第43号(2012/1/1)●2〜3面
HOMEへ

やりたい放題はゆるさない
総結集してたたかおう!

脱・博徒金融
阪産業大学学長
本山美彦



あおるマスコミ

 ギリシャのソブリン危機を、世界に波及させる犯人は、CDSに巨利を得るヘッジファンドである。現在は、他人を踏みつけても眼もくらむようなカネを瞬時にして儲けるギャンブラーがリスクテイカーとして尊敬されるようになってしまった。卑しい強欲者が、変化に怖じけず、積極果敢にリスクを取った英雄として尊敬されている。いまでは、数名のギャンブラーが、何万人もの生産的労働者の職を奪っている。
 ソブリン危機とは、国家(ソブリンという)が発行した国債(ソブリン債)が売れなくなるばかりか、すでに発行している国債の元利を国家が支払えなくなる(支払い不能=デフォルト)という事態を指す。ギャンブラーたちは言う。もしこのような事態が到来してしまえば、ソブリン債を大量に購入している先進諸国の銀行の資産が悪化し、資金不足に陥った銀行に取り付け騒ぎが起こり、先進諸国の金融が収縮する。その危機が次々と伝播して、世界は金融恐慌、経済恐慌に巻き込まれるであろうと。しかし、こうした事態は、否定できない可能性の一つでしかない。とは言え、それはあくまでも数ある可能性の一つでしかない。その一つだけが、金融の博徒たちに大々的に喧伝されている。金融博徒たちは、債権国の国民に危機意識を植え付け、その外圧の下で、現在の大幅な財政赤字を三年後には、対GDPで六%もの黒字を出すことを条件に、ギリシャ・ソブリンのデフォルトを避ける支援を、各国の中央政府から引き出すことに成功した。
 ギリシャの公務員は給与を三五%カットされ、定年近くの公務員給与は四〇%カットされ、一年後には退職させられる。自治体の数は三分の一に縮小させられ、空港、郵便局などの公営企業は民間企業に叩き売られ、主要なインフラは外資の支配下に入る。二〇一一年一〇月一八・一九日のギリシャのゼネストには一〇〇万人が参加した。ギリシャだけではない、ソブリン危機に陥った各国の労働者は、財政均衡化をいう至上命令によって、大量の首切りに直面させられている。

ヘッジファンド

 ことの発端は、リーマンショク時の二〇〇八年九月一五日以降の政府行動にある。各国政府は、不動産投機に傷ついた金融機関を救済するために、史上空前の巨額の公的資金を注ぎ込んだ。金融機関の倒産が実物経済を収縮させて経済恐慌が発現することを恐れたからである。目もくらむような莫大な公的資金調達をするために、各国政府は、巨額の国債を発行せざるを得なかった。当然、各国の財政赤字は深刻な規模になってしまった。
 国債が早晩値下がりすることは必至であった。禿げタカファンドがそこに目をつけた。彼らは、秘密を守るための非常に少人数からなるプロの金持ち集団である。つまり、公的な(パブリック)ものではなく、私的な(プライベート)組織である。英米法では、パブリックな組織は、公的なものとして金融当局の規制を受けるが、プライベートな組織は、自己責任原則の下で、当局の規制を受けない。ヘッジファンドは、ギリシャ国債を売り込もうという「特定目的」のために、世界の億万長者たちから巨額の資金を蒐集する。しかも、投機に向かう時には、レバレッジといって手持ち資金の数倍の資金(実際には架空資金)を動かせる。レバレッジを使えない公的金融機関の運用可能資金よりも、量的には、はるかに大規模である。彼らは、ソブリン債を売りまくる(空売り)。政府から支援されていた銀行が、その尻馬にのる。国債を安値で買い戻して巨額の利益を得るためである。まさに、死肉を食い尽くす金融の修羅場である。このような地獄から脱出するのが、現代人の智恵である。

