第29号(2010/11/10)●4-5面
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フランスを揺るがす闘いの中から
NPA代表がやってくる

11月国際労働者シンポジウム

年金改革反対のデモに立ちあがるフランス労働者の先頭に翻るNPAの旗
■東京集会■
●11月27日(月)午後6時開演
●御茶ノ水・総評会館2F大会議室
■東京都千代田区神田駿河台3-2-11
電話:03(3253)1771(代)



■関西集会■
●11月29日(月)午後6時開演
●協同会館アソシエ3F
■大阪市東淀川区淡路3-6-31
電話:06(6328)5677

「60歳年金と法案撤回」を統一の旗印に闘争を継続
11月6日に全国でデモとストを準備

サルコジとの対決
色を一層強める

 フランスではさる5月以降、年金法案反対の動員が情勢の際立った特徴になっている。大結集の日々が相次ぎ、年金改悪反対の運動は発展し、深く根づき続けている。それはこの傑出した運動が単に年金改悪のみならず、より広範に、反社会的で、レイシスト的で、権威主義的なサルコジの政策全体を大衆的に拒否していることの証である。それは、危機によって若者の間でも賃金取得者の間でも不正が浮き彫りとなり、蓄積されてきたためでもある。
 デモが繰り返し行われているにもかかわらず、しぼんでしまうどころか、とりわけ350万人が街頭に出た10月12日と19日の例に見られるように、記録を更新しているのはそのためである。結集はますます戦闘的でラディカルになっている。民間部門の動員は高レベルであり、今や青年(現段階では基本的に高校生)も動員の列に入ってきた。若者たちが、かれらの見つけられる職が短期的なものであり、この改悪によって健康なうちに手に入る年金全額所得が危ういものにされてしまうことを理解したためである。
 状況は少しずつ変化してきた。多くの人びと、それもきわめて多くの人びとが、勝利は可能であり、サルコジを打倒できると考えている。動員の現段階ですでに政府は世論の闘いに敗北した。世論調査では70%がこの動員を支持し、年金改悪に反対している。現在、労働者、非正規雇用労働者、若者たちの多数が、年金問題とは政府が数ヶ月にわたって信じ込ませようとしてきたような人口統計上の問題ではなく、財政問題でもないことを知っている。
 ストライキは少しずつ状況の一角に姿を現してきた。ストライキとデモのたびごとに、ためらいがちの日々の行動では政府を打ち負かすには不十分であるということが、きわめて多くのセクターの人びとにとってますます明白になっていった。実際、現在のストライキ行動は、長期ストへの賛成票が61%に達するここ数週間に見られるように、すべての行動部門で十分に討議されてきたわけではなかった。
 まさしく問題は労働組合連合の指導部にある。かれらは下部からの闘争継続の圧力を受けているが、ゼネストの呼びかけを回避することを確認している。この運動の開始以来、ストライキとデモの支えとなる労働組合の団結が勝ち取られてきたことは疑いない。しかし労働組合間の調整では、政府との大きな社会的対決は呼びかけられず、もはや法案の撤回は要求されていない。その代わりに新たな交渉と修正が提案されている。

労働者は長期スト
高校生も闘争参加

 しかし経済の中心部門は、長期ストの開始あるいは拡大を決定した。たとえば鉄道労働者、EDF(欧州開発基金)センター、精油所がそうである。精油所のストは1968年5月以来なかったことである。10月14日以来、13の精油所で現在のストライキ行動に入り、サービスステーションと貯蔵所への石油の配備、供給を完全に止めた。ストライキは大規模なものであり、実質上の全員一致を更新し続けている。
 今回の運動はあらゆる所で動きだしており、毎日のように新たなイニシアティブ、封鎖行動(料金所、道路、空港、工業地帯など)や地域デモが、統一的かつ職業間の垣根を超えた形で行われている。動員に参加したさまざまな部門の大衆集会が毎日行われており、最初は小さなものであったが、今ではますます重要なものになっている。しかし、民間部門のように公共部門でもあちこちで多くのストライキが起こることになれば、現在の行動はなおあまりにも分散的で少数の現象であり、全国スト日のスト参加率は高いとはいえそれほど異例なものではない、ということにも留意すべきである。
 ここ数日、とりわけ10月19日のストとデモ以来きわめて突出したダイナミックな部隊として若者たちが動員に全面的に参加し、多くの高校が封鎖されている。

