第31号(2011/1/1)●8-9面
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11月国際労働者シンポジウム

「反資本主義左翼」への挑戦

フランス反資本主義新党(NPA)を招いて


■東京集会■
●11月27日(月)午後6時開演
●御茶ノ水・総評会館2F大会議室
■東京都千代田区神田駿河台3-2-11
電話:03(3253)1771(代)

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左翼の危機が深刻に
問われる時代(国富建治)

 集会は共催した二つの組織からそれぞれ司会を交代して進められた。最初に、呼びかけ人の一人である高英男さんが開会のあいさつをおこなった。
 次に新時代社を代表し、国富建治さんが要旨次のように述べた。
 「明日が沖縄県知事選。尖閣問題、北朝鮮の砲撃など東アジアでの緊張関係は急速に高まっている中で民主党はこの間自民党とまったく変わらない日米同盟強化に踏み出している。私たち自身も含めて「左翼の危機」が深刻に問われている時代である。資本主義システムの行き詰まり、衰退が、金融、環境、食糧、エネルギーなどを含めて高まっている。その中でこの危機を克服して労働者民衆の闘いを作って行かなければならない事が問われている。フランスLCRが解散しNPAを作った過程を我々は学ばなければならない。」


潮流を超えた開催に
ひとつの希望がある(生田あい)


 次に、コモンズ政策研究機構を代表し生田あいが挨拶を述べた。
 「関生労働者有志が自ら新党を創ろうという運動を始めたとき、わたしたちは政治グーループ《協同・未来》を凍結して、この新党つくりに合流し共に活動している。これまでの左翼統合の挫折と苦闘の中で労働運動・社会運動に根ざした下からの新しい左翼再生と新党について悩んでいた時に、フランスの第四インターがわたしたちと同じ問題意識で自ら解散し反資本主義新党(NPA)を結成されたことを知り、大きく励まされ、勇気を与えられた。そこでNPAを招いて、一緒に討議し、共に学び、日本で新しい左翼再生への挑戦が出来ないか考えてきた。今日の集会は、新時代社と共に潮流を越えて開催出来た事にひとつの希望がある。現場に根ざし、若者が希望を持って参加できるような反資本主義左翼への大きな流れの始まりになっていくように願っている。」

NPA結成に至る
フランス左翼の歴史(湯川順夫)


 次に、トロツキー研究所の湯川順夫さんがフランスの状況と左翼運動の歴史を解説した。
 68年5月の急進的な闘いによって社共の左に急進的潮流が大衆的に形成され、70年代前半まで全国に波及していく。しかし80年に入ると本格的な新自由主義が始まり、共産党系CGT労組が衰退、社会党系CFDTが右傾化し、それとは自立した新しい社会運動が始まっていく。「SUD」(連帯・統一・民主)労組の誕生、「AC!」(アセ)運動による反失業ヨーロッパ行進、職安事務所占拠の闘い。許可証(パピエ=ペーパー)を持たない移民(サンパピエ)やホームレスの空き家占拠闘争など。こうした運動の発展を背景に95年に公務員のストライキが爆発した。この闘いでフランス労働者階級は自信を獲得し、世界的反グローバリゼーション闘争の中心となっていった。
 社会党政権の裏切りは、社会党の左に、新自由主義ときっぱりと手をきった新しい反資本主義の政治勢力結集の気運を高めた。そして2005年の欧州憲法条約反対キャンペーンを基盤にして、次の大統領選挙には「新自由主義に反対する左派統一候補」を擁立しようという気運が高まり、全国各地に実行委員会がつくられていった。ここには労働運動や社会運動活動家、社会党内左派・共産党・トロツキストなどが集まったが、共産党もジョゼ・ボベ(有名な農民運動家)も社会党との関係を切ろうとしなかったため、実行委員会は共産党、LCR、ボベ派の三つに分解した。 LCRは第17回大会決定により反資本主義の新党結成の呼びかけを発した。結成の方法は各政党に呼びかけるという「上からの組織」ではなく、大統領選挙の時のように実行委員会を作っていく方法であった。そして2009年、9000人を結集してNPAが作られた。

反資本主義左翼を
日本に作り出そう!