縄訪米団の意義と今後の闘い
―新年の闘いへの呼びかけ

社民党参議院議員
山内徳信



アメリカへ
沖縄の民意を


 訪問団が1月21日から1週間、ワシントンDCのホワイトハウスや国防総省(ペンタゴン)や国務省に普天間飛行場の閉鎖・返還を求めに行きます。また名護市辺野古の飛行場建設反対も表明します。いまや辺野古基地建設には沖縄県知事、県議会、すべての市町村において建設反対の決議を上げています。しかし政府は県民の意思をまったく尊重する気配がありません。嘉手納は極東最大の軍事基地といわれ、辺野古は普天間の代わりだといっているが、普天間と性格のちがう全く新しい機能をもち、飛行場であると同時に軍港にもなる。これは沖縄を永久に植民地化してゆく拠点になる。そのことを日本政府に何十回、何百回訴えても、政府は「日米合意を尊重する」と言うばかりですから、この際、ワシントンに乗り込み、沖縄の民意を伝えるつもりです。

かつてアメリカ国防長官ラムズフェルドが「世界一危険だ」と言った普天間基地は周囲に市民が住んでいます。公共施設も小学校もあり、児童生徒たちは飛行機の墜落の恐怖にさらされています。アメリカでも許されないような危険な飛行場を日本政府は自らの問題として解決しようとしてこなかった。75%もの基地を押しつけた上になお新しい基地を押しつけるのは沖縄県民へのこれ以上無い理不尽な背信行為です。
国民の財産、生命と安全を守るのが日本政府の仕事です。沖縄県にも139万人の日本国民が住んでいますから当然、基地返還を要求すべきなのに、そういう姿勢がまったくない。自公政権もそうでしたし、「普天間基地は最低でも県外に移す」といって沖縄県民に大きな期待と希望を持たせた民主党鳩山政権も、その約束を破り捨てた。これ以上の裏切りはありません。

日米両政府の
犯罪的国民だまし

 政策の決定には地元の当事者の同意が必要なのは当たり前のことです。住民も沖縄県民も、県知事、県議会、名護市議会も反対しているのに強引に辺野古に基地を作る。これは日米政府の犯罪的な国民だましです。したがって私たちは今回、沖縄から怒りを込めた訪米団を派遣します。

沖縄は決起する

それでもだめならば「沖縄の風」が吹くことでしょう。アラブに民衆の風が吹き、ウォール街も占拠され、ギリシャにも民衆の旗がなびき、世界的規模で民衆が立ち上がっている。もし年が明けて基地建設が始まったら、「沖縄の風」が、戦後第二の、県民ぐるみの反対闘争として吹くでしょう。その風は米軍司令部、アメリカ総領事館、各地の米軍基地にも広がってゆくでしょう。アメリカはそれでもいいのか。野田政権はそれでもいいのか。
専制的政治、理不尽な政治、非民主的な政治をつぶしてゆくために民衆は決起する。それほど大きな怒りをいま沖縄県民はもっている。火に油をそそいだのは、11月28日に沖縄防衛局の田中局長の「犯す」発言です。アメリカが「犯す」対象は沖縄県民なのか。沖縄の怒りは収まるどころかますます燃え広がっています。

全国で闘っている兄弟姉妹たちに
呼びかけます。

 沖縄闘争は沖縄県民の闘争ではありません。日本国民全体の闘争です。沖縄基地問題は全部つながっております。新基地建設が中止になれば高江のヘリパッドは不要になります。普天間と辺野古新基地をつぶすことによって沖縄の未来を平和に迎えることができます。同時に日本政府に大きな歴史的反省をさせることができます。「やりたい放題はさせない」というのが沖縄と本土の仲間たちの声です。県内外、本土の仲間のみなさんの声援を背に受けながら私もがんばっていきたいと思います。

日米両政府は辺野古新基地建設を
断念し、普天間基地を閉鎖せよ!
訪米行動に支援を!

