わたしたちは、座して死を待つより、
立って闘った。そして、完全勝利した! |
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武 建一(全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員長) |
【編集部注】 5ヶ月にわたる生コン関連ストライキに武委員長のあいさつと、現場労働者の座談会を企画しました。(6〜7面)
コモンズ読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。
皆様の常日頃の御支援、御協力に心より厚く御礼申し上げます。
2010年の「政策春闘」は、7月2日から11月17日まで足掛け5ヶ月にわたる長期ストライキの闘いで完全勝利したのであります。
新年にあたって、この歴史的な闘いの勝利に至るこれまでの運動の到達点、今回の「政策春闘」の内容と長期ストライキによる勝利の要因、新年の闘いの重点目標を明らかとして、新年の挨拶とします。
今回の長期ストライキに至る
これまでの運動の到達点とは
私達の労働組合は、46年前に、個人加盟を原則とした産業別労働組合として5分会180名でスタートし、今日175分会1700名を擁する組合です。
私達の今日までの運動の到達点は種々ありますが、以下の13点にまとめることが出来ます。
@46年前の月額13000円から17000円の賃金を年間770万円以上にし、一切の差別賃金(勤務評価等)を廃止し単純明瞭化した賃金制度を確立している。
A年間3日間の休日制度を年間休日125日制にしたこと。組合活動の有給休日24日、個人有給24日間がプラスされている。
B不当労働行為抑制運動として大衆闘争を発展させ、少数分会の仲間を企業の枠を超えた支援活動を展開して数々の勝利を果たしている。特に不当労働行為については、実損回復は当然で、それにプラス強力なペナルティを課する。組合潰しに対しては24年間2分会が今でも闘っており、それを支部が支え、最大の不当労働行為抑止となっている。
C優先雇用協定により労働者採用権を労働組合が得ていること。集約事業(政策的工場閉鎖)については、協同組合が連帯雇用保障を行う制度を確立。
Dセメントメーカーの一方的値上げについては、協同組合が窓口となって対応することにより大企業の優越的地位の乱用を阻止する制度を確立。
E設備投資については、無秩序な投資計画を抑止するために労働組合の関与権を確立したこと。更に適正生産委員会を設立し原価公表、品質保証、技術開発、環境保全、適正運賃制度の確立を実現。
F権利侵害反対闘争では、連帯ストライキ、大衆闘争によって解決する作風を作り、鶴菱闘争、大進闘争など数々の闘争が使用者概念の拡大で得られた成果である。戦術では、一円貯金闘争、製品の不買、元旦行動と多様な戦術を行使した闘いを展開し、独禁法違反でセメントメーカーに100億円のペナルティを課し、輸入業者などと提携して1兆3000億円の被害をセメントメーカーに与えたこと。
G中小企業主導の協同組合作りをめざし、阪神地区生コン協同組合設立。大阪広域生コン協同組合、神戸生コン協同組合の自立を促進するため、協同組合の人事にセメントメーカーが介入しない、セメント値上げに協同組合が窓口になって交渉し、一方的値上げはしない、など12項目の合意を果たした。
H協同会館・アソシエを300社以上の出資によって建設し、この会館に4つの協同組合と技術研究所など10団体が入居し、中小企業の砦としての役割を果たしている。
I生コン産労、全港湾大阪支部、圧送労組と当方(関生支部)4労組と近畿2府4県の生コン関連業者による一般社団法人中小企業組合総合研究所を設立し、毎月1回機関紙「提言」を全国に向け8000部以上発信。更に年間2回の歴史教養ツアー、数回の労使共同セミナーなどの勉強会を組織している。
J一般社団法人グリーンコンクリート研究センターを設立し、新技術開発の取り組みと人材育成を行っており、エコとコンクリート、環境型コンクリートとしてポーラスコンクリート、近畿建築業界・行政によるコンクリートと木のコラボレーションの研究開発が進んでいる。
K社会資本政策研究会を立ち上げ、民主党、社民党の各先生方と中小企業、諸団体、労働組合の構成によって、「政治力」の活用による中小企業支援策を要求としてまとめて一定の成果が得ている。
Lベトナム侵略戦争時の人民支援、イラク侵略戦争反対、安保破棄などのストライキを組織し成功。日朝、日韓、フィリピン、中国各人民との国際連帯運動を強化したこと。
このような運動の到達点に至るまで、私達は、幹部の逮捕、組合員への賃金差別、第2組合、第3組合など労働者への分裂、分断支配、会社の雇い入れたヤクザに2名の仲間が殺害され、今日でも幹部は命を狙われている状況下で闘っています。また権力弾圧は100名を遥かに超える仲間が些細な事件をでっち上げられ、逮捕・勾留されるなどの攻撃を受けてきました。1980年代に入るとセメントメーカーと権力、ゼネコン、日本共産党支配下の労働組合(建交労)が一体となっての攻撃を今日まで幾度となく行ってきたが(1982年、1991年、2005年)これを打破しての闘いの成果です。