 次にレオン・クレミューさんの講演が行われた(別掲)。休憩のあと、参加者との質疑応答では全ての質問に答えることはできなかったが、以下のような質疑応答があった。
●NPAは結成後、増えているのか――人数は横ばいかやや減少したかも知れない。しかしいくつかの地域に新しい支部が作られている。また影響力は拡大している。
●レーニン主義的党組織論について――我々は民主集中制で活動家の党である。しかし決定を押し付けるようなことはしない。トロツキズムにこだわらず、いろいろな潮流が結集してよい…など。
 そのあと韓国から、もうひとりのゲストであるキム・インシクさんが韓国の左翼の政治状況について報告を行った(別掲)。

 キムさんの報告のあと、労働戦線で闘っている労働者から連帯のあいさつがあった。自治体労働者の辻和夫さんからは、年金改革に抵抗できない日本左翼の弱さ、フランスの運動から学ぶ事の重要性が提起された。また連帯労組関西生コン支部の西山直洋さんからは、5ヶ月間にわたるストライキの報告と、このような闘いを拡げてゆく必要性、そのために青年労働者の力が必要であることの訴えがあった。
 最後に国富さんから、今後、論議を重ね、枠組みを拡げてゆくことが述べられた。
 資本主義の呵責のない攻勢に立ち向かう真の反資本主義勢力を日本に作り出すための共同の闘いは、いま出発点に立った。    (東京・M)


■関西集会■
●11月29日(月)午後6時開演
●協同会館アソシエ3F
■大阪市東淀川区淡路3-6-31
電話:06(6328)5677
 11月29日、協同会館アソシエにて、11月国際労働者シンポジウム「『反資本主義左翼』への挑戦」関西集会が開催された。当日は、連帯労組・関生支部をはじめとする全港湾、全金港合同など労働者、市民団体や学者文化人など240名が結集。
 集会は、西山直洋さんの司会で進行し、最初に、発起人の一人である武建一さん(関西地区生コン支部委員長)より以下の挨拶があった。

時代が新しい政党を
求めている(武 建一)
 多くの人々は、08年のリーマンショックによって、バクチ経済が限界に来たと認識し、経済面のみならず、軍事的・文化的なアメリカ一極支配が崩れ出しており、資本主義自体が末期的症状を呈しはじめている。2004年、社会主義が必要だと考える有志たちが集まり、まず「関生コミュニスト同志会(関コミ)」を結成した。
 関コミ結成の必要性は、こうした時代状況が求めたものだ。労働組合は重要な役割を担っているが限界もあり、全ての民衆の暮らしをよくするには社会システムの根本的変革が必要であり、そのためには志や思想を共にする者たちによる政党が必要である。政党という場合、日本共産党は、自分たちは絶対正しいと考え、労組や大衆組織を上から支配し、セクト主義の政党になった。このような誤りを克服できる新しい政党が必要だ。労働者・民衆の利益のために自己犠牲をいとわず闘い、大衆組織とは互いに連帯し合っていく政党が必要である。

これからが
闘いの正念場

 われわれは敵の攻撃と弾圧の中でたくましく成長し、今春闘では4ヶ月以上のストライキを近畿2府4県の生コン関連500社の賛同を得てストライキを成功させた。生コン価格の適正化、生コン輸送・バラセメント輸送運賃の適正化、賃上げ、これらの財源はスーパーゼネコンから奪い取る。セメントメーカーの一方的な値上げを阻止し、中小企業経営が安定する業界をつくる。現在のところ、われわれが掲げたこれらの要求は達成されている。しかし、これからがいよいよ闘いの正念場だ。われわれの進める資本主義に対抗する運動に対する弾圧はこれからも続く。しかし、それをバネにたくましく成長しなければならない。われわれはそういう運動をこれからも続けていく。

フランス、韓国
からの報告と質疑応答


 この後、フランス・NPA全国政治評議会委員でありSUD航空労組執行委員であるレオン・クレミューさんの講演(別掲参照)、続いて民主労働党中央委員でありタハムケ運営委員のキム・インシクさんの講演(別掲参照)があった。
休憩を挟んで質疑応答に入った。(いくつかの質問に、フランス・韓国双方が応えたが、紙面の都合上、以下の質問に対する応答を紹介する)