名護・ヘリ基地反対協議会代表委員
安次富浩



沖縄の煮えたぎる怒り

 野田民主党政権はオバマ政権からの恫喝に屈服し、玄葉外相やその他の閣僚が仲井真知事等を説得するため沖縄詣でを繰り返している。私たちは彼らが来沖するたびに県庁前に集まって抗議行動を展開している。この沖縄の煮えたぎる怒りは持続し、11月14日の「辺野古アセス評価書の提出を断念せよ」の全会一致の県議会意見書採択につながった。防衛省が年内にアセス評価書を出し、来年の5、6月頃には沖縄県知事へ公有水面埋め立て申請書提出へとなるが、その結果沖縄のマグマの爆発という事態になる。
 田中前沖縄防衛局長は記者との飲食懇談会の場で「犯す前に犯すというか」という暴言を吐いたため、琉球新報が英断を持って報道した。県民の多くが女性への冒涜、沖縄差別に繋がる人権無視の暴言と怒りを沸騰させた。300名の女性たち独自の田中糾弾集会に続き、12月10日には「基地の県内移設に反対する県民会議」がアセス評価書の年内提出の中止を求め、田中発言糾弾の県民集会を県庁前ひろばで開催した(400名余りが参加)。
 野田政権の狙いは田中前局長へ40日間の停職という厳しい処分でこの問題にケリを付け、前任者である真部局長の就任によって、アセス評価書を年末に沖縄県へ提出することにある。沖縄県民は日本政府に騙されない。

 もし、政府から評価書提出が強行され、埋め立て申請のプレッシャーが仲井真知事に懸るならば知事を激励する県民大会を開催する。埋め立て申請を許可させない、沖縄の揺るぎ無い民意を無視する日本政府への怒髪的な抗議の県民大会になるであろう。

アメリカへ揺るぎない
民意と煮え滾る怒りを


 米議会のレビン上院軍事委員会委員長らが「辺野古移設は非現実的、幻想だ」と言いきっている。ジャパン・ハンドラ―の代表格ジョセフ・ナイ氏も「県内移設の余地はない。海兵隊をオーストラリアに移設を」とニューヨーク・タイムスに論文を寄稿した。バーニー・フランク民主党下院議員は米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」12月号で、「われわれは沖縄からは海兵隊を撤退させることができると思う。沖縄での海兵隊の機能は、今や日本の政治を不安定化させることでしかない」と在沖米海兵隊の撤退論を唱えている。
 米議会上下軍事委員会は12月13日、2012会計年度の国防権限法案の一本化がまとまり、在沖海兵隊のグアム移転費1億5千万ドルを全額削除に合意した。アジア太平洋地域に展開する米軍の再編を検討する独立委員会の設置、海兵隊の新たな部隊配置案の議会提出、嘉手納新統合案の検討なども含まれている。ブッシュ以来の米軍再編の見直しが求められたのである。今後は大幅な国防予算の削減と中国軍の戦力近代化と対峙する「エアー・シーバトル」戦略が展開されるのであろう。米海兵隊のオーストラリア駐留と嘉手納空軍の移転の動きはその流れだと言える。

 この情勢を背景に、ヘリ基地反対協、普天間爆音訴訟団、高江住民の会など市民運動団体7団体が中心となる訪米団を組織し、米国へ沖縄の揺るぎない民意と煮え滾る怒りを届けるため行動する。現在、訪米の意思表示は30人。嘉手納新統合案が米議会サイドから出ているため嘉手納爆音訴訟団からも参加する。今年1月の米軍属による交通事故死被害者の與儀功貴君の遺族を支える会からも参加する。若い人が多く参加してもらうよう努力した。国会議員や県議も同行する。1月21日〜28日まで、ワシントンDCでのロビー活動、在米支援団体、沖縄県人会との交流を計画している。私たちはワシントンDCか、ニューヨークの国連本部前でデモなどの意志表示をして、米国市民に沖縄の煮えたぎる怒りを届け、来年の5、6月には普天間基地の固定化、新嘉手納統合案に反対し、辺野古新基地建設阻止闘争の結着をつけたい。

総結集で日本の政治の未来を
社民党衆議院議員
服部良一



不退転の決意で

 今年は日本の政治の大きな転換点となると思います。不退転の決意で頑張って参ります。
 昨年9月野田政権が発足しました。10月20日からスタートした臨時国会の冒頭の本会議で憲法審査会の名簿の指名が強行され、最後は一川防衛大臣の問責決議とヨルダン等原子力協定の強行―与党議員の大量造反で幕を閉じました。野田政権を象徴する出来事だと思います。野田政権を一言で言えば、自民党でもやれなかったことをやる内閣です。一切の幻想を捨てなければなりません。

