第30号(2010/12/10)●2〜3面
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次の始まりへ!

関西生コン関連ストライキは勝利し一旦解除へ。
長期にわたる全国からのご支援に感謝します!


長期スト体制は次々と解除された
10春闘の最終交渉は12月7日に


 11月17日、3労組(生コン産業政策協議会―生コン産労・全港湾大阪支部・関西地区生コン支部)と大阪兵庫生コン経営者会は、第10回集団交渉(以下、集交と略す)を持った。焦点であった生コン価格の値上げの達成や賃上げなどをめぐって、大筋の合意が確認され(本紙10月号2面第8回集交の8項目確認事項参照)、11月末日までに代表交渉や小委員会で細目を詰め解決することが決まった。よって、生コンのストライキは11月18日以降解除された。具体的には、労資で作る検証委員会(生コン価格の値上げを認めた物件だけ出荷させる委員会)が17日付けで解散した。全面ストから選別出荷、検証委員会、現場対応などの多彩なスト展開を通して、生コン価格の値上げも賃上げも勝ち取った。7月2日スト突入から139日目である。
 同じく、同日12時より、同3労組と近畿バラセメント輸送協同組合交渉団との代表交渉が開催された。バラセメント輸送運賃の値上げの達成や賃上げなどをめぐって、大筋の合意が確認され、12月前半までに代表交渉や集団交渉で細目を詰め解決することが決まった。生コン同様、一旦ストは解除し、11月末日の代表交渉や次の集交で最終合意に入る。よって、バラセメントのストライキは18日以降解除された。具体的には、ストによるSS(セメントのサービス・ステーション。バラセメントを積み込む基地)の監視をはじめ、選別出荷などのバラ輸送の規制はなくなる。7月6日スト突入から135日目である。
 また、ポンプ圧送についても、11月18日、2労組(近畿コンクリート圧送労働組合・関生支部)と近畿圧送経営者会交渉団が代表交渉を開催した。経済要求については妥結した。賃上げ6500円の他、年間一時金や福利厚生資金、年間休日などで昨年実績を上回った。政策要求などの残る課題については代表交渉を継続する。圧送のストは、7月12日に全面突入し一旦中断、あらためて選別ストに連動したが11月19日以降解除された。

独占資本・大手ゼネコンの悪あがき

 しかし、ここに至ってもゼネコンやセメントメーカーは分断・切り崩しで混乱を持ち込み、中小企業は動揺する。本来、11月30日の第11回生コン集交ですべてが決着するはずであった。しかし、あろうことか大阪広域生コンクリート協同組合(広域協)が1カ月の限定とは言え、生コン価格の値下げ月間を打ち出そうとしていた。大手ゼネコンは新たな物件を広域協に出さず揺さぶったのである。広域協は対抗策を出せず、結束を維持できない。あらためてこの攻撃を労組が押し返し、広域協は撤回した。また、大手セメントメーカーが労資円満妥結を嫌い、賃上げなどの解決条件の切り下げを策動し、一時騒然となった。これも労組が押し返し、経営者会は撤回した。闘争の大詰めに来た解決を何とか妨害したいという独占資本の悪あがきだ。
 事態は、12月7日の最終交渉で一旦は収まる。しかし、大手ゼネコンやセメントメーカーは協同組合の分断・切り崩し、中小企業と労働者の共闘の分断を図り、アウト(協同組合に未加入)育成、生コン価格の値下げ攻勢をかけてくる。

次の闘いは始まっている
スト支援に心からの感謝を、
全国から闘いのうねりを

 こうして、長期ストが象徴する今回の闘いは、歴史的な取り組みであり大きな成果を得た。この意義は評価されるに違いない。独占資本を追い詰め、その産業支配はほころび始めている。だが、全国を支配する大手ゼネコンとセメントメーカーにとって、この長期ストは近畿地方の局地戦であり、彼らは一歩後退しながら二歩前進する力を持つ。闘う側はかつてない主体的力量を示した。だが、闘いで勝ち取った地平をただちに切り崩しにくる独占資本の執拗な反撃との攻防戦の次のステージが始まっている。
 世界金融恐慌下、闘いこそが中小企業と労働者の生きる道。この確信をもってわれわれは闘い続ける。
 最後に、次への闘いの途上ですが、7月より続いた今回の長期ストは解除されました。この間、直接的なご支援・励ましをはじめ、闘争を宣伝していただいた方々、また〈関西生コン関連ストライキを支援する「緊急共同アッピール」〉の呼びかけ人や賛同人になっていただいた個人・団体の方々に、あらためて厚く御礼申し上げます。この闘いが大きな成果を示し得たとしたら、独占資本に対する大きな社会的包囲網を形成して下さった皆様の力の賜物と感謝しています。ありがとうございました。


