第32号(2011/2/5)●1面
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菅施政方針演説
許さん!米国・財界にひれ伏す菅政権
TPP、消費税増税、沖縄・米軍新基地強行阻止!
反撃し、政府を包囲する広範な共同戦線の構築を急ごう


巨大な民衆革命のうねり
 チュニジアの民衆革命が独裁政権を倒しエジプトへ、今、北アフリカから中東に、巨大な民衆革命のうねりが燃え拡がっている。エジプトの親米ムバラク独裁政権を支柱とした米国の地域支配が民衆の怒りの前に崩壊し始めている。
 民衆が前に出て闘う歴史的激動期を告げた新年、米中首脳会談が行われた。世界第二位となった中国の胡政権と、世界経済の中心となった太平洋地域における覇権をかけて「太平洋共同体」構想―環太平洋経済圏への野心を深めるオバマ政権との会談は、米国一極支配の終わりに代わる世界新秩序形成へ、「2強」の対抗・抗争と相互補完の絡み合う時代の始まりでもある。アメリカの時代は終わった。日米安保体制に呪縛された日本の労働者民衆にとって、情勢に確信を持ち、闘いを強める時である。


米国と財界にひれ伏した菅首相
 1月24日、第2次改造内閣を発足させた菅首相は、就任後初の施政方針演説を行った。菅首相は日本が陥っている閉そく感の打破を目指す国づくりの理念として、「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」の三つを掲げた。その内容たるや、「東アジア共同体」構想や「国民の生活第一」など政権交代の「マニュフェスト」を投げ捨て、米国と財界にひれ伏して政権にしがみつき、自民党以上の対米追随・財界本位のひどいものである。菅首相は、アメリカの対中国封じ込め軍事戦略と環太平洋経済戦略に一層深く貢献し、資本の国際競争での生き残りを掛けた独占資本の利害のために、明治と戦後に続く「第三の開国」を成し遂げた首相として歴史に名を刻む野心に駆られている。


3つの理念は「壊国、不条理、
最大不幸社会」への道

 菅方針の3つの理念とは、具体的にはTPP、消費税増税、沖縄米軍新基地強行の3つの政策課題に象徴される。
 第1に、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加についてである。TPPは、オバマ政権がリーマンショック以来の金融恐慌による米経済の破綻を農産物などの輸出拡大で成長へ転換させる戦略である。そのために関税など全ての貿易の障害を取り除き、人と資本の移動の自由を求め、医療・通信・建設・運輸・教育・保健・文化などの市場開放と規制緩和の実行を迫るもの。日本が参加した場合、農水省の試算では、食料自給率は40%から13%へ、農林生産額は4・5兆円減、関連企業を含めて雇用350万人減となる。農村は底辺から崩壊し、小規模農業、中小企業、地域経済、消費者の食と生活を破壊するものとなる。菅首相はこの「開国」を成長と雇用につなげると豪語した。しかしオバマ米政権は、新年の一般教書演説で、貿易交渉では「私が署名するのはアメリカの雇用を促進するものだけだ」と、菅の甘い見通しを打ち砕いている。
 第2は、消費税増税・社会保障の見直しについてである。菅首相の「最小不幸社会」の政策は、国家財政の破綻の危機を消費税増税と社会保障の切捨てで乗り切ることにある。米軍へは思いやり予算と米軍再編費合わせて3189億円をだし、244兆円もの内部留保金を溜め込む大企業には法人税率の5%引き下げで国際競争力の強化をはかる。その一方で、中小企業の命綱である「緊急保障制度」の3月打ち切り、後期高齢者医療制度の温存、年金の支給年令の引き上げ、国保・介護保険の値上げ、そこに消費税増税である。国保の滞納者454万世帯、保険証を取り上げられた152万世帯、若者に仕事がないなどに象徴される生き難い現実。最小どころか最大不幸社会への道である。
 第3は、日米同盟深化と沖縄米軍基地強化こそ、最大の不条理という問題である。
 菅首相は、日米同盟をアジア太平洋・世界にとって「安定と繁栄のための共有財産」と礼賛し、訪米時に「21世紀の日米同盟ビジョン」に進化させる。そして、沖縄の基地負担軽減が「遅れていることは慙愧(ざんき)に堪えない」と言いながら、恥知らずにも普天間移設問題については「日米合意」を踏まえ、県内移設・辺野古新基地建設推進を明言した。また、「朝鮮有事」などを理由に、新防衛大綱をもってする「動的防衛力の構築」、つまり対中国米軍戦略にそって日米安保軍事同盟を日米韓軍事同盟とリンクさせつつ進化させ、沖縄米軍基地を強化し、沖縄の先島への自衛隊の配備など自衛隊を増強する狙いである。「不条理をただす政治」というのなら、昨年5月の「日米共同声明」を撤回し、米軍基地はアメリカに引き取って欲しいと米政府と交渉し、構造的沖縄差別の下で苦しむ沖縄民衆の民意に応えることこそ、まず不条理をただす政治ではないのか。


菅の命運は決まった、
反撃と共同戦線の構築を

 このように見ると、菅施政方針のめざすところとは、日米安保同盟の「軍事、経済、文化・人材交流の3本柱」の三位一体的展開による日本の「壊国、不条理、最大不幸社会」への道である。しかし、自らTPPなどの期限を「6月目途」と明言した時点で、菅の命運は決まった、と言える。
 すでに、全国各地で、農林漁業者、消費者、医療・建設関係者からTPP参加・消費税増税に怒りの声が起こり、集会・デモなどの大衆行動が相次いでいる。沖縄では、高江ヘリパッド工事強行、新基地建設を拒否した名護市への米軍再編交付金カットの露骨な締め付けへの怒りが渦巻き、全国からの名護市支援「ふるさと納税」運動などの輪が広がっている。まさに、日米両政府の三位一体の攻撃が、日米安保同盟を撃つ軍事・経済・文化の全領域から怒りと闘いを結ぶ共闘の条件を整えている。TPP・消費税・沖縄米軍基地に反対する大きな共同闘争の好機である。
 私たちは、これら差し迫った課題が日米安保同盟の三位一体の攻撃だと言うことをつかみ、沖縄民衆の普天間基地即時閉鎖・「日米合意」撤回を求める闘いと消費税・TPPに反対する農漁民・消費者の闘いを結びつけて闘おう。今春から6月へ、菅政権の「6月目途」を打ち砕く反撃と大きな共同戦線構築に向けて奮闘しよう!(1月31日記)

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