 私は一昨年の秋に社民党の「脱原発・自然エネルギー推進プロジェクトチーム」の事務局長に就任し、福島第一原子力発電所の事故以降は「原子力事故対策本部」の事務局長として対応に当たってきました。一日も早い事故の収束はもちろん、放射能の被害と闘っておられる多くの住民の皆さんを支援し生活と健康を、何よりも次世代をになう子供たちの健康を守っていかなければなりません。そして同時に今こそ脱原発に向けて国のエネルギー政策を確実に転換していかなければなりません。国内外における原発の新規建設を許さず、浜岡やもんじゅなど危険な炉は即時廃炉にし、2020年には原子力ゼロ、2050年には自然エネルギー100%の日本を実現していきます。
 今年の夏、原発が一基も稼働しなくても、電気の需要が昨年並みであれば4・1%の余裕があることを、経産省自身も認めています。国会に事故調査委員会が設置されました。福島の事故の検証も今からです。政府はストレステストの評価で再稼働を無理やり進めようとしていますが、立地周辺の自治体や住民の皆さんと力を合わせて再稼働を許さず闘っていきます。
 日本にアメリカのあらゆるスタンダードを押しつけるTPPへの交渉参加は、小泉政権下進められてきた「日米構造協議」=新自由主義政策の集大成です。2010年代半ばには消費税を10%まで上げることも国際公約しました。
 沖縄の辺野古の新基地建設問題も、結局は自公政権が進めてきたV字滑走路案に戻り、政府は環境影響評価書を提出する意向です。そのあとにくるのは公有水面の埋め立て申請です。今のところは、県知事から公有水面埋め立ての許認可権を奪う特措法はつくらないと言っていますが信用できません。ただ一方でアメリカ議会はグァムへの海兵隊移転関連費用を認めませんでした。米軍再編は、辺野古の粘り強い闘いで暗礁に乗り上げています。アメリカの議会からもいろいろな声が出てきています。1月の沖縄の訪米行動を成功させましょう。今年は決着をつける年です。
 憲法審査会の審議がスタートしました。今年の通常国会からは本格的な議論が開始されます。その焦点はやはり憲法九条にあることは明らかです。武器輸出三原則の緩和や武器使用の緩和、ミサイル防衛計画など、すなわち米軍との共同作戦、軍事技術の共同開発を通じて集団的自衛権へ道を開くためには、憲法解釈の拡大だけでは無理があるからです。野田政権は安倍政権に次ぐ改憲内閣と言わざるをえません。

野田政権に
どう対決するか


 さて野田政権にどうやって対決していくか、社民党が自民でもない民主でもない第三勢力の受け皿になりきれていないことが問題です。正しいことを言っていても支持が広がらないというジレンマにあります。もっともっと大衆に開かれたネットワーク政党として生まれ変わる必要があるのではないでしょうか?社民・リベラル・みどりなどの総結集で日本の政治の未来をともに展望していきましょう!

電力の自由化によるPPSを
利用し、東京電力不買を!

