」の骨格案によると、後期高齢者医療制度に加入させられた1400万人のうち約1200万人は国民健康保険に加入させ、高齢者医療費の1割相当の負担を課す「別勘定」制度に組み込む。この「別勘定」制度による高齢者への負担は当初は1割だが、高齢化や医療費増加に合わせて2年ごとに引き上げる。民主党は政権についたとたん、公約を破り後期高齢者医療制度廃止を先送り。老人に負担をおしつける「新制度」にしようとしている。

IMFが「消費税15%」を勧告
 国際通貨基金(IMF)は7月14日、日本経済に関する年次審査報告を発表、先進国で最悪の財政状況の改善へ
「2011年から消費税の段階的引き揚げを含む財政健全化策の開始が必要」と分析。さらに消費税率の15%への引き上げの必要を強調した。また同時にこれと組み合わせて所得税控除の削減と法人税の引き下げも行うべきと報告した。なお、IMFの審査チームは5月に来日し、野田佳彦財務相(当時は同副大臣)、古川元久内閣官房長官などと会談しており、あらかじめ日本の消費税増税派の了解の上での勧告だった。

国際短信

クラスター爆弾禁止条約、8月1日発効へ
 1発の親爆弾から大量の子爆弾が飛散して爆発するクラスター爆弾は、極めて残酷で「非人道兵器」と認定されている。このクラスター爆弾を禁止する条約が8月1日に発効する。これまで約100カ国がこの条約に署名し、今年2月には批准国が30カ国に達したので半年後の発効となった。条約は同爆弾の使用、開発、製造、入手、貯蔵、保有、移転を禁止するもので、締約国は原則8年以内に保有する同爆弾を廃棄する義務を負う。今後、米国、ロシア、中国、イスラエル、韓国、北朝鮮など未署名国への圧力も重要となってくる。
アフガン国際会議開催、しかし見通しは見えず
 治安が悪化するアフガニスタンの首都カブールで20日アフガン国際会議が開催され、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長を始めアフガン支援国を中心に約70以上の国や国際機関の代表者が集まった。会議は2014年末までに全ての州の治安権限を駐留軍からアフガン軍に移すとするカルザイ大統領の方針を承認する公式声明を発表した。また国際援助資金の50%を政府の管理下におくことも声明に盛り込まれた。しかし治安回復の見通しはなく、6月の米兵死者が100人を超えて開戦以来最悪となっている。


米国援助の基地反対!
 中米ホンジュラスのポルフィリオ・ロボ政権は、国内に次々と軍事基地を建設してきた。この新基地には米兵が駐留していることが確認されている。パルメロラ基地の他、4月には東部海岸のカラタスカに海軍基地を新設。7月14日にはカリブ海上ラバイア諸島のグアナハにも新基地建設を発表した。米国はこれらに200万ドル(約1億7400万円)、高速艇2隻、通信技術などを提供し、米軍の顧問や兵士の駐留が認められた。国内の「平和をめざす女性運動」は14日、反対声明を発表。最大野党、全国国民抵抗戦線(FN)RPも反対している。

南米共通通貨スクレ発足
 昨年4月にベネズエラで開催された米州ボリバル同盟(ALBA)首脳会議で合意した地域共通決済通貨スクレが、エクアドルとベネズエラの間で7月6日初めて使用された。スクレは2月のベネズエラ・キューバ間での決済に続き2度目の使用。コレア大統領はスクレ決済によって「必要とされるドル保有額は少なくなり、国の富の流出を防止することになる」と述べ、ドル依存からの解放の重要性を強調した。
ブラジル、人種平等法成立
 南米ブラジルで7月20日、「人種間平等法」が成立した。ブラジルは16世紀後半のポルトガル植民地時代から黒人が奴隷として連行された。現在、ブラジルでは黒人や黒人系は人口の半数近くを占め、社会的な差別を被っている。人種間平等法は人種差別的言動に対する懲役刑、アフリカやブラジルの黒人の歴史についての教育義務などを規定している。

パレスチナ、雇用創出と貧困の緩和が最大要求
 中東の民間調査期間「調査と発展のためのアラブ世界」(AWRAD)が7月6日公表した調査結果によると、パレスチナ住民の最も強い要求は「雇用創出と貧困の緩和」で、ヨルダン川西岸で63・3%、ガザ地区で73・3%に達した。

欧州で広がる労働者の反撃
 ユーロ不安の中、財政赤字の続く欧州各国は相次いで緊縮政策に入っている。その具体策として共通するのは年金支給年齢の引き上げや公務員の賃上げ凍結あるいは給与カット、人員削減、消費税引き上げなど、庶民への犠牲の押しつけである。これに対し5月から6月にかけてイタリアで100万人、ポルトガルで30万人、フランスで200万人などデモや抗議行動が起こり、スペインやギリシャではストが闘われた。欧州38カ国82団体を結集する欧州労連(ETUC)は6月2日「我々は危機の原因ではない。つけは労働者にではなく銀行に支払わせるべきだ」という統一スローガンを決定し9月29日の「欧州行動の日」を実施することを決めた。同日スペインではゼネストを実行することが決定されている。

主要国の長期金利低下
 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が7月21日、米上院で「米経済の見通しは異例なほど不確かなままだ」と発言。追加緩和策の可能性も示唆した。米国の景気回復への期待が後退したことにより日本の景気にも悪影響が出るとの懸念が拡大。リスクの小さい国債を買う動きが広まった。また長期金利も2003年8月以来約7年ぶりに低金利となった。長期金利の低下は4月以来世界の主要先進国で起きているが、今回のバーナンキ発言を受け、21日のニューヨーク債券市場は2・8%台に低下した。また金利低下はドイツ、フランスなど欧州にも広がっている。

アフガン、治安は過去最悪
 アフガン東部14州の国際治安支援部隊(ISAF)を指揮するジョン・キャンベル司令官(陸軍少将)は、6月15日に着任し、今年初めから約3万人の増派を進める米軍に対し武装勢力の側も体制を増強しており、6月の死者数は過去最悪で、交戦回数も大幅に増えている事などを指摘した。

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