社会党と左翼党
は戦略的に動揺

 こうした状況に直面した右派、経営者、政府そしてサルコジは、この不当な改悪を守る決意を依然として固めている。サルコジは力の試し合いをしようとしている。この改悪はかれらにとっては、危機のツケをあくまでもそれに責任のない者に支払わせるというかれらの緊縮政策の核心だからである。この改悪に成功すれば、金融市場を活性化させることになるだろう。しかしそれだけではなく、フランスにおいて力関係を変革し、富の配分を金持ちに有利に変えることになる。それはまた、かつての闘争の遺産である「社会的・財政的」負担を取り除き、最も抵抗する部門を屈服させるチャンスでもある。
 今回の動員の広がりは、政府を打倒する可能性を示すものである。それゆえ、この闘争における社会的・政治的左翼の全面的団結が緊急課題なのである。NPA(フランス反資本主義新党)がわが勢力の再結集、そしてとりわけコペルニクス協会とATTACが主導する全国コレクティフ(集団・グループ)を通じた再結集を可能にする、すべての統一的・政治的イニシアティブにコミットしている意味はここにある。
 「60歳年金と法案撤回」のスローガンによる統一は、とりわけ社会党との関係での基本ならびに行動戦略における一定の相違を隠すものではない。社会党は60歳での年金支給を支持しているが、右派の議員とともに年金受給資格年数を41・5年に延長することに賛成した。それは事実上、60歳年金受給の考え方を破壊するものだ。
 また動員の拡大に直面する中で、われわれは2012年の大統領選挙を準備している。左翼の左派、とりわけジャンルク・メルションの左翼党との分岐が存在するのは、行動の戦略に関わっている。左翼党は当面の戦略として国民投票を主張している。それは社会的な力の試し合いがこれからだという時に、動員を街頭から制度的レベルに移行させるものである!
 NPAは動員の開始以来、闘争を組織し、政治的目的と要求――それは法案の撤回、そして現在では疑いなく法案の廃棄と、社会的危機の責任者すなわちサルコジとウェルスの辞任――を軸にした統一を追求する党として登場した。われわれはまた、危機を撃つ緊急の社会的・政治的プランを通じた反資本主義的展望を発展させている。
 今後が決定的である。法案は通るだろうが、それは動員を沈黙させたり、止めさせたりはしない。なぜなら今日街頭に出たりストライキをしている人びとにとって、この政府には正統性がないからである。われわれはこの国で施行された法が撤廃できることも知っている。

▼サンドラ・デマルクは仏反資本主義新党(NPA)執行委員で、第四インターナショナルの指導部メンバー(「インターナショナルビューポイント」10年10月号)
週刊『かけはし』11月8日号より。紙面の都合上一部割愛しました。(コモンズ編集部)



政府・強制連行企業は、植民地支配の責任を取れ!謝罪し未払い賃金を支払え!
10月・東京不二越本社―富山本社闘争原
原告団の体をはった闘い

 韓国人強制連行訴訟では最後となる不二越訴訟原告団は、訴訟では何も解決しないとして、昨年10月から企業への直接行動と国への働きかけへと舵を切りました。第二次不二越訴訟は、現在最高裁に上告中で、いつ棄却決定が出されてもおかしくありません。
 日本の最高裁は、天皇の侵略戦争=植民地支配・強制連行など、全て「天皇は神聖にして侵すべからず」とし責任が天皇に及ぶ事を避けており、棄却以外にはありません。原告団は判決を黙って待つのではなく、何よりも企業への直接行動によって勝利をもぎり取る決意で10月行動に決起しました。

■東京本社闘争(第1日目)
 10月18日12時、不二越東京本社のある住友ビルは厳戒警備で、警備員を1階、2階回廊の各入口に配置し、手荷物検査を実施する掲示板を出していました。
 我々は直ちに2階回廊のビル玄関前で抗議集会を開始しました。今回の東京本社行動には「在日」同胞や労働運動、原発反対など、初めての参加者が多数ありました。昼から夕方7時まで、寒い中での断固とした抗議集会を貫徹しました。