反原発自治体議員・市民連盟共同代表
布施哲也



 アメリカの意向を受けてこの国に君臨する財界首脳、その国の舵を握っていると自惚れる経済官僚、原発同様に劣化して久しいエセ原子力学者、反省せずに未だに大本営発表をつづけるマスメディア、官僚の台本どおりに演じる自称政治家。これらの原子力ムラの住民は、電気料金と税金のあり余る金の力で原発を推進する。
 ムラに落ちる金は社会正義に反し、不当なのだが、金と権力を持つムラの住民に抗し、原発を終焉させるのは難しい。残念だが、これまでの反・脱原発運動がそのことを教えてくれる。でも、それならば、東京電力(他の電力会社も)の電気を買わないことを提唱したい。電力会社の収入を減らすことが、その流れを断ち切るひとつとなるからだ。
 東電は住民の生命を脅かし、土地をはじめとした財産を奪いつづけている。それなのに、経営者が逮捕されたとは聞かないし、本社や関連部署が家宅捜査されたという報道もない。そうであるなら、東電の犯罪を、電気を買わないことで明らかにしたらいい。経済行為で、電力会社に抗するのが一番だ。
 社会正義に反する企業へは、抗議の意味を込めて商品の不買運動を行なっている。東京電力の今もつづいているその犯罪は、過去にもこれからもあり得ないほど罪深いものだ。不買運動の対象として、東電の商品である電気こそ相応しい。
 二〇〇〇年の電力の自由化で、電気を小売する特定規模電気事業者=PPSが誕生した。この制度を使わない手はない。五〇kW以上の契約で、一般家庭は別だが省庁や国の出先機関、自治体の庁舎、民間の工場やビルなどが対象となる。大型ならばマンションも、電気供給会社(団体)を設立して、その役割を持たせればいい。
 現にこの制度を利用し、経済産業省をはじめとした各省庁とその出先機関、都道府県や政令指定都市は、PPSから電気を購入する。そして、それらの例では、電気料金は確実に安くなる。
 電力会社から電気を買わないことは、単に抗議だけではない。普及すればするほど、現行の電力供給制度の矛盾が拡大し、電力の発電と送配電の分離が避けられないからだ。電力会社と原発推進勢力が嫌うこの分離は、金まみれの原発をさらけだし、原発の存続・稼動を止めさせることに結びつく。
 この制度も紆余曲折するだろう。電力会社と経産省は、抵抗しているからだ。電気の送電には電力会社の送電設備を使うため、その使用料(托送料)と、安定供給のための罰金(インバランス料金)は、高額となっている。そのため、新規参入は容易ではない。
 カギは社会化にある。自治体に反・脱原発を求めなくてもいい。PPSの電気の購入が、電気料金が安くなるから実行するでもいい。それが、原発由来の電力会社の電気は買わないことになるからだ。

経産省前テントは
脱原発のひろば

経産省前テントひろば村長
淵上太郎



 東日本大震災と福島原発事故の衝撃のなかで私たちは当初、カンパを募りつつ素朴な福島支援を始めた。小規模のものでしかなく、9条改憲阻止の会でも必ずしも十分な討議を行って実行したわけでもない。多少強引な進め方もあったがご容赦を頂きながら、多くのグループ・団体による共同・協力を実現もできた。他方、脱原発の闘いをどう進めるか、福島とどう連帯するのか、国会前座り込みもやり、6・11を経てその骨格がつくられてきたが、具体的な行動という点で隔靴掻痒という状況であったと思う。
 契機は9・11経産省包囲を巡って訪れた。すでに5万人集会として9・19が計画されてもいる。9・11を一過性の「包囲」に終わらせていいのか。特に我々が首都圏で何ができるのか。議論自体は比較的簡単だったが決断は簡単とは言えなかった。運動や闘いは常に具体的な世界であり、具体性を欠くところに運動は成り立たない。テントはそういう流れの中で産声をあげた。名前もない状態で始まった。
 経産省前テントは、経産省に突き刺さった抜きがたい棘となった。それが維持され100日が経過し今日では首都圏における原発問題での重大な砦となり、そして福島の女性たちに、全国の女性たちに闘いの場を提供するものとなった。
 テントは多くの人々によって支えられながら越年する。12月1日からは、福島の女性たちによって「とつきとうか」の闘いが始まった。女たちが世界を変えると呼びかける福島の女性たちの闘いが「とつきとおか」たって何を生み出すか。
 テントは脱原発の共同と連帯の場である。そのようなものとして維持し発展させられなければならない。多くの人々の力は権力との攻防に打ち勝ってそれを実現していく。3・11の一周年を含む2012年が脱原発の願いを実現していく貴重な2年目となることを自覚をもって迎えたいと思う。

資本主義支配体制の
構造的差別への闘いを!