11・23沖縄緊急関西集会に265名が結集
第2期沖縄意見広告運動・関西がスタート
 沖縄県知事選挙を目前に控えた11月23日、新大阪の協同会館アソシエにて、沖縄緊急関西集会が開催され、265名が結集した。
 集会冒頭、「伊波さんの勝利で普天間問題に決着を」と訴えた社民党・服部良一衆議院議員をはじめ、全港湾大阪支部・山元一英書記長、部落解放同盟大阪府連・山根健二特別執行委員から連帯挨拶を受けた。その後、琉球新報・滝本匠記者から沖縄の現状と展望についての講演、同志社大学・田淵太一教授は経済学の立場、関西地区生コン支部・武委員長は労働運動の立場、それぞれから沖縄問題についての提起があった。最後に、第2期沖縄意見広告運動を取り組むことを参加者全員で確認し合った。

「米軍基地・海兵隊は抑止力」
に縛られているのは本土の
国民、官僚、政治家、マスコミだ

 滝本記者から、04年の米軍ヘリ墜落事故当日の貴重な映像も交えて、以下の講演があった(要旨)。
 自分たちは沖縄の県民目線で新聞をつくっているが、東京では沖縄地方紙の記者は安全保障について何も分かっていないと言われる。しかし、沖縄では米軍基地こそが日常的な脅威だ。9・11事件の直後には在沖米軍基地にも攻撃があるかも知れないと警戒度は最高レベルになった。また、沖縄戦の経験から県民は基地が住民を守らないものだと考えている。
 本年5月末、普天間移設に関する日米共同声明が発表された。この中では辺野古への移設が明記されているが、県民は県内移設を拒否している。県民は県内移設そのもの、そして本土による沖縄差別に怒りを持っている。
 沖縄の現状の一端ということで、沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故当日の様子を映像で見てもらったが、墜落直後から、私有地である事故現場を米軍が管理下に置き、勝手に規制線を張り、マスコミ始め外務省職員までをも排除した。沖縄以外ではこのようなことはない。これが沖縄の実態だ。
 今、焦点となっている普天間基地は海兵隊の飛行場だ。この基地は本当に日本への脅威に対する「抑止力」になっているのか。海兵隊とは、戦時、敵地に上陸するのが主たる任務。本土のマスコミなどが強調する北朝鮮の脅威として想定されるのは主にミサイル攻撃だが、海兵隊にこれを抑止することはできない。また中国の脅威についても同様だ。こういった「抑止力」の前提を疑わなければ、沖縄に米軍基地は必要だという呪縛を解くことはできない。そしてそれに縛られているのは、本土の国民、官僚、政治家、本土のマスコミではないか。
 知事選について。仲井眞・伊波両候補とも普天間基地の県外移設を主張しているが、仲井眞候補は県内移設絶対拒否だとは明言していない。辺野古新基地建設に必要な公有水面の埋め立て許可についても、伊波候補は明確に「NO」と言っているが、仲井眞候補はあいまいだ。名護市議会・名護市長・沖縄県議会が明確に県内移設NOを示している今、県知事も明確に意思表示をした方が米国政府に対しても政策転換をさせやすい。
 日本の安全を米軍に守ってもらうという選択を日本国民が仮にしているのであれば、現状をどう変えるのかは本土の人々が考えるべきではないだろうか。