■新しい第5インターナショナルについて
――ベネズエラのチャベス大統領の提唱している第5インターについて、どうおもうか?
 反資本主義的な国際運動はつくっていく必要がある。方向性としては、おそらく第五インターは必要だろう。しかし、必要だいうことだけでは不十分だ。そこにいくには多くの問題がある。一つの国で、一つの反資本主義新党を創るのですら大変なのだから。
 チャベスが提案してから1年たつが何も進んでいない。しかし重要な課題だから、できる限りのことはやっていくつもりである。

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新たな時代をつくる
一歩として(星川洋史)


 最後に星川洋史さん(関西新時代社)よりシンポジウムのまとめとして、以下の発言があった。
 今日は多くの方々と共にフランスや韓国の経験を共有化し、現に闘われている関西生コンのストライキの経験も聞き、今後私たちがどう頑張っていくのかの大きな財産になった。日本でも「革命が起こった」とまで言われ誕生した民主党政権がその路線を大きく転換・後退させている。フランスでも同様のことがあり、そのなかからフランスの報告のような状況をつくってきたことを日本でも教訓とすべきだ。また、タハムケの代表からは緊張が高まる朝鮮半島情勢について報告があったが、東アジア情勢に対する認識を共有し、ともに反動的な動きをはね返す取り組みが必要だ。
 今日、フランスの左翼新党の形成、今後の展望を学んだ。日本でもこれから新しい党をつくる挑戦をしていかなければならない。そのためには労働運動の課題、沖縄や反戦反軍の政治的課題について、さらに垣根を超えた真摯な協力体制をつくれるか。それぞれの組織・個人による利害を超えた協調、相手を尊重する運動を創れるのか。負の遺産である「内ゲバ」を克服し、豊かな協力関係と運動が土台にあってこそ、党の建設に向かうことができる。今回は新時代社とコモンズの二つが連絡先になってやってきたが、今日を契機に、今の世の中を変革したいと願う人々が本当に協力し合い、研究し合っていける新しい時代をつくっていきたい。  (H)

フランス労働運動の高揚


■レオン・クレミューさん
 NPA全国政治評議委員、SUD労働組合航空部門執行委員

なぜLCRを解散し
NPAを作ったのか

 68年の闘争以前、フランスには非常に強力な共産党があり、選挙では20%以上の得票率があった。しかし資本主義に対抗する武器にはならなかった。70年代には極左派は強かったが、資本の攻勢の強まるなかで、労働者階級はそれに対抗する勢力としてミッテランの社会党を選択していった。
 しかし現在の情勢は70年代とは違っている。社会党は新自由主義に組み込まれ、極右ファシスト勢力も70年代よりもはるかに強力になっている。新しい革命政党を作る時、新自由主義の社会党を拒否することが重要である。
 1990年代に、SUD労組など多くの新しい社会的運動が登場した。それらの運動は資本主義グローバリゼーションに反対する闘いと結びつき、大統領選挙においてはアルレット・ラギエ率いるリュット・ウーブリエール(LO=労働者の闘争)という極左政党への投票という形で現れた。
 このころの極左派は、統一した反資本主義政党ではなく、自分達の小さなグループの強化を目的としていた。また共産党は社会党が政府を握った場合、それとの関係を大事にするという見解であった。
 それに対して我々は、新自由主義容認の政権を支持する限り反資本主義政党は作れないというキャンペーンを行った。この私たちの立場は様々な社会運動、労働運動のみならず、共産党や社会党の下部の活動家の中にも次第に影響力を強めていった。こういう考え方を実践してきたのはLCRだけであり、その結果、NPA結成に大成功した。LCRは3000人の組織であったが、NPAには9000人以上が登録した。NPA以外の全ての勢力は、共産党と幾つかの左派による「左翼戦線」なども含めて全て社会党中心の連合政権を考えており、明確に反資本主義なのはNPAだけである。
 NPAは全国の都市や職場でシオニズムに反対するなど国際的な闘いを展開している。この9年間、資本主義の危機が急速に深まっており、人々はこの危機からの脱出を求めているが、それに答えられるのは「反資本主義的回答」だけである。