東電前アクション
園良太



3・11以来を振り返って

 原発を推進し、人を被曝させて金儲けをしていた人たちが今度は廃炉ビジネスや除染ビジネスでさらに金儲けを続けています。その中で、福島の被災者たちが置き去りにされ、避難や賠償が後回しにされている。関東の人たちはそれを自分たちの問題として感じていない。もしも9・19デモに登場した6万人の人々が最初から動いていれば、もっと早くから大きな成果をあげることができていたでしょう。
 しかし今、再び動きが始まってきています。これは体制の問題ですから、沖縄基地問題や格差貧困問題の当事者たちが横につながって運動を一緒に推し進めていくことが重要だと思います。

差別・支配構造への闘いを

 古いタイプの右翼は原発推進、核保有。沖縄・アジアを差別する。統一戦線義勇軍の針谷や一水会の鈴木邦夫など新しいタイプの脱原発右翼も沖縄・アジア差別は同じです。原発は資本主義支配体制の中で存在し、右翼もその「駒」として使われてきました。国家体制の構造を変えなければ原発は無くなりません。「駒」である右翼にそれはできない。
 都心の人間には沖縄やアジアの問題が見えてない。今回の田中(前沖縄防衛局長)暴言に対しても本土の反応は鈍い。沖縄の人は独立を口にするほど本土に失望しています。そこを克服しなければ差別や搾取の構造は変わりません。これは福島県民や被曝労働者への差別と似た構造です。経団連がやっている復興特区も差別と搾取を拡げるものです。差別構造を変えるためにも脱原発右翼とは決別するべきです。

新しい年に向けて

 年越し派遣村を思い出します。リーマンショックから派遣切りが起こり、住居や仕事も奪われた。これは生存の問題、人権の問題であることが、公園への結集を通して全国に伝わりました。しかも厚労省の目の前だったから、厚労省は講堂を解放して人々を収容せざるを得なくなりました。
 経産省前テントは、まだ具体的な成果を獲得していません。派遣村の時には労組などが結集して住居や仕事などの相談窓口を作りましたが、自主避難してきた人たちのためにそのような窓口を作り、「あそこに行けばなんとかなる」という拠点を作り出していきたい。原発廃炉、避難、賠償などについて福島の人々と一緒に実現していきたい。それは稼働反対の根拠にもなると思います。

意思表示をしなければ、
それは認めることになる

「未来を孕む女たちのとつきとおか
のテントひろば行動」事務局
高橋幸子



自分への罪悪感

 私は中3から高校まで福島で過ごし、福島には両親もいます。事故以来、東京で福島の電気を使ってきた自分への罪悪感も感じていましたが、どうしたらいいか分からないまま、「チェルノブイリ・ハート」という映画を観て、これはとんでもない事になるぞ、と思い、8月6日の素人の乱のデモに初めて参加しました。意思表示をしなければ、それは原発を認めることになる。だからできることはなんでもやろうと決めたんです。
 経産省前のハンストを応援する集会が9月16日にあるというのでそこに行き、そのあと園さんに「あっちにテントがあるから行きましょう」と言われて、経産省の目の前にテントが建っていることにびっくりしました。またテントにはがんばっている人たちがたくさん来ていてとても刺激になりました。
 それから被曝労働の実態を聞いて、原発は絶対あってはならないと感じました。19日の6万人集会など、ほとんど毎日集会やデモなどに参加し、27日から福島の女性たちが大挙して来るというのでそのサポートもしようと決めて行動しました。怒濤の9月でした。

女たちの座り込みに
 
女たちの座り込みの時にはどんどん人前で話せるようになって、第二テントの管理人みたいになっていきました。
 11月の集会が終わったら一段落だと思っていたら今度は街宣右翼が襲来。この時は取り囲まれながらツイッターで緊急情報を発信していました。
 12月からは福島の原発いらない女たちの会の椎名千恵子さんの「とつきとおかの座り込み」の事務局をやっています。偶然ですが、最終日はテント開設一周年目になるんですね。
 テントには女たちの座り込み以後、新聞報道もされて、毎日若い人や女の人が来るようになりました。原発についてどう考えたらいいか分からない人も来ます。そういう人々こそ来てほしい。そしてここで交流を拡げ、いろいろなアイデアで盛り上げていきたいと思います。


HOMEトップへお問い合わせプライバシー・ポリシー
革命21 Copyright (c)2008 All Rights Reserved