長期ストライキによる
「政策春闘」に完全勝利
勝利の要因はどこにあるか
2010年春闘は、この到達闘争の成果を更に発展させることにありました。春闘の位置づけは「政策春闘」としました。
その内容は、@生コン売り価格の適正化、取引関係の改善。Aバラ輸送運賃の引き上げ、ミキサー運賃の引き上げ。B圧送基本料金の収受。C賃金と一時金、福利厚生資金の引き上げ、でありました。結果は、7月2日から11月17日まで4ヶ月半の長期ストの闘いで完全勝利したのであります。
この勝利の要因はどこにあったのか。総括すると次の通りであります。
何よりも経済と産業を民主化する運動の観点と情勢認識論が階級的に分析され、そのもとに組合員と中小業者団体を結束して闘ったことにあります。
すなわち、第1に、大企業の収奪を抑制するには、お願いではなく闘う体制が必要であり、労使共同体制と生コン関連(バラ、ミキサー、圧送、製造の各業者)が束になって闘うこと。これが6月27日の共催による2300人の決起集会となり、7月2日よりのストライキとなっていることです。
第2に、「100年に一度の危機」をどう受け止めるか、です。建交労とUIゼンセン同盟は、中小企業と労働者はこのようなときに賃上げやストライキなどもってのほかだとして、企業間競争に労働組合が全面的に協力する姿勢をとった。我々はそれとは180度異なった態度であった。すなわち100年に一度の危機とは、アメリカ帝国主義の全世界を巻き込んだグローバリズム、市場原理主義によって実態経済を無視した博打経済を行ってきた結果であり、金融資本主義体制の崩壊を意味する。従って、危機を作った彼らは自らの政策により深刻な自己崩壊に陥っており、敵は弱っている。金融独占資本はこの自己崩壊を打開するために、中小企業や農民、商工業者、労働者に犠牲を転嫁するものであり、この敵の攻撃は闘う側に新たなる団結条件を与えている。今日、闘う側にとっては最大のチャンスである。
第3に、今日までの闘いの成果を確信する総括運動を展開したことである。前記13項目にわたる成果とそれを実現するために、何度も何度も生命の危機に直面しながら闘ってきたこと。1980年代には、権力、資本に加え日本共産党まで一体となった組織破壊攻撃が集中されたが、これを闘う力によってはね除けてきた成果であること。「闘いなくして成果なし」との先人の教訓を実践的に活かしたこと。
第4に、労使合同の学習会を系統的に行うと共に、歴史教養ツアー、各種決起集会、勉強会、大相撲後援会など、時に120人から700名までの行事を頻繁に組織し、これへの参加は労使同数で互いに刺激を受けつつ、「現象から本質を見る」力をつけてきたこと。
第5に、ゼネコン、セメントメーカーがなりふり構わず中小企業と労働者に犠牲を転嫁してきたことにより、一層闘う側の結束力を高めることになって、「座して死を待つより、立って闘う」との方向になったこと。
第6に、組合員は4ヶ月半にわたり毎日朝早くより動員体制を取り、それは延べ1万数千人をこえ、行動するにつれ確信を深めていったこと。4労組の結束力が大きく高まったこと。宣伝物に至っては30万部を超えるものとなったこと。多くのストライキ支持署名が全国的に広がり、東京新聞、テレビ等の報道により全国的規模でストライキの社会的影響力が高まったこと、などです。
当然のことながら、相手は今回の敗北から教訓を得て巻き返しの体制に入っています。それが大阪広域生コンクリート協同組合の人事がセメントメーカー主導体制を強化していること。宇部資本と徳山が中心となってゼネコンへの営業政策を強化していることが露骨になっていますが、これは歴史の発展法則に逆らっており、失敗するのは火を見るより明らかです。
重点目標を掲げて、
新たな闘いに挑む
私達は今回の闘いの成果を全国に普及すること、激変する政治情勢を主導的に切り開く闘いを進めます。
新年は支配者側に一層の危機が発生しています。それだけに日・米・韓の合同軍事行動や「尖閣諸島問題」を利用して南西諸島への自衛隊配備、国内における民族排外主義的ナショナリズムを煽って民衆の不満と怒りを外に向けようとしています。
しかし、戦争政策と民主主義は相容れないのであり、支配者は日米同盟のもとで憲法の拡大解釈と改悪を狙っているが、これに反発する運動も必然的に高まらざるを得ない。
私達は、朝鮮民主主義人民共和国との即時無条件での交渉再開、過去の侵略戦争への反省と謝罪と償い、沖縄普天間基地の即時閉鎖・辺野古新基地建設阻止、全国の米軍基地撤去、日本の自主・平和・安全のため日米安保破棄を求めます。経済においては、アメリカ資本と大企業の都合の良いTPP参加に反対すると共に、グローバリズム、市場原理主義路線に反対し、国際連帯運動を強化し、協同組合運動の理念である相互扶助と思想的には共生、協同、自律をキーワードに労働者の団結を基礎に中小企業、農民、商工業者と団結し、経済と産業の民主化に全力で取り組むことを、新年の重点運動目標とします。
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