年金改革反対運動の中での
社会運動全体の強化について


 今回の年金改革反対闘争は95年の公務員のスト以来15年ぶりの高揚である。サルコジは資本の奴隷であって、これまで労働者の闘いの成果を全面的に解体しようとしている。サルコジ政権のもう一つの特徴は移民労働者への排外的攻撃である。しかし伝統的な労働運動指導部はサルコジ政権に対抗しようとしない。
 これまでのフランスの年金制度は他国に比べればましであった。例えば60歳定年になるとそれまでの給与の60〜70%が年金としてもらえた。ところが今、資本や政府はこれまでの年金制度そのものを民営化し、受給率を下げようとしている。
 資本主義の金融危機が年金制度の維持を困難にしている。しかし金融制度の防衛のためになんで我々がその犠牲を払わねばならないのか。社会党系労組は年金改悪にはっきりと反対しない。労組指導部は「年金改革は必要性だが、サルコジと交渉する」としてきた。他方、労組の中堅・一般の活動家は年金改革に反対し撤回を要求してきた。そして今年の3月以降の闘いの中で「交渉」派と「撤回」派の2つの傾向がはっきりと分かれてきた。この闘いは2007年の欧州憲法を巡る闘いと似てきている。共産党系や社会党系の労組員や党員まで含めた反改革委員会が地域に作られてきている。労働者の下部から撤回要求の運動が巻き起こっている。
 フランスには多くの労組センターがある。2003年の年金改革反対闘争の時にはそれらの労組センターは分裂していたが、今回特徴的なのはデモやストの中で労組の統一戦線が作られていった事だ。
 しかし、いま必要なのは1日行動とか短期的ストの統一に留まるのではなく、ゼネストである。この9月から11月にかけて大規模な行動デーが6回ほどあったが、その中でわれわれは一貫してゼネストを呼びかけてきた。鉄道、市役所、病院や、特に今回は精油所でストが上からの司令ではなく、下からの要求によって行われた。またSUD労組だけでなくCGT(共産党系)の下部からもゼネストの要求が出た。そして10月にこれらのストの波が政治危機・政府危機へと発展した。いろいろな所でストが起こり、社会的マヒ状況となった。そして次にどう闘争を進めていくのかが問われていた時に、全国指導部の弱さによって、この危機を乗り越えられなかった。10月の世論調査では国民の70%が年金改革に反対であり、多数がゼネストを支持していたにもかかわらずである。
 国民議会(下院)は9月下旬に年金改革案を採択し、10月には元老院(上院)も採択した。しかし世論ははっきりと改革反対であった。
 また年金改革担当者家族へのロレア化粧品会社からの多額の献金疑惑が暴露された。
 この間のデモは300万人という参加者数でも、また15年ぶりに社会の機能をマヒさせる闘いであったという点でも決定的に重要である。また他の諸国でも金融危機のもとで同様の改悪攻撃が進められている時に、大衆的反撃の先例を示したという点でも重要である。この闘いを社共が継続するはずはない。社会党議員たちが年金改革に賛成したのは明らかである。共産党は下からの圧力に押されて反対した。年金改革案の撤回を要求し、ゼネストを呼びかける闘いを作りだしたのはNPAだけであった。その意味でNPAは結成以来最初の非常に重要な経験をした。
韓国労働者の闘い


■キム・インシクさん
 タハムケ運営委員・民主労働党中央委員
 キム・インシクさんは「タハムケ(オール・トゥギャザー)」の運営委員であり、「レフト21」という新聞を発行している。この組織はレオンさんとは別の、イギリスSWPに連なるトロツキスト国際組織に属し、旧ソ連・中国・北朝鮮などを「国家資本主義」と規定している。また、公然とタハムケに所属しながら、民主労働党の中央委員にも選ばれている。現在の韓国の政治状況はフランスとは違っている。民主労働党という大きな影響力のある労働者政党がある。これは革命派も改良主義者も含む大衆的政党であり、最近、北朝鮮についての政治的評価を巡って民主労働党と進歩新党に分裂した。その再度の団結(進歩大統合)を求める声が先進的労働者の中から興っていて、タハムケもこれを支持している。しかしブルジョア政党・民主党との統一の動きもあり、これには反対している。


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