排外主義をテコとした
対米従属派の台頭の危険

 この後、田淵教授の講演に入った。田淵教授は、現在日本では排外主義をテコとした対米従属派の台頭が著しいと述べ、その根底には国民の不況に対する強い不満があり、それをそらす狙いがあると指摘した。さらに今、日本政府が一大キャンペーンを張っているTPPについては、米国政府の指示で推し進めているものであり、もし日本がTPPに参加すれば、農林水産業が壊滅的な打撃を受けるだけでなく、外国人労働者が多数流入し労働者同士の競争が激化し、国民全体に多大な悪影響を及ぼすことが必至であること。しかし、その一方でTPPの前には排外主義勢力は分裂する可能性があると指摘。沖縄問題においてもTPPと同じように、「米軍基地問題は沖縄県民だけの特殊な問題だ」という論理に乗せられて分断されることなく、広く様々な層が連帯して闘うことの必要性を強調した。

普天間基地即時閉鎖、
日米安保破棄の国民的一大運動を

 この後、武委員長の講演に入った。武委員長は、日米安保は米国の世界戦略・アジア支配の一環であること、また米国の歴史は侵略の歴史であり、戦後38回も戦争をしていると指摘。「日米安保によって日本の安全が守られている」という論理がいかに誤っているかを強調し、東アジアと日本の平和のためには日米安保を破棄すべきだとした。さらに、そのためには国民的な一大運動が必要だと語り、労働組合としてこの問題をしっかりと取り組みたいと決意を語った。
 最後に、意見広告運動事務局の生田あい氏より、伊波洋一氏への残る期間の支援行動について、そして同運動の第2期の取り組みとして、2011年春を目途に米国紙への意見広告と米連邦議会・米国政府への働きかけ、普天間基地撤去・辺野古新基地建設反対の国内世論を盛り上げるために同年5〜6月に国内紙への意見広告に取り組むことが紹介され、これらを成功させるための協働が呼びかけられた。    (大阪、H)

沖縄短信


沖縄県知事選、伊波氏惜敗
 普天間基地の県外移設の帰趨を巡って注目された沖縄県知事選が11月28日投票、即日開票され、現職の仲井眞弘多知事(71)=自民・公明・みんなの党推薦=が33万5708票を獲得し当選、前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)=社民・共産・社大・国民新・新党日本推薦、そうぞう支持=は29万7082票で、差はわずか3万8626票であった。なお、伊波氏が県知事選出馬にあたって辞職した宜野湾市長の座を巡って行われた選挙では、基地建設反対派の安里猛氏が当選した。
「いつか私たちが勝つだろう」
 伊波洋一氏は11月28日夜、那覇市古島の選対事務所で記者会見し、「手応えはあったが、浸透できなかった。」と述べ、「仲井真候補は、ぜひ県外移設を実現してほしい」と訴えた。また支持者に「相手候補に『県外移設』と言わせたことは、選挙の大きな成果だった。皆さんと一緒に基地問題を解決しながら、県民が大事にされる県政を実現するため、私も取り組んでいきたい。結果は残念だったが、次に希望を持って取り組んでいこう」「普天間基地問題は、沖縄ではなく日本の問題。沖縄は米国の召し使いではない。この問題を、県民が主体的に解決しようとチャレンジをし続けることで、いつか私たちが必ず勝つだろう。世の中は必ず変わる」と述べた。

国内短信

TPP反対緊急集会!
 全品目の関税を例外なく撤廃する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への協議開始を閣議決定した菅内閣に抗議する集会が11月10日、都内日比谷野音で開催された。主宰はJA全中(全国農業共同組合中央会)ら農林水産団体、消費者団体など。会場は全国から参加した3000人の農民・市民で埋め尽くされ、多数のむしろ旗やのぼり旗が立てられ、社民党、共産党始め6政党から多数の国会議員も参加した。関税撤廃は企業による過当競争を農業や水産業に持込み、農漁民の生活を危機に陥れるものであり絶対に許せない。参加各団体は口々に「絶対反対」「断固阻止」を訴えた。集会のあと国会に向けて請願デモが行われた。

