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沖縄・日本・安保50年シンポジウム
6月20日1時30分〜明大リバティータワー(御茶ノ水)

最初に太田武二さんが沖縄の唄を2曲演奏。島唄につづいて「沖縄を返せ」を演奏。「日本人が沖縄を『我らのものだ』と歌う。われらとわれらの祖先が血と汗をもて、とヤマトの日本人が歌うのは違和感がある」と、歌詞を替えて新しい意味を加えて演奏。「琉球民族の怒りに燃ゆる島」と歌う。

服部良一議員の秘書だった森原秀樹さん。沖縄出身。参議院選挙東京選挙区に出馬する。「われわれ日本人が基地を外のどこの国に作ればいいという必要はないが、米国防省が発表している国防計画書には、沖縄の基地をグアムに移転すると明記してあるのに、日本政府もマスコミもそれを黙殺し、国民に知らせようとしない。辺野古ありきのまま移転先を検討しているかのように見せかけるのは学芸会のようなものだ」と訴える。

続いて、忙しい中を到着した服部良一・社民党衆議院議員。80以上もの米軍基地のうちのひとつの移転を巡って一国の首相の首が飛ぶ。アメリカはそれを高見の見物しているだけだ。なぜ「日米同盟」なのか、「同盟」とは軍事同盟である。経済、文化などさまざまな分野で日米の「関係」はあり得るのに、なぜまず日米「同盟」になるのか? 基地を新規に建設しておいて「沖縄の負担軽減」とは矛盾している。美しい辺野古の海を埋め立てておいて「環境にやさしい基地」というのはおかしい。

壇上の8人のパネラーと特別報告者

塩川さん、布川さんの司会で会は進められた。

琉球新報の松元剛さん。普天間についての県民の意見は14年間二つに割れてきた。しかし今は「県内移設反対」で統一された。日米合意後2日目のアンケート調査では84%が反対。基地推進派は1桁だ。また日米安保維持すべきという意見は沖縄では7%、本土では70%以上だ。以前は政府の利益誘導策で、沖縄でも50%以上が推進だったが、今は7%だ。今や沖縄米軍基地は敵意に取り囲まれている。

ヘリ基地反対協議会の安次富浩さん。来る7月11日の参院選では沖縄に基地反対統一候補を作ることができなかった。自民党、平和運動センター山城さん、共産党の三者三つどもえになったのは残念。反対協として一人を推薦することはできないが、政府に打撃を与えなければならない。また9月の名護市議選ではなんとしても稲嶺与党議員の数を過半数にしたい。また仲井眞知事は信用できない。11月の県知事選にはぜひ伊波・宜野湾市長を擁立したい。菅新首相は所信表明演説で沖縄の基地負担に対して「感謝する」と言った。これは許せない。「菅、謝罪する」なら分かるが、「感謝する」など受け入れられない。このような日本政府をもう我々は相手にしない。ワシントン、国連に沖縄県独自の出張所を造り、直接アメリカや国連に直訴するしかない。これはアメリカの喉元に突き刺さったトゲになる。出張所はいずれ「沖縄大使館」になるかもしれない。

詩人の高良勉さん。安次富さんの発言はほとんど「琉球独立宣言」みたいに聞こえるが、そのとおりだ。沖縄県議会が全会一致で反対し、県民が10万人も集まって反対決議しているのに県内移設を強行する、こんな政府は交渉に値いするのか? 日米安保について、沖縄は当事者であるのにアメリカに対して何の意思表示もできない。民主党は党名を「君主党」と改名したらいいと思う。私たちはもっと安保賛成派も議論に巻き込むべきだったのじゃないか。「安保は日本のどこにもいらない」と言っていてだめだ。「安保に賛成するなら、自分のところに基地を持っていってくれ」と言えば「自分の問題」になる。沖縄に基地を置くことに日本の50%が賛成している。沖縄では7%です。沖縄は今や日米の植民地にされている。我々は「自己決定権の行使」をやるしかない。全県民で新しい沖縄憲法を創ろう! 照屋寛徳議員も言っているように、沖縄のことは沖縄が決める!

パネラーの報告を熱心に聴き入る参加者

神奈川平和センターの金子豊貴男さん。沖縄も神奈川も基地問題の本質では同じです。ラムズフェルドによれば、地元の同意無しに米軍は基地を造らないという項目が基地建設の4原則のひとつにあげられている。しかし、県民の反対にもかかわらず県内移設合意されている。いま米軍基地では米軍と自衛隊の一体化が進んでいる。横田空軍司令部が自衛隊と一緒になり、米軍機の航空管制を自衛官がおこなっている。自衛隊の中央即応司令部も米陸軍と一体化している。スライドによってこれを説明する。

米軍が基地を建設する時の4原則。「歓迎されない所に配備しない」となっているが、沖縄県民が歓迎していないのは明らか。しかしそれは一方的日本政府の責任となり、アメリカ側は見て見ぬフリをする。