■東京本社闘争(第2日目)
 翌19日、昼から午後2時前まで、住友ビル2階玄関前で抗議行動を行いました。その後、新橋駅で一旦解散し、ビル警備の解除を確認して、原告と支援者は再び住友ビルへ向かいました。警備解除の中で正面玄関から1階ロビーに入り横断幕を広げて抗議行動を行いました。シュプレヒコールがロビーに響き渡りロビーは騒然としました。
 原告2人と支援者は午後3時からの国会議員要請に移りました。実はこの時、原告の金正珠さんは警備がエレベーター防衛に集中している隙に、他のエレベーターで17階不二越の入っている16階まで到達し座り込み、大声で訴えた籠城を行いました。不二越も国会議員要請行動と一体の金正珠さんには全く手が出せません。不二越経営陣はこの事態に動揺し、完全に思考停止状態になり、思わず「会社の意見は割れています」と漏らしました。国会議員会館から住友ビルに戻った原告の安喜洙さんが金正珠さんに合流して勝利を確認して、直ちに飛行機で富山本社闘争へと向かいました。「国会要請と住友ビル籠城」は相互に呼応して勝利的構図を作ったのでした。


■富山不二越闘争(1日目)
 10月21日、午後1時半、富山本社正門前で全国集会を行いました。不二越は正門を閉め、警備員は全員大マスクで顔を隠して案内所に閉じこもったままです。集会では「不二越は、今後も人間的な誠意がないならば、そういう戦犯企業は滅びても良い!」と怒りの糾弾の発言が相次ぎました。
 集会後に警備の死角を突いたハルモニたちは、正門の横の塀を必死でよじ登り、構内へと入り込んだのです。警備員が大慌てで駆けつけ、両手両足を持って2人を車に押し込み、南門から放り出しました。支援者は正門に数人残し南門に向かいました。 
 慌てた不二越は南門も閉めました。搬出入のトラックは南門から出入りできずに数珠繋ぎです。南口に通じる信号交差点は一般公道も渋滞になりました。事実上、企業関係車両の出入りを全面的に阻止する闘いとなりました。


■富山不二越闘争(2日目)
 本社工場正門前での追悼式
 午前10時半から正門前で、裁判中に亡くなられた原告ら6人の追悼式が韓国式で行われました。正門前に掲げられた遺影の前には、ろうそくが灯され線香の煙が揺らぎ、果物や干物、お酒などの供物が並べられています。遺影に向かって参加者が次々に献花し、額ずいて故人の冥福を祈り、勝利するまで闘い抜く誓いを各人が新たにしました。
 午後、前日に続いて再び南門へと向かいます。不二越は昨日より鉄門扉のチェーンを太くし数を増やしていました。「社長は出てこい!」「門を開けろ!」と原告は声を上げます。  
この闘いですでに大型トラックは交差点から奥まった南門まで数珠繋ぎで全く動けません。社員が信号交差点で入れない車を北門へ迂回させている事が分かりました。今度は数人で北門へ向かいます。会社側は慌てて北門の防衛へ工員を職場放棄させ応援に駆けつけさせ北門を大慌てで閉めました。北門は公道から相当入った場所にあり、その公道も大型トラックの数珠繋ぎでバックもできません。会社内から出ようとしたトラックも北門の内側に身動き出来ず並んでいるのです。北門鉄扉を挟んで大型トラック同士が向かい合って身動き出来ない状態です。不二越は全門を自己封鎖しただけでなく、急な事態に全く慌てて自らで大混乱を招いたのでした。
 原告と支援の闘いによって、不二越の弱点がさらされました。前日に続いて、今後の勝利の確信を与えてくれた闘いでした。
10月闘争は、「原告団は必ず勝利する」と新たな出発点に立った闘いでした。原告団とともに謝罪と補償を実現するまで、闘いましょう。



ドル崩壊の足音が聞こえる
「通過戦争」敗戦前夜の
政府・日銀

田淵太一(同志社大学教授)