■新防衛大綱巡る集会
 11月24日、衆議院第一議員会館の多目的ホールにて、この新防衛大綱の危険性をアピールする院内集会がWPNやピースボートなどの主催により開かれ、100名を超す参加者があった。講演者の半田滋氏によれば、最近与那国島などに自衛隊が上陸し、「災害訓練」と称して戦闘車両を持込み、あるいは隊員120名が市民マラソン大会に参加するなど、島民への浸透を図っている。また、防衛省は制服組と官僚とに分かれているが、これを統合して一元化しようとの動きがある。半田氏の発言のあと、服部良一議員、福島瑞穂議員、今野東議員など、社民党、民主党から多くの議員が駆けつけ、新防衛大綱による自衛隊の機能強化への警戒を呼びかけた。

菅内閣、武器輸出三原則を見直し
 これまで日本は武器輸出について@共産圏諸国A国連決議により武器等の輸出が禁止されている国B国際紛争の当事国又はそのおそれのある国に向けて武器の輸出を禁ずるとしてきた。しかし、地雷除去装置や防弾チョッキ、ヘルメットなど人道目的や防御目的のものまで禁止の対象とされるなど、不備が指摘されてきた。菅内閣ではこの見直しを名目として年末に「新防衛大綱」を策定しようとしている。しかしこれは事実上、武器の国内開発と海外への輸出、また武器の国際共同開発を目的とするものであり、日本の平和外交方針に反するものである。また、新防衛大綱には、今ある陸上自衛隊の全国5方面隊の上に陸上総隊司令部を創設することも盛り込まれている。これまでは自衛隊の最大単位である各方面隊を防衛大臣が個別に指揮する仕組みであったが、陸上総隊司令部が防衛大臣の指揮下でこの調整を行うことになる。これは文民統制の領域に制服組が踏み込み、「軍による軍の統制」へと道を開くものである。

■NPAを招いてシンポジウム
 コモンズ政策研究機構では、昨年フランスで結成された「反資本主義新党(NPA)」活動家を招き、新時代社と共催で「11月国際労働者集会」を27日に東京、29日に大阪で開催した。NPAは『コモンズ』10号・28号・29号でも既報の通り、大統領選でも注目を浴びたトロツキスト党・旧LCR(革命的共産主義者同盟)が解散し新たに創り出した、トロツキズムにこだわらない1万人規模の新党である。東京・御茶ノ水の総評会館ではおよそ170人、大阪・協同会館・アソシエには230名が参加し、NPAのレオン・クレミューさん、韓国民主労働党中央委員のキム・インシクさんの講演を受け、討議が行われた。詳細は次号にて(M)

国際短信

米韓合同演習は挑発行為だ!
 11月23日、黄海における米韓合同の軍事演習に抗議して朝鮮民主主義人民共和国(以下「共和国」)軍が国境付近の大延坪島(テヨンピョンド)の軍事基地に向け砲撃し、それに対して韓国軍も応戦する事態が起こった。この事態を受け、米軍は28日から原子力空母ジョージ・ワシントンも参加するさらに大規模な軍事演習を韓国軍と合同で行った。黄海は朝鮮半島と中国に囲まれるいわば「内海」であり、そこでの韓国と共和国との領海線も双方の主張が食い違っている。中国と共和国とを包囲する形で米韓がそのような緊張状態にある海域で軍事演習を行うのは挑発行為以外のなにものでもない。共和国側の行為を非難する前にまず、相手の面前に強大な軍事集団を展開し軍事演習を行った事が非難されなければならない。なお、中国はこの事態について、対話を通じた問題の解決を提起した。
ダブリンで10万人デモ
 11月27日、アイルランドの首都ダブリンで10万人が参加する大規模なデモが行われた。主催は労組の全国組織、アイルランド労組会議。アイルランドは財政破綻の危機に際し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に最大900億ユーロ(約10兆3000億円)の緊急融資を要請した。しかし、こうした支援には条件がつく。最大の焦点は法人税の税率引き下げである。企業の国内への誘致を図ることが狙いだが、アイルランド政府では、法人税減税のツケを付加価値税率の引き上げ、最低賃金や年金受給額の引き下げ、公務員数の削減などで補填する財政再建計画を24日、発表した。このような政策は労働者、学生の生活をますます破壊していくものとして今回のデモとなったものである。デモには「アイルランドを売り渡すな」「金融支援はいらない」などのプラカードが見られた。

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