横須賀地区の米軍施設の配置図。このほか、多くのスライドから、日米の軍事的一体化の事実が浮かび上がってくる。

厚木基地爆音防止期成同盟の大波修二さん。「神奈川県の人口は900万人。その中で人口240万人が集中するど真ん中に厚木基地がある。このため騒音被害がひどい。基地への離発着による騒音被害の回数は年間3万回以上に達する。そのため私たちはこの34年間、4度にわたる訴訟をおこなってきた。最初の原告団は92名、第二次訴訟では164名。それが、第三次では5千名となり、現在は7千名で第四次訴訟を闘っている。この50年で平均すると年に1機は墜落している。また部品の落下事故などもある。基地があるために高さ制限や米兵犯罪もあり、町の発展が妨害されている。沖縄と連帯して闘っていこう!

伊達判決を生かす会の土屋源太郎さん。1957年、立川基地のフェンスを破って基地内に押し入りました。これを一審では無罪としたわけです。この時の伊達判決には重要点が二つあります。まず日米安保が憲法9条に違反するということ、それから日米協定も憲法違反であるということです。沖縄からの発言が胸にズンと来るのは、「日本は何をやっている!」ということだからです。我々は沖縄を「支援」するのではない。これはわれわれの問題です。市民運動が点のような状態であり、なかなか拡がっていかない。いまだにあるセクト主義的運動が問題です。沖縄の運動をみならって、私たちも組織化していきましょう。

軍事問題批評家の小西誠さん。元衛官として軍事経験を持ち、自衛官人権ホットラインを開設。70、80年代と現代とでは日米安保の内実は大きく変化している。また2005年には日本も米軍の戦略に組み込まれ、米軍と自衛隊が一体となった対中国戦略を中心に合同訓練をおこなっている。陸海空軍と違って海兵隊は防衛の任務をもたず、むしろ戦争が起こったらそこへ殴り込み部隊として投入される。したがって、日本の防衛上も意味がない。「海兵隊撤退」を焦点に定めて闘えば勝てる可能性がある、と語る。

政治評論家として天皇制の問題などに関わる菅孝行さん。今から考えてみると、60年代、70年代のおとな達は非常に賢明なところがあった。学生が先見性を持つのは当然だが、労働組合などが安保の危険性に気づき、巨大なデモを繰り広げた。それが今はない。ナショナリズムには2つの側面がある。「自分の事」として語る面と、「他者に対して排他的」な面とである。本土の運動が「沖縄を返せ」という時のウソ臭さはたまらなかった。今我々がやるべき運動は、「米軍滑走路は国会前につくり、皇居内部に核施設を造れ」と要求し、沖縄の置かれた立場を、リアルに理解してゆくことだろう。また、若手の官僚、議員諸君には、「防衛省、外務省などのトップは、あれは日本人ではない、日本人の皮をかぶったアメリカ人だと思え!」と刷り込んでいくことだ。

このあと、相互の質疑応答があり、会場からもいくつか質問や意見が出された。安保は日米の軍事同盟であり、この問題を論じる時には、同盟維持を正当化する「仮想敵国」が必要となる。対中国、対北朝鮮を想定した場合の米戦略についての菅さんからの質問に対して小西さんは、「そもそも対北朝鮮戦略など米軍はまったく想定していない」と説明。また対中国の場合も、まず米軍側が始めなければ中国から行動することはあり得ない、と応じた。関西からの参加者からの「魚雷による撃沈」疑惑についての質問もあり、それに答えて小西さんは原発の存在を指摘してこれが戦争となる可能性を否定した。また松元さんは、現段階での北朝鮮と韓国との軍事力の差が約100倍もあることを明らかにし、戦争は起こり得ないと回答した。

またこれからの運動の方向性について、安次富さんからは沖縄で実際におこなってきた運動の成果に踏まえ、「相手がいやがる運動をやる」ことの大切さが強調され、また長い時間がかかるが諦めずにやっていけば必ず成果が現れるとの提起があった。司会の塩川さんからは、ジュゴン生息域に対してアメリカでは基地建設が禁止されたが沖縄では強行されようとしているなど米軍の二重基準の実態が明らかにされた。僧侶の石橋さんからは、安次富さんのワシントンへの沖縄県出張所設置提案についての賛意と共に、ワシントンとニューヨークには仏教寺院があることが報告された。「県出張所」実現に向けた可能性が一段と高まることになる。

最後に、会場からの質問に答えて、松元さんから、これまで沖縄では政府からの振興策予算などの懐柔策により各市町村長らが基地建設推進派となり、市民が反対派というねじれ減少が起こっていたが、いまや、政府予算などよりもむしろ基地被害のほうが深刻視されており、基地に頼らない沖縄自立発展の道を探るためにも基地建設反対しようとする方向で県内意見が統一に向かっていることが述べられた。

    

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