単独介入実施と「包括緩和」は
最後の切り札


 九月一五日に政府・日銀は六年半ぶりに円売りドル買いの為替介入を実施した。介入総額は二兆一二四九億円であった。米国の意図に反した単独介入には効果がないという経験則通り、為替レートへの影響はたった一週間で消え、その後もドル安円高が進行した。
 さらに一〇月五日、日銀は「包括緩和」の実施を決定した。これは、金利誘導目標の引き下げ、金融緩和継続の表明(「時間軸」の設定)、多様な金融資産の買い入れを行う基金の創設という三点の政策パッケージからなる。とりわけ三点目が異例である。国債や社債・CPのみならず、株式指数連動型投資信託(ETF)や不動産投資信託(J―REIT)などのリスク資産も含めて基金を通じて購入してゆくという方針は、日銀としてはかなり大胆に踏み込んだものとみられる。この基金の規模は五兆円である。
 政府・日銀が今後も為替介入という手段を行使することは困難であろう。少なくとも先進国の間では為替介入は「禁じ手」と見られている。一〇月二三日に閉幕したG20の共同声明においても「通貨の競争的な切り下げを回避する」と明記された。金融緩和などの手段で自国通貨安を追求するのは自由であるが、為替市場への直接介入は露骨すぎるというのが当面の暗黙のルールとなっている。政府・日銀が為替介入を再度実施すれば、効果が薄い割に、巨額の為替介入で人民元安を維持する中国と同列視され、欧米から非難を浴びることになってしまう。
 それでは日銀の「包括緩和」は効果的だったのか。日銀としては、各方面から要求されそうなほとんどの項目を盛り込んだだけに、金融政策を出し尽くした印象がある。にもかかわらず、プラスの効果はまったく生じていない。一〇月末時点で、為替レートは一ドル=八〇円の大台を割る寸前までドル安円高が進行しているし、株価も為替介入以前の水準にまで下落している。

米国の緩和攻勢に敗れた日本

 その理由は単純である。日本は金融緩和競争に出遅れただけでなく、その規模が小さすぎるのである。先に見た通り、今回の為替介入は約二兆円であり、リスク資産買い入れ基金は五兆円であるというふうに、日本の政策は「兆円」のレベルである。しかし、米国は「兆ドル」の規模で金融緩和を実施してきた。リーマン・ショック後、二〇〇九年一月以来、FRBは大量のドルを発行して不動産担保債券(MBS)などのリスク資産を総額約一〇〇兆円分買い上げた。二〇一〇年四月にいったん買い上げを中止したが、八月一〇日、今度は満期になったMBSの償還分を米国債購入に振り向ける決定をした。こうして金融市場に注入される桁外れに巨額の資金が米国債とニューヨークの株式市場を支えている。現在の米国債価格(長期金利)とニューヨークの株価はいわば官製の粉飾の産物である。そもそも、一九八七年「ブラック・マンデー」の株価暴落以来、ホワイトハウスには「株価暴落防止チーム」が設置されており、危機時には財務省・FRB・SECおよび民間金融機関を総動員した市場対策をなりふり構わず実施しているのである。

米国が主導する「通貨戦争」

 「通貨安競争」という奇妙な用語が最近の日本のマスメディアで定着しているが、歴史用語としては「為替切り下げ競争」が正しいし、世界経済の実態としては端的に「通貨戦争」と呼ぶべきであろう(Currency Warsという特集が最近英エコノミスト誌で組まれた)。欧米メディアから通貨戦争を仕掛けていると非難されるのは中国である。しかし、中国が人民元切り上げ・変動レート制採用を拒否するのは、一九八五年G7プラザ合意以降の日本の惨状を知っているからであり、当を得た判断というべきである。通貨戦争を仕掛けているのは米国である。米国は他の先進国を金融緩和競争に引きずり込み、さらに、超低金利の先進国から高利回りを求めて流入する莫大な資金にたいして、ブラジルなど新興国・途上国は防衛的な資本規制の発動に追い込まれている。
 本稿執筆時点ではまだ明らかになっていないが、一一月二〜三日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)でさらに大規模な金融緩和策が打ち出されるとの観測がなされている。その結果によっては、ドル安円高のいっそうの進行と日本の株価への打撃が見込まれる。政府・日銀があくまでドル安円高を阻止しようとすれば、米国に倣って、日銀によるさらなるリスク資産買い入れや国債直接引き受けといった「禁じ手」に踏み込むことになる。米国によるドル大量発行はドルの信認失墜をもたらす可能性が高い。通貨崩壊まで米国に追随する愚だけは避けねばならない。    (